香川大学教育学部附属坂出小学校研究大会 英語活動 Part 4

2年生。。。
なんてちっちゃくて、かわいいんでしょう。。。

HRTの先生ともお会いするのは久しぶりです。

この先生もとても印象深い先生で、
とても研究熱心な先生でした。

忙しすぎて、数回だけでしたが、
活動のreviewingができるフォーマットを
用意してくださったり、
私の指導上の留意点を話すと、
一生懸命聞いてくださり、
その時感じた疑問を率直にご質問くださり、
私の実践をとにかく真似て、
ご自分のものにしてくださった先生です。

授業の最初に提示する「ねらい」は、
子どもたちが分かるように、
アイコン(イメージ画像や絵で表現したもの)を
ボードにはって、子どもたちに確認させていました。

mpiのSong & Chantsから
Hello, Hello, What’s Your Name?
Open Shut Them
Make a Circle
The Hokey Pokey
I Have a Joy
と音楽を上手に使いながら、
子どもたちを動かして、
英語のリズムを体感しながら覚える活動で、
ウォーミングアップができていました。

英会話たいそうは、
本時の「朝食は何にしようかな?」に使われる表現が多い、
Unit 3を選んで、歌って踊っていました。

子どもたちの発音が素晴らしい。
Really? のrの音、
Thank you.のthの音、
You’re welcomeのYou’re welcomeにつながるリエゾンの音。
とてもナチュラルでしたね。

Can I have a sticker?のerの音は「カー」になっていましたね。。。
このあたりも、ALTが聞き逃さず、
指導をしてほしいところです。

素晴らしかったのは、
key sentencesをチャンツで言うのですが、
子どもたちは必ず足踏みをしながら言っていて、
アクティビティの時間に、
子どもたち同士で会話練習をするときも、
子どもたちは足踏みをしながら言っていました。

討議の時に、そこの評価が参会者の方々からも、
指導助言者からもなく、
どなたかが、その点のお話もあるかと思い、
私は触れなかったのですが、
この活動で一番良かった場面はこの場面でした。

当たり前で取り上げるほどのことでもなかったのかな~。。。

今回の授業では、
朝ごはんに何を食べるかを聞きあう活動で、
足踏みをしながら、
What, what, what do you want?
Bread, bread. I want bread.
とチャンツで言いながら、
マグネットのついたボードの絵カードを
手渡すのですが、

子どもたちに、
言える言葉は言って伝える
言えない言葉はジェスチャーで伝える、
ジェスチャーもわからない場合は、
ポインティングをして伝える、
というものでした。

授業の流れは、
3つの絵カードを選んで、
言葉を使って伝えるデモンストレーションを
HRTとALTが見せて、
次に20枚の絵カードが出てきて、
(単語の練習に入るのかと思い、
ちょっとドキっとしたのですが、
違ってました!)
分からない言葉はジェスチャーを使えば良いと説明して、
HRtとALTのジェスチャーをデモンストレーションしました。

そして、子どもたちのアクティビティが開始。

子どもたちが足踏みをしながら、
チャンツを言って質問をします。

トン、トンとちょっと腰をかがめて(なぜだか?)
足踏みをしながら、
かわいい声でつたない英語を言う2年生は
本当にかわいい!!!

マスクをした女の子の言ってる音が、
「cheese」に聞こえて、
チーズの絵カードを男の子が渡すのだけど、
「ちが~う!tee, tee!」
マスクを通しての音なので、
私も「tea?」と思ったのだけど、
また「ちがう~~~~~!!!」
ちょっと困った二人に、
私が英語で、
「Why don’t you do the gesture?」
と言うと、女の子は飲むジェスチャーを始めて、
男の子が「あ~、お茶か。teaね。tea!」と
お茶の絵カードを渡していました。

すごい!多分女の子は、もう私の顔は忘れていると思います。
いきなり英語で話しかけても、
自然に聞いて、そのまま理解したことを動作につなげました。

すごい!すごい!

