こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2009年3月2日

英会話たいそう 指導案の実践例<第3回>|mpi

2009年3月2日
英会話たいそう
指導案の実践例<第3回>
~小学校英語で多く採用されている教材「英会話たいそう」をどう使う~
MPI教育アドバイザー・パートナー会員
J-SHINE小学校英語指導者
都内小学校JTE(日本人英語指導者)
中村有希子
レポート:小学校英語の現場から

Oops.(77)What’s the matter?(78)
I forgot my book..(79) You can use this one.(80)
を使った指導案

*( )内の数字は、「英会話たいそう」で扱われている番号を示す

対象学年:第3・4・5学年
授業時数:20分×3コマ
指導条件
(1)「英会話たいそう(パート7)」を導入済みであること
(2)A:Oops! B:What’s the matter? A:I forgot my book. B:You can use this one.のやりとりが正確に理解できること
・教材



(第1時)
(1)全体を2グループに分け、A:Oops! B:What’s the matter?の1往復のスキットを練習する。
(2)列ごとに分かれ、「Oops! What’s the matter?リレー」をする。
(3)ペアになり、1往復のスキットを練習。
(4)児童2名に教室前方に出てもらい、1往復のスキットを発表。
(5)さらに、A:Oops! B:What’s the matter? A:I forgot my book. B:You can use this one.の2往復のやりとりが可能かどうか児童の様子を見て担任が判断する。全体を2グループに分け、練習する。

(第2時)
(1)全体を2グループに分け、2往復のスキットを全員で復習する。この段階では、I forgot my bookのbookはまだ言い換えない。
(2)班ごとに分かれ、順番にOops!役を決める。これは担任が指示する方がいい。担任の合図で、Oops!と言った児童に対して、他児童がWhat’s the matter?と言い、2往復のスキットを練習する。
(3)次に全員を2グループに分け、Oops!グループを決める。音楽を流し、教室中を歩き回るよう指示する。音楽が止まったとき、Oops!グループの児童はOops!と言う。近くにいる児童がWhat’s the matter?と声をかけ、2往復のスキットを成立させる。

(第3時)
(1)全員で、I forgot my bookのbookの箇所を言い換える練習をする。eraser、red pencil、textbook、notebook、worksheetなど。ここで、単語だけの練習ではなく、I forgot my eraser.やI forgot my red pencil.など文章単位で練習する。
(2)全員を2グループに分け、担任が示したものに言い換えて、2往復のスキットを練習する。
(3)ペアになり、担任が示したものに言い換えて、2往復のスキットを練習する。
(4)④ 児童2名に教室前方に出てもらい、2往復のスキットを発表。当てはめる単語はペアで決めるが、全員で練習したものから選択するか、当てはめたい単語を担任かALTに尋ねるよう指示するか、担任が判断する。

(担任の感想)
※第2時に教室を歩き回る際、流す音楽は児童になじみの薄い音楽の方がいいと感じた。最初、児童が普段からよく口ずさんでいるGo bananas♪の歌を流したら、歌うことにとらわれすぎて、会話がおろそかになった(5年担任)。
※DVDに合わせて歌って踊っている時は全員まちがいなく声が出ているのに、第1時のリレーの際、一人ずつ発話するとなると、とたんに声が小さくなってしまう児童が数名見受けられた。メロディが外れるのは児童にとっては勇気のいることなのだと思う(4年担任)。
※ジェスチャーについて、Practice Timeのマイケルのジェスチャーをマネするという習慣をつけておくと、いいと思う。私(日本人の担任)には、I forgot my book.というとき、ジェスチャーが思い浮かばなかった(5年担任)。
※英語教室に移動する際、普段は児童全員分の名札を持参するが教室に忘れてきた際、I forgot your name tags.と言ってみた。oh-uhの他、That’s okay.(76)と言う声があがってうれしかった!

*** 『学級担任』のちょっとしたコツ&アイディア ***
<第3回>
(1)第4学年・20代女性教諭
先日3校時の授業で、英会話たいそう(パート7)を歌って踊っている時、ちょうど11:15だった!それに気づいてからは、It’s 11:15(74)の部分でその時の時刻を児童が当てはめて歌うようになった!時刻の読み方が自然に指導出来た!
(2)第1学年・40代男性教諭
Dansinglish Timeも十分歌って踊っていたし、絵カードでも十分練習していたし、Practice Timeも何回も見ていたのでもちろんわかっているのだろうと思っていたら、1年生は「会話」になっていることをまったくわかっていなかった。歌に合わせてスキットさせようと思ったら失敗した。
2グループに分かれたあと、Skit Timeに合わせて、男性のマネ、女性のマネをするだけで、そのうち会話らしく成立していくことに気づいた(1年担任)。
(3)第3学年・30代男性教諭
学期末最後の授業では、班ごとに自分たちで選択したパートの発表会。Dansinglish Timeをマネておどる班もあれば、Skit Timeをマネする演技派もあり、非常に楽しかった。
(4)第1学年・50代女性教諭
学校公開週間での授業を参観してくださった保護者から、「1年生なのに発音があまりにもよいことに驚いた」とお褒めの言葉をいただいた。

関連リンク:
「英会話たいそう」実践例第1回
http://www.mpi-j.co.jp/elementary/spot22.html
「英会話たいそう」実践例 第2回
http://www.mpi-j.co.jp/elementary/spot31.html


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