「これも英語教育なのか!」と児童英語の世界に感動
――佐藤先生は、南山大学で大学生にも英語を教えてらっしゃいますが、児童英語を教えるようになったのは、どのような経緯だったのですか。
佐藤 私は大学を卒業後、一度就職して、それから社会人として大学院に入って、英語教育を研究しました。いろいろな学会に足を運ぶ中で、ある時JALT(全国語学教育学会)の学会が名古屋で開催されました。当時の私の興味の中心は、大学生や高校生に対する英語教育だったんですが、たまたま外山節子先生の発表を拝見したら、子ども向けの絵本の使い方を教えていらっしゃって。
それがもう他のワークショップとまるで違う世界だったんです。高名な先生が着ぐるみを着て絵本を読み聞かせていらっしゃる(笑)。「これも英語教育なのか!」と、すごく感動しました。それで、大学院を出てから塾を開いて、子どもに英語を教えるようになりました。
――大学院に入る前の就職では、どんなお仕事を?
佐藤 大手広告代理店で営業をしていました。男女雇用機会均等法ができたばかりの時で、ものすごいノルマの中で、もう本当に忙しく働いていました。でもその経験のおかげで、「何が何でもやったる!」というガッツが養われたと思っています。
――なるほど。厳しい社会人経験が、その後、何人もの先生を雇って塾を経営するという現在に生かされているんですね。mpiとのつながりは、教室を開いた当初からですか?
佐藤 いえ、教室を始めたばかりの頃は、自分で選んだ歌と絵本を中心に教えていました。しかし、保護者の方々の「もっと実用的な内容を」という要望を感じて、コースブックを使うようになりました。児童英語教育にかかわる人なら誰でも知っている有名なコースブックです。でも今度は、コースブックをこなすだけで精一杯になってしまって。歌も絵本も十分にできなくなって。
――コースブックに振り回される感じですか?
佐藤 そうです。文法とゲームが多くて、生徒もなかなか覚えていかないし。そんな中で、J-SHINEの資格を取るためにmpiのセミナーに行ったのが4年前です。まず初級プログラムを受けて、中級プログラムに進んだあたりから、「おっ!」と思い始めて。教室で実際にやってみても、生徒の反応がいいし、教材も使いやすかったんです。遠回りしたな、もっと早くmpiを知っていればよかったな、と今では思います。
――セミナーを受けられて、どんなところに「おっ!」と思われたのか、詳しく聞かせていただけますか。 |