そこで一度アクティビティをストップさせて、
子どもたちに伝え合うところで困っていたお友達を紹介して、
言葉もジェスチャーも分からない場合は、
ポインティングすることを教えて、
再度アクティビティの再開。

この点が討議でも議論となり、
段階を追って子どもたちに意識付けをさせて、
取り組ませるのが良いのか、
それとも、最初から3パターンを教えておいて、
アクティビティに入ったほうが良いのか。。。

再開した時に、
結局子どもたちは知ってる言葉の絵カードばかりを言っていたのと、
少しはジェスチャーも入っていた子もいたけれど、
基本的には、さっきと同じで、
ポインティングを教えたから、
いきなりそれら3つを使ってコミュニケーションができたようには見えませんでした。

でも、段階的に指導するほうが、
この学年には向いているように思います。

だから、多分、
ポインティングのデモの後、
子どもたちのボードの絵カードの内容を、
ポインティングがやりやすいものに変えると良かったんだと思いますね。

ここでの討議でも、
日本語の多さなどの指摘もありましたが、
それは、今までのPart 1-3を読んでいただければ
理解ができますね。

討議のときに、
「外国ではポインティングはしない。
レストランのメニューは文言で書かれていて、
日本のように写真はない。
ポインティングでメニューを選ぶのは
日本人だけ」という話がありましたが、

なにをおっしゃる!

昨年のトロントで、
5時くらいから黒山の人だかりの一角。
息子が「なんであんなに人がおるかわかる?」
でも、これといって何があるでもなく、
ビル街の一角のスペースに群がる人だかり。。。

なんと!日本の居酒屋がトロントにもできて、
夕方の5時から開店するのを、
多くのトロントニアンが待っていたのです。
トロントで唯一の居酒屋で、毎晩大盛況だそうです。
先日、テレビでもニューヨークの居酒屋が取り上げられ、
とにかくスタッフの接客態度の丁寧さや、
メニューが写真で分かりやすく、
アメリカの皆さんも、メニューを見ながら、
ポインティングをしていましたよ~!

そのうち、今の子どもたちが海外に出たとき、
写真付きメニューは、
全世界のどんなレストランでも
浸透するかもしれません。

Part 3でふれた、Can-do statementsで、
田中先生の論文の最後の方で、
「国際語としての視点の欠如」について、
「国際語としての英語」をどうとらえるか!
が今後の課題で、
「英語を母語とする人たちの規範の優位性を
強調するものでない」としています。

つまり、英語を母語にしている人がやっていることを、
基準にしてそれを模範とすることに、
もう少し研究する必要があるということです。

日本人とインドネシア人が英語でやりとりをしている場合、
アメリカ文化の規範が有効だという保証はないですね。

今日の英語活動を通して、
そういったことにも思いを馳せる授業内容でした。

附属坂出小学校の先生方、そして子どもたち。
お疲れ様でした。
二日間の研究大会で、
また、いろんなお勉強ができました。

来週は高松附属小学校の研究大会です。
どんな英語活動が展開されているか、
今回も楽しみに参加しようと思っています。

香川大学教育学部附属坂出小学校研究大会 英語活動 Part 3

午後から、文部科学省初等中等教育局教育調査官の直山木綿子氏のご講演がありました。

タイトルは「評価から探るこれからの英語活動のあり方」です。

このテーマで話す前に、
・なぜ5-6年生からが必修になっているのか
・他の学年の取り組みをどうするのか
の二点についてお話をされました。

直島小学校のように早くから取り組んでいる学校もあれば、
一年に一回しかやらない小学校もあり、
いろいろなばらつきがある中で、
中学校での英語教育とのつながりを考えた時に、
まずは5-6年生の必修化から実施になったそうです。

他の学年の取り組みについては、
「もしやらはるんやったら、ですよ。
やれ!と言ってるんじゃないですよ~」
と、はんなりとした可愛いお声で前置きをした上で、

1-2年生には英語を身体で体感させながら覚えさせることが大事
3-4年生には耳と口で(使って)友達同士で言い合う活動が大事
5-6年生には、さて、何を使うのがいいのでしょうか?

と投げかけて、直山氏が答えの「頭と心」と言うところを、
私も一緒に小声でwisperしましたよ。

初めてお会いする直山氏と以心伝心!

いえいえ、mpiが30年前から、提唱し続けていることですよね。
セミナーでもお話する基本中の基本の考え方ですね。

本題の「評価」についてですが、
観点として
・コミュニケーションへの関心・意欲・態度
・外国語への慣れ親しみ
・言語や文化に関する気付き
が提示され、

「外国語への慣れ親しみ」では、
小学校段階では、
「活動で用いている外国語を聞いたり話したりしながら、
外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しんでいる」
様子を評価するのですが、

