こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2020年10月6日

秋もオンライン

聖学院大学人文学部児童学科
小川隆夫

ずいぶん涼しくなってきました。読者の皆様はお元気でしょうか。
いよいよ秋も本番ですが、10月スタートすることで興味深いことが一つありました。JALがついに空港や機内のアナウンスをジェンダーニュートラルな表現にすると発表したことです。制服もパンツが加わりましたがアナウンスではLadies and Gentlemenを廃止するそうです。ロンドンの地下鉄のアナウンスはLadies and Gentlemenを使う代わりにGood afternoon, everyone.のようになりましたが、JALはどんな表現を使うでしょうか。先日、JALに乗った友人が言うにはCAによってはすでにeveryoneを使っているそうですが、10月からJALに乗る機会がありましたら英語のアナウンスをぜひ聞いてください。

さて、私は先週から後期の授業が始まりました。後期もすべてオンライン授業です。これからひたすらパソコンに向き合う日々がまた続くことになります。9月28日付の朝日新聞には埼玉大学の学生に行われたオンライン授業についてアンケート結果が紹介されていました。オンライン授業の満足度としては「満足」が18%、「おおむね満足」が52%と計70%という結果で大学の予想より好意的だったそうですが、6割の学生が「コンピューターとむき合う時間が長いので心身が疲労」と答えたそうです。確かにそうです。教える側の人間もかなり疲れますし、学生にうまく伝わっているかなと不安になることもあります。そんな時はやはり気分転換が大切なようです。
私の場合は授業の合間に外に出て新鮮な空気を吸ったり、庭の花や植木を眺めたりしています。パソコンの画面を長い時間見た後は、自然のものを見るのが一番癒されます。

今月はあちこちの小学校で授業研究を始めたようで、先日は都内の小学校の授業研究会に行ってきました。しかし、教室に入るといつもと違って見学の先生は数名しかいないのです。密を防ぐために教室に入る人数を限定し、Zoomのシステムを使って多くの先生は別室のモニターで、教育委員会の指導主事や他校の先生はそれぞれの職場で参観していたのです。まさに新しい形の授業研究会でした。ALTと担任の先生とのやり取りやSmall Talkなどは録画したものを大きなモニターに映していました。担任の先生がよく研究しているせいか授業の流れを乱すことなくとても自然でした。モニターからALTが子どもたちに話しかけているのも全く違和感がありませんでした。子どもたちも慣れているのかしっかりと反応をしていました。

私たちの生活は、新・デジタル生活になるそうですが、学校現場でもこうして従来にない形で授業にもデジタル技術が取り入れられてきていることを実感しました。 左の写真は、都内の小学校に行ったときに校長室で私を迎えてくれたPepper 君です。街中では少なくなっていますが、学校では子どもたちを癒したり、遊び相手になったりとずいぶんと貢献しているようです。 Zoomなどの会議システムではwi-fiが不安定で途中で切れてしまうこともありますが、5Gが普及することによってこれも解決するでしょう。これから先、ALTは来日しないで自分の国から授業に参加するというシステムが構築されるかも知れません。現場の先生方の負担が少しでも軽減され、子どもたちの役に立つような技術と道具ができるといいですね。


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