こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2024年2月26日

オークランドより Happy Teacher, Happy Child

聖学院大学人文学部子ども教育学科
小川隆夫

2月16日に成田を発った私は17日の朝、オークランドに着きました。成田から10時間半、満席かつ3列シートの真ん中でのフライトはかなりこたえました。ニュージーランドは夏が終わりに近づいていますが、観光にはもってこいの季節で世界中から観光客が押し寄せているため飛行機はずっと満席だそうです。

今回、私は4年ぶりに復活した児童学海外研修のため10人の学生を連れてきました。この研修は前回まではオーストラリアのアデレードで実施していましたが、コロナ禍でオリジナルプログラムの研修を受け入れてくれる学校がなくなってしまったのです。

今、学生たちはLanguages Internationalというで国内で一番古い語学学校でレッスンを受けています。この学校は広大で美しいアルバート公園に隣接し歴史を感じる美しい建物が特徴です。まずここで2週間、午前中は英語のレッスン、午後はニュージーランドの教育やテファリキについて学び、保育園見学、マオリ語で教える幼稚園、特別支援学校、小学校を訪問します。そして3週目に4つの保育園に分かれて実習をします。

私は毎日アパートから美しい街並みと花いっぱいの公園の中を通り25分歩いて学校に通っていますが、とにかくオークランドは急な坂が多いこと。到着するとしばらくはハアハア言って学生たちに笑われています。

アルバート公園

Languages International

最初の一週間はアパートと学校の往復だけで過ぎていきましたが、週末、ゆっくり街歩きをするとフェリーターミナルの切符売り場の前にMutual Respectという目立つ看板を発見しました。

Our people have the right to do their job without being verbally or physically abused.
Thank you for helping create a positive work environment by respecting our people.

お互いにリスペクトすること、大切ですよね。日本でも公共交通機関の社員に対する乗客の暴力や暴言が問題になりますが、こちらは会社が率先してこうして訴え理不尽な要求には屈しないで社員を守るそうです。ちょうど先日の授業ではニュージーランドにモンスターペアレントはいるのかという話題になりました。かつて保育園の先生だった講師によるといるにはいるが本当に少ないとのこと、もしも出現した場合は全体を統括しているマネージャーが毅然として対応するのだとか。それでも何か言いたい保護者には、他の園へ移っていただくのだとか。

多くの保護者はHappy Teacher, Happy Childと言って先生を応援してくれるとか。先生が楽しく仕事をしていれば子どもも楽しく過ごせる。そのために保護者は先生をサポートしましょうという雰囲気があるそうです。

日本の学校の管理職もMutual Respectを掲げて先生を守り、保護者はHappy Teacher, Happy childと言って先生をサポートしてくれたら教員志望の若者がもっと増えるだろうなと思いました。


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