中学校段階になると、
「外国語の慣れ親しみ」が、
「外国語表現の能力」と「外国語理解の能力」に分かれ、

「外国語表現の能力」では
「外国語で話したり書いたりして、
自分の考えなどを表現している」

「外国語理解の能力」では
「外国語を聞いたり読んだりして、
話し手や書き手の意向などを理解している」

といった趣旨になっています。

つまり、小学校段階では、
英語の技能を身につけることがねらいではなく、
英語ノートなどで取り上げた
活動で用いている外国語に慣れ親しむのに対して、
中学校では、外国語の技能を身につけることが、
第一のねらいとなっています。

あ~、ちょっと難しい話ですね。

もっと簡単に言うと、
小学校では「慣れてね~」
中学校では「使って表現してね~」ということでしょうか。。。

日本の格付けが下がったことが、
昨日発表になりましたね。
息子の就職活動のことを聞きながら、
日本企業が、国力が、だんだん低下していることを
ひしひしと感じます。。。。

こんな外国語教育でいいのでしょうか。。。

でも、直山氏のご講演によって、
香川の英語教育が、一段と正しい方向に進んでいくと信じたいです。
附属坂出小学校が、英語教育に前向きで、
素晴らしい講演者を毎年お招きくださることは、
この地方都市に住む私たちにはありがたい限りです。

ただ、文科省の「評価」がまだまだ曖昧で、
この内容では、英語活動の内容は、
まだまだ変化はないように感じています。

そして、今回の公開授業のような
担任主導のレクチャー要素が多い活動が
今後増えていくように感じています。

だから、附属坂出小学校の英語活動は有り!
だと思うんです!!!

現在、世界的に英語の評価基準の新しい考え方は、
Common European Framework(CEF)を基に、
Can-do statementsとして研究が進んでいます。

昨年6月に東京で開催されたmpiのスキルアップセミナーで
この考え方に出会い、
その時の講師であった
東京外国語大学とのメールのやり取りで、
慶応義塾大学の田中教授の論文
「英語教育におけるCan-do 研究の構図」
をご紹介くださり、
長沼先生の
「Can-do 尺度はいかに英語活動を変革しうるか」の
二つの論文を、
飲み込みの悪い私は、何度も何度も読み返し、
やっと、地区研メンバーを交えて、
勉強会でレクチャーができるようになりました。

もちろんmpiでも、この論文が出る前から、
子どもたちの「できた感」高める教材、
My Goal Sheetシリーズがありました。

今は廃盤になっていますが、
アメリカの教科書会社から出版された、
洋子先生執筆の外国向けコースブック
「We Can!」シリーズには、
自己評価を取り入れた構成になっています。

直山氏のお話は、
とても的確で、わかりやすく、ユーモアもあり、
聞いていて心地よい時間でした。

直山氏も英語もご堪能なんですね。

ん~。。。だからか~。。。

6年生の公開授業後の討議の時に、
授業で英語をたくさん使う工夫として、
使える英語を増やす「感性」みたいなものを
要求されていましたが、

直山さん。それはね、複数言語が使える人間の考えること。
文科省が小学校の先生方に、
英語力の研鑽の場を与えずにいながら、
とてもハードルの高いご提案だったと思います。

私も日本語と英語と両方使いながら、
足掛け11年、小学校現場を支援してきて、
複数言語が使える人間の感性を、
HRTに求めるのは、なかなか難しいと感じています。

だったら、それぞれの先生方の、
身の丈の取り組みからスタートしていいのではないでしょうか。

そうやって、一年が過ぎて、
毎回、少しずつ英語を使っていると、
変な英語は子どもたちに指摘されたり、
自分も気付いて、「こりゃ、いかん!」と思ったら、
テキストを見たり人に聞いたりして、
少しずつ、がんばっていくでしょう。

それでいいではないですか。

そりゃね。正しい英語を使う努力はしてほしい。
mpiから
「リズムで覚える教室英語ノート」
という教材も出版されています。

時間をかけて、
こういった教材からCDを聞きまくって、
先生方が自己研鑽を積んでほしいものです。

英語活動では、
JTEやALTがちゃんとした英語を使っているんだし、
発音だって、
子どもたちはどっちが正しいのか、
生まれながらにして正しい音を聞く能力が備わっているそうなので。

二日目は2年生の公開授業。
ALTとHRTのティームティーチングを見てきました。

To be continued…

香川大学教育学部附属坂出小学校研究大会 英語活動 Part 2

Part 1の英語活動報告から、
ここでは、その後の討議内容についてお話します。

討議ではmpiから出版している
「バナナじゃなくてbananaチャンツ」が絶賛でした。

あのオリジナルは、
もともと直島小学校の英語活動を視察した時に、
洋子先生がみつけて商品化しました。

全国でいろいろと実践されてる活動ですが、
きっと、すばらしいアイデアがたくさん生まれいると思います。
でも、その素晴らしいアイデアも、
日本の子どもたちの語学習得上必要な理論がないと、
そのアイデアが良い物か否かの吟味すらできません。

洋子先生の目に留まり、
商品化されることで、
良い物がどんどん広がっていくことは、
素晴らしいと思います。

なんと!会場にバナナチャンツを考案された先生がいらっしゃり、
考案された経緯をじきじきに聞くことができました!

