2009年11月2日
連載
パートナー教室訪問 第7回
「身ひとつで教えられる先生」をめざして
マティックス英語教室
マティックス千里

取材・構成 奥原剛
レポート:小学校英語の現場から

5年のブランクから学んだこと

マティックス 大阪の親戚が東洋医学で肝臓病を克服していたので、その先生に診てもらうと、「じっくり治した方がいい」と言われ、英語講師の仕事を辞めました。

それで大阪に引っ越して、体を治しながら東洋医学の勉強を始めたんです。夜間学校に通って、あんま・マッサージの国家資格も取りました。

――その間、英語は?

大阪にいた5年間は、英語とはまったく無縁の生活でした。

それから鳥取に帰り、あんまマッサージの治療院を開業しました。ところが、「また英語を教えてよ」と言われて。

それで久々に英語を声に出してみると、まったく口が動かない。

――「口が動かない」というと?

文字通り、動かないんです。日本語と英語では、口と舌の筋肉の使い方がまったく違うんです。
当時は本職のマッサージ師ですから、口のまわりをマッサージしてほぐしてみました。すると、ちゃんと英語を発音できるようになる。でも、少し英語をしゃべって口の筋肉が疲れると、またしゃべれなくなるし、息切れもする。

5年間のブランクのおかげで、私は2つの大事なことを学びました。

1つは、「英語は続けないといけない」ということ。中断すると、英語の筋肉の使い方ができなくなってしまうんですね。おまけに単語や文法の知識もどんどん忘れていく。

もう1つは、「英語は体だ」ということ。英語と日本語では、話すときの口と舌の筋肉の使い方が異なります。そしてジェスチャーの身体表現や、息の吐き方を含め、体の使い方がまったく違う。

ですから、“通じる英語”をあやつる人は、“英語の体の使い方”ができていて、一方、発音がよくない人、英語が通じない人は、体ができていないんだと思います。この気づきは、現在のMPIのマナー教育や発表教育への共感につながっています。

――5年のブランクを、どのようにして取り戻したんですか。

幼児クラスのレッスン。ママも一緒に。

幼児クラスのレッスン。
ママも一緒に。

NHKのラジオとテレビの番組を基礎英語からビジネス英語まで毎日すべて録音しました。1日およそ3時間分。それを毎日ひたすら聴いて、ひたすら言う。今でいうシャドーイングです。感情を込めて、女優のつもりで心身ともになりきってまねると、体も英語に合わせて動くようになる。半年間それを続けたら英語力がもとに戻ったので、昼間のマッサージの仕事の後、夜は英語を教えるようになりました。

――神奈川で教室を開くようになったのは、どのような経緯で?

1993年にマティックスと結婚し、生活の大半が英語になりました。まもなくハワイへ転勤になり、3年で帰国してから横須賀基地のなかに住みました。