―どうして日本語ではなく、英語で英語を教えるのですか?
英語教室は、生徒にとって貴重な“英語をインプットする場”になります。英語を聞く環境がほとんどない日本では、英語学習者にとって、いかに英語のインプット量を増やせるかはとても大事なことになります。
そのため、たとえ人工的であっても、英語でコミュニケーションする場所を提供し、 実践する場所を与えることは大切です。
また、先生が英語を使うことで、“英語をコミュニケーションのために使う”という生徒への良いお手本になることができます。またインプットだけではなく、生徒同士が英語を使うアウトプットの場としても英語教室を活用することができます。
―英語が全く分からない子どもにはどうやって伝えるのですか?
コミュニケーションは、65%がnon-verbal(言葉以外の伝達方法)で行われていると言われています。これは、相手に何かを伝えたいとき、言葉だけを用いて意味を伝えるのでなく、身振りや顔の表情などが重要な役割を果たすということになります。
これを踏まえて、英語を英語だけで指導する時には、生徒が理解できるように
①簡潔で、短くて、同じ言い回しを使う
②絵や動作、顔の表情を駆使して、意味を理解させる
③声の調子を状況によって変える
ことが大事です。
そうすることで、英語だけのレッスンでも大丈夫だと生徒を安心させます。
また、決して“説明する”のではなく、中身をみせていくと成功します。
ゲームのルールも説明するだけではわかりません。ですから、実際にやってみせます。そうすると生徒は何をするべきかを理解します。この繰り返しが生徒にとって、「英語でもわかった」という自信に繋がっていきます。
―英語で指導する際、覚えておくと便利な英語のフレーズはありますか?
褒め言葉をまずたくさん用意しましょう。
何語でも褒められることに対しては、子どもは瞬時に理解します。満面の笑みで言える褒め言葉をたくさん準備しておきましょう。
とってもシンプルです。
Good!
Great!
You did it!
Good job!
Excellent!
I like your speech!
こんな感じで20も30も言えるようになるといいですね。
―教室で日本語を話してしまう子どもにはどのように指導すればいいですか?!
先生が負けないことです。
日本語で説明して、日本語で意思疎通をしてしまえば、よっぽど楽です。ですが、それを続けていると生徒はいつまでたっても英語を使うようになりません。
英語だけのレッスンでは、生徒は自分の事を話したりできません。心の機微を話すこともできないでしょう。それらを伝えたいために日本語を話す子がいるかもしれません。
ですが、そこをぐっとこらえて、先生から質問してあげることで、生徒の言いたいことを何とか引き出してあげる、英語でもcommunicationできるんだと実感させることで、やがて彼らも英語だけで過ごせるようになります。
低学年のうちは、自分が日本語を話しているのか、英語を話しているのか意識がない子がいます。そんな子に怒りながら No Japanese!と頭ごなしに叱っても逆効果です。
そんな時先生は、それに乗らずにだま~ってしゃべり終わるのを待つ。
手を変え品を変え、英語だけでもできるという意識を少しずつ持たせます。
他にも、年齢の高い子どもたちを指導する際には、簡潔で短いフレーズを使ったとしても、声のトーンやスピードを生徒の精神年齢に合わせてあげるなど、指導のポイントは様々です。
生徒をやる気にさせる力や、表情が豊かであることなども指導者にとって必要なことです。
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次のページでは、「英語で英語を教える」というテーマについて、松香洋子のコラムを掲載しました。ぜひ併せてお読みください!
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