「英会話たいそう」もしかりです。

討議を聞きながら、
「英会話たいそうの時間のときに~~~云々」
「英会話たいそうで子どもたちが~~~云々」

もう「英会話たいそう」はひとつの固有名詞というか、
日本全国的にひとつの現象みたいになっているのではないでしょうか。

さて、教材のことはここまでにして、
討議の内容についてお話します。

・日本語が多すぎる
・思考力の育成は英語でなくてもできる
・伝えたいと思わせる工夫は?
・説明が多い
・活動の場面が少ない

こういった意見が出されました。

Part 1を読むと、
上記の事柄に対しての見方も多少変わると思いますが、
いろいろなご指摘がありましたね。

昨年度にいきなり「担任主導」になりはって、
今年度の取り組みやねんで~!
そんなん、日本語が多いのはしかたないやんか~。

あれれれ?
直山氏のはんなりとした関西弁になってしまうやんか~。。。

もとの話し方に戻します。。。

でも、これだけ指摘がでると、
HRTもJTEもへこんでしまいますね。。。

もし、HRTがとても流暢な英語で、
Only Englishの授業を展開すると、
きっと、
「ここの先生はできても、
私たちにはできない。
身の丈の英語活動があってもいいのではないか」
とか言うはずですよね。。。

5つ褒めて1つ改善点を言う。
しかも褒め言葉は強調して。

そんなやさしい日本人が増えると、
もっとこの国は住みやすくなると思うのですが。。。

あ!そうか、そういった人材育成のためにも、
この英語活動は大切なんですね。

思考力の育成に関しては、
HRTが的確にお考えの述べていらっしゃいました。

「日本語でも英語でも両方できていいんじゃないか」

私が赴任した時は、
この学校が掲げる研究主題から、
英語活動は切り離していたので、
ある程度自由にできたのですが、
研究主題の
「知の更新をめざした思考力の育成」に組み込むことで、
英語活動の内容にも、
「思考力の育成」を取り入れた活動となったんですね。

先生方は他の教科において、
その分野での研究を進めているので、
英語活動そのものは、
とても個性的な活動になっていると思います。

伝えたい工夫や説明の多さは、
授業の流れとその時のHRTとJTEの連携を、
もう少し検討していけば、
改善されていくのではなかと思いました。

とにかく「担任主導」ですから、
無理に英語を使って、
HRTが英語の呪縛にがんじがらめになって、
そんな気持ちで子どもたちの前に立つことって
どうなんでしょうか?

準備万端整えて、
45分間をマニュアルどおりに進めて、
子どもたちにもそのように仕組んで、
それが本当の自然な活動でしょうか?

指導助言者の直山木綿子氏が、
「今日の授業はとてもきれいな授業だった。」
と表現されてましたが、
私が過去3年間の間に関わった研究授業は、
もっときれいで、Performance要素の強いものを
公開していたと思います。

その過去3回の授業から比べても、
とても自然体の仕組まれていない授業は、
見ていて安心感がありました。

To be continued…

香川大学教育学部附属坂出小学校研究大会 英語活動 Part 1

一日目は6年生の英語活動です。

子どもたちの手拍子でチャンツをしながら
「英語係さん、英語係さん、Come here, please!!!」

ん?なんじゃこれ!

直島小学校では、
「English Leader, English Leader, come here, please.」
だけど、同じじゃだめなんだろうか。。。

だったら、
「Today’s Leader, today’s leader, come here, please.」
とか
「English captain (or cap’n), English cap’n come here, please.」
とか。

この始まりはいただけませんでしたが、
その後の授業は、
私の目から見て、今までの経緯を考えると
とても自然体で香川の現状をふまえた、
それなりに評価できる授業だったと思います。
*今までの経緯を知りたい方は、
「香川大学教育学部附属坂出小学校研究大会 英語活動(前書き)」にGO!
香川大学教育学部附属坂出小学校研究大会 英語活動(前書き)

まず、英語が全く苦手な担任の先生が、
「おれの英語はおやじ英語だ!」と開き直って、
身の丈で進める活動は、
ちょっと変かもしれないけれど、
少なからずとも、参加者に安心感を与えたのではないかと思います。

そして、担任主導が始まった頃から比べると、
格段に英語の使用量も増えて、
学生の時に学んだ英語表現を使って、
ご自分のやり方が正しいとは思っていらっしゃらないと思いますが、
ご自分のスタイルを貫くところは、
教育者としてあるべき姿なのではないかと思いました。

授業に入る前に、
「はい、では、たくさんの先生方に、みんなご挨拶しましょう」
とおっしゃって、
「こんにちは~。」と子どもたちの元気な声。

その時に、HRT自ら「おやじ英語」のスタイルを
ちょっと説明すれば良かったのにな~。。。
と思いました。

JTEが間違ったことを言うのは問題ですが、
HRTがなるべく英語を使おうとする姿勢が大事で、
担任主導型の英語活動に尻込みしない姿は、
きっと参会者に印象深いものになったと思います。
このように取り組まれる先生方が、
他の小学校にどれほどいるでしょうか。。。

私は、HRTの動き方もしっかりと見ていました。

JTEをHRTの裁量でうまくTTができるように、
必要なところではJTEに出てもらい、
JTEの先生もそのあたりの阿吽の呼吸というか、
HRTとEye contactで確認をしながら進めていく授業展開が良かったです。

この点は、後の討議でも高く評価されていましたね。
(討議の内容に関してはPert 2で。)

カスタネットを使ってkey sentencesを言う練習のときに、
カスタネットを打つだけでなく、
プロジェクターの画像に合わせて、
身体をリズムに合わせて動かし、
膝もリズミカルに動いて、
身体全体でリズムを感じてカスタネットを打っていました。

素晴らしい!若いJTEよりノリがいい!!!

きっと、HRTの先生は、
そういった自分の動きをお気づきになっていないと思います。
mpi理論を習得していると、
指導上で自分ができている点、改善点などの自己発見がありますが、
mpi理論が全くない先生は、
ご自分の良さに気付くことができません。

もったいない。。。

小学校の先生方には、
ぜひセミナー受講をしていただきたいですね。
英語活動が楽になり、楽しくなります。
自分のやってることに確信がもてることは
自信につながりますよね。

HRTの先生は、私が勤務している時から、
英語活動後に、ちゃんとこどもたちに「ふりかえり」をさせる先生でした。

一学期の一番最初の英語活動の日は、
どのクラスでも今年一年の目標を子どもたちに考えてもらいました。
そして学校全体のねらいも掲げて英語活動がスタートです。

毎回、この「ねらい」と「目標」を子どもたちに確認をして、
授業の最後にもう一度ふりかえりをさせた先生は、
その当時この先生だけだったのです。

私は、その先生の姿にスポットをあてて、
校内研修などで機会があるときに、
必ずそのことを高く評価して言いました。

日本人の英語に対するアレルギーや、
文法と単語の暗記でがんじがらめになった私たちの英語学習。
それをもっと楽しく、もっと英語らしくするために、
先生方は「楽しく!楽しく!」とがんばる。

日本人はあまり表情も出さず、感情も出さない。
小さい子どもでも初対面の時にはとても寡黙で物静か。
どうにか、こんな心をほぐしたいと、
ALTもにぎやかにジョークの乱用で大笑い!

でも、その後に何が残りますか?
大騒ぎした時に何が残りますか?

「楽しい」ことを決して否定するわけではありません。
私も一年目は歌って踊って大騒ぎの英語活動をしました。

でも、その後に必ず「なぜなのか」ということを、
子どもたちに聞かせるようにして
先生方に語りかけ続けました。

でも、所詮JTEです。
子どもたちの目と耳はHRTに向いているんです。
そして、ここは教育の場。
学校として、子どもたちに「学び」を提供しなければいけません。
そのためには意味のあることをしないといけません。

そこで「ねらい」と「目標」を掲げることにしました。

そして、これらを掲げるもうひとつの理由があります。、
今後の英語活動にとってとても大切な展開として「評価」があります。
英語活動で何を学ばせ、何を身につけるか。
子どもたちの達成感や向上心は何を基準に評価するのか。

そういったことを指導者が考えるためにも、
この「ねらい」と「目標」を掲げることは重要だと思います。

この「ねらい」と「目標」を活動に取り入れてくださった唯一のHRTが、
今回の6年生の公開授業をされた先生なのです。

一回の研究授業を見ただけでは分からない、
いろんなご努力が現場にはあります。
そういったことも含めて、
私は坂附の英語活動が成長しつつあることを実感しています。

最後にちょっと残念だったこと。

授業の後半に子どもたちがペアになってスキット練習をするときに、
すぐ近くの子どもたち同士で会話をしているにも関わらず、
相手に声が届いていませんでした。

モゴモゴとしゃべる感じで、
相手が耳を近づけて聞くような様子が見られました。

相手に声が届くようにしゃべることこそ
新指導要領の観点に掲げるコミュニケーションの素地だと思うので、
そこは今後も子どもたちに意識させていくことが大切だと感じました。

香川大学教育学部附属坂出小学校研究大会 英語活動 (前置き)

今日は私が3年間勤務した附属坂出小学校の研究大会で、
来賓者として参加しました。

今日と明日はこの研究大会について報告をしますが、
まずは、その前の3年間の経緯を。

私が赴任をした一年目は、
mpi理論にそった実践授業を展開しました。、
私の理論に興味のない先生にとっては、
「歌って踊ってお祭り騒ぎ」と思ったと思います。

私の理論に耳を傾けていた熱心な先生は、
今日、ご講演をされた直山木綿子氏の内容に
「あ!丸井先生と同じことを言っている!」
と気付かれたと思います。

日本人は慎重な国民性があるので、
急激な変革は好まれません。
でも、そこに目の前にいる子どもたちが、
「正しい英語を学びたい」
と言っているのだから、
私はすごくがんばりました。

語彙中心で必ず誰かが泣き始める英語活動により、
とても硬直して、萎縮してしまっている
先生と子どもたちの心をほぐす一年でした。

そして、二年目。
まだまだ、子どもたちには、
のびのびした英語活動が必要でした。
消極的だった先生方もいなくなり、
皆さんが英語活動に真剣に取り組んでくださり、
少しづつ、「正しい英語活動」が
浸透し始める一年でした。
私はすごくすごくすごくがんばりました。
いろいろな困難がありましたが、
私がただの出たがりおばさんでないことを、
先生方がだんだん理解をしてくれて、
(学校で遠慮なんかしていたら何にも進みません!)
英語活動実践だけでなく、
私の心の底にある
「担任を支える」ということを理解してくださり、
3年間のうちで一番充実できた年だったと思います。

研究大会後は、
先生方との宴席にもお声をかけていただいて、
研究授業を共に築き上げた達成感を感じました。
こういった交流は本当にうれしいし、
日々の学校生活では、
なかなか先生方のご意見やご要望が聞けないので、
リラックスしていろいろとお話ができて、
自分の方向性がぶれていないか確認ができます。
そしてお互いの努力をたたえ合って、
タスクは完結するものです。

ALTの不満の中に、
「自分は必要とされていない。。。」という
訴えをよく聞きます。
英語活動や学校での勤務以外の場所で、
いろいろな交流があると、
先生方との連携や一体感が生まれます。

そして三年目。
赴任した時から「担任主導を目指す」という目標があったので、
この年から「担任主導」になりました。
私としては、ちょっと時期尚早だと思ったのですが、
JTEの立場は、学校に合わせるしかありません。

残念ながら、
英語活動内容そのものは、
後退せざるを得ないものになってしまいましたが、
でも!
国に予算がない。
ALT頼みでは前に進まない。

「その国の子どもはその国の大人が責任を持って育てる!」
という信念のもと、日々仕事をしている私です。

「担任主導」で進める英語活動の実践が始まりました。

でも、理論も進め方も英語表現もわからない先生方です。
それでなくても、とてもお忙しい毎日。
本当に、傍らで見ながら、
とてもかわいそうでした。
とてもおりこうさんの子どもたちも、
さすがにフラストレーションがあったり、
失笑がでたり。

でも、ダメダメ!
人が一生懸命取り組んでいることを評価しないと。

でも、日々の学校教育は、
完全なものを子どもたちに提供しないと、
学校の意味を成さないではないですか。

いくら研究学校とはいえ、
この毎週の英語活動はどうなんだろうか。。。。

自分の持病のこともあり
3年目の終わりに、
「mpi講師として関わることはできないでしょうか。。。」
と提案をしてみました。

そして今年度が4年目。
過去2回の校内研修を実施し、
今日の研究授業となりました。

To be continued…

Maruko校長先生からの報告★今日の小3レッスン

火曜日の小3クラスの様子を紹介します。

2年生のときに、「英会話たいそう」を歌と踊りで
96のセンテンスをしっかりと覚えました。

今年から「英会話たいそう」に準拠した
「英会話ワーク」でWriting skillを身につけながら、
会話運びを自由に作らせるように、
96センテンス以外の会話表現も足しながら、
今日も楽しくレッスンをしています。

Chapter 7 That’s okayの41ページ。
I’m sorry.に
That’s okay.
Don’t worry.
I’m sorry, too.
の表現をみんなで練習をします。

いつものように、
Junko先生と生徒に分かれて、
何度か練習をしていたのですが、
Kくんが、
「謝るんだったら、僕はこうする~!」
と広い場所に移動して、
おもむろに正座をし、
礼儀正しく深々と頭を下げました。

Maruko校長先生は驚きです!

昨年、東京で「英語の評価」のセミナーがあり、
その時の講師だった東京外国語大学の長沼先生からのご紹介で、
慶応義塾大学の田中茂範先生の論文
「英語教育におけるCan-do 研究の構図」を読み進めていて、
Junko先生が世話人をするmpi香川地区研究会の研究テーマとして、
メンバーと一緒にお勉強をしています。

その論文の最後に、
「国際語としての英語」の視点に対する課題が書かれていて、
「英語は英語を母語とする人たちの規範の優位性を
強調することはできない」とあったそうです。

まさに、Kくんのように、
I’m sorryの表現を、
武士のように礼儀正しく頭を下げることだって、
こどもたちの世界では自然にあることですね。

「英語表現だからおかしい」と文化固有性を否定するのではなく、
「それ!面白い!!!」と思って、
日本の文化意識も大切にはぐくむことも、
日本の英語教育には大切だとJunko先生は感じています。

子どもたちが楽しんでいる様子を
デジカメでカシャカシャ撮りました。

ThomasくんからGreeting Cardが届きました!

今日は、とても面白い一日でした。

いろいろな雑務で車を走らせていると、
坂附で一緒に英語指導をしていたタイラー先生から電話。

久しぶりのタイラーからの電話に話がはずみ、
車をサンメッセの駐車場に入れて、
しばらく話をしました。

タイラー先生はカナダ出身です。
綾川町のALTはカナダ出身の先生がずっと来ていて、
綾川町の小学校で一緒に英語指導をしたトーマス先生も
思い出深い素敵な先生でした。

タイラー先生は、このクリスマス休暇でカナダに帰ったときに、
バンクーバーに住むトーマス先生に会ってきたそうで、
カナダで私の話で盛り上がったそうです。

なんの話で盛り上がったんだろうか~。。。
日本の片田舎の小学校で、
歌って踊る中年おばさんは、
若い彼らには強烈だったことでしょう。。。

久しぶりにタイラーと電話で楽しく話をして、
帰宅し、郵便受けを見たら、
なんと!そこにトーマスくんからのグリーティングカード。

なんという、タイミングというか人のつながりでしょうか!!!

トーマスのカードの中身には、
とてもうれしいことが書かれていました。

「今、大学を卒業して、
念願の教師となり子どもたちに言語指導をしています。
フランス語とスペイン語を教えているのだけれど、
日本で英語を教えた方法と共通点が多々あります。

Junkoと一緒に英語指導をした日本の体験は、
自分の言語指導のあり方に、
多大な影響を与えてくれています。」

自分が正しいと思って、
ALTの立場を配慮しながら、
綾川町や附属坂出小学校でがんばったことを、
分かってくれる仲間がいることを感じて、
熱い思いがこみ上げてきました。

とても素晴らしい時間を、
彼と共に過ごしたことが、
今、とても懐かしいです。

☆英語の歌で学ぶフォニックスレッスン☆

新しいレッスンを開設しました。
ずっと以前からやりたかったレッスンです。

8年間、綾川町の小学校で英語活動の支援をしたのですが、
ある小学校での6年生の英語活動のことです。

英語活動になかなか興味を持ってくださらない先生がいました。
クラス運営もお上手で、
生徒たちとの信頼関係が良い先生でしたが、
どうも、英語自体が受け入れられない様子でした。

ある活動の時に、
「卒業までに一曲英語の歌を歌えるようになろう!」
と目標を提案して、
ビートルズのLet it beを選曲し、
まずは生徒たちに曲を聴いてもらいました。

静かな教室に、ピアノのイントロが流れて、
ポール・マッカートニーのやわらかい歌が続きます。

Let it be, let it be, let it be…

クラス全体を見渡したときに、
一番真剣に歌詞を見て聞き入っていたのが、
その担任の先生でした。

その後の先生の英語活動の取り組みは言うまでもありません。
そして、大人感覚のアメリカンポップミュージックに触れることで、
ちょっと反抗的だった男子たちにも笑顔があふれ出し、
その学年が卒業する最後の英語活動の日に、
玄関を出る私を先生と男の子たちが、
たくさんのお礼の言葉と一緒にずっと見送ってくれていました。。。

英語が苦手でも、
音楽によって、人の心はほぐれます。

教室を立ち上げる前は、
商工会議所で大人の人たちにも英会話を教えていました。

その頃から、
テキストから離れて、
映画のワンシーンを真似たり、
アメリカンポップミュージックに親しんで、
その中の会話フレーズを使ったりするほうが、
大人の英語習得には絶対に効果的だと思っていました。

今、子どもたちがフォニックスで文字読みを学習しています。
保護者の方々にも、このルールを知っていただくと、
家庭での絵本読みのときに、
子どもたちにアドバイスができます。
でも、大人の方々にフォニックス学習を一からするのも、
ちょっとハードルが高い。。。

そこで、音楽によって心をほぐして、
歌の歌詞を読みながら、フォニックスを知っていただくと、
みんなで歌って楽しく学べて、
英語にも親しむことができます。

そんなレッスンを立ち上げました。
クラス情報

Angel Forest Story

昨年の12月23日にKITOKURASギャラリーで、
丸太と木の実のケーキ作りをしたことは、
ここでもご紹介しました。

とても好評のイベントで、
KITOKURASの社長さんやスタッフさんたちには
感謝の気持ちでいっぱい。

イベント終了後、
子どもたちがスタッフの皆さんに、
感謝の気持ちをお手紙にしたいということで、
冬休みに急きょ、小3から小5の女の子たちに声をかけて、
集まれる生徒に集まってもらいました。

レッスンルームに
画用紙や色紙、カラーテープや
スティッカーなど文具類を用意して、
子どもたちに自由に作らせてみると。。。。

KITOKURASの一日を、
とてもかわいく素敵な絵本に仕上げていました。

大人の注釈や意見はいりません。
子どもたちは感じたままを、
絵本のストーリーに描いています。

とても素敵な絵本なので、
一生懸命に作った子どもたちと一緒に、
KITOKURASに持っていきたかったのですが、
Junko先生もスケジュールが立て込んでるし、
そのためにお母様方に送迎をお願いしたり、
お忙しいスタッフの方々にお時間を取っていただくのも
申し訳ない。

そこで、
昨日、KITOKURASに持っていきました。

お話の内容は、ぜひKITOKURASギャラリーで。
スタッフの皆さんで回し読みをしたら、
ギャラリーに飾ってくださるそうです。

ぜひ、生徒の皆さん、
保護者の皆さん、
ご覧になってください。

とってもかわいくて楽しい絵本です。
この絵本のストーリーをもとにして、
英語劇のシナリオも出来ました。

今度のOpen Class Dayで発表しようかな~。。。

Maruko校長先生からの報告★200時間達成キッズ★

またまた小1クラスのお友達が200時間を達成しました!
すごい!すごい!
今年の小1クラスの生徒たちは本当にがんばってますね。

今日の小3クラスでの出来事をお話します。
絵本が大好きで、Building Blocks Libraryのレベル1と2を終えて、
レベル3に入る生徒がいます。
他の子供たちも、追いつけ追い越せと、
レッスンの合間に絵本を一緒に読んでいます。

まだ小学校3年生の子どもたちが、
絵本を開いて、絵本の絵を見ながらいろいろとお話して、
だれともなく、絵本のフレーズが口からついて出てきたら、
後はみんなで一緒に読み始めます。

クラスが一体となるとても素敵な瞬間です。

こうやって、子どもたちの生活の中に、
自然に英語の世界があることが、
とても素晴らしいと思います。

絵本をがんばる子。
発表をがんばる子。
文字読みをがんばる子。
スキット作りをがんばる子。
字をきれいに書く子。
絵をきれいに描く子。
英語のクイズをがんばる子。

それぞれ子どもたちのがんばるところは違います。
その子ががんばっているところを、
褒めて伸ばしてあげましょう。