こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2023年8月31日

オークランド視察

聖学院大学人文学部子ども教育学科
小川隆夫

暑い8月、私は21日から24日までコーディネーターとして荒川区教育委員会主催の英語キャンプWorld Schoolに参加して山梨県の清里で3泊4日を過ごしました。6年生120名、ALT20名、JET(日本人指導者)15名、他に生活指導担当者とスタッフ合計で180名近くの大所帯でした。今年の合言葉はChallenge, Enjoy, Learn, Connect。子どもたちは2日間で7レッスンを受講後、ブループごとに台本をつくり最終日のグランドフィナーレで大きなステージで英語劇を披露しました。合間には高原アイスクリームを楽しみ体育館でのレクで体を動かし、キャンプファイアーや花火大会で盛り上がりました。分刻みのスケジュールでしたが、子どもたちは2学期を前に思い切り英語を話し楽しみました。

そして、8月27日、私はニュージーランドにやって来ました。来年2月に私の学科の海外研修が再開されるため語学学校や見学予定の幼稚園・小学校などを視察するためです。到着早々、オークランドでまず向かったのはニュージーランドで一番古い語学学校と言われるLanguages Internationalです。ここはなんといっても歴史的な美しい校舎が有名です。2つの由緒ある校舎で世界中から集まった180人の学生たちが英語を学んでいます。場所もオークランド大学とアルバート公園に隣接したとても美しいところで時間がゆっくり流れている感じがします。ここで学生たちは2週間の集中講座を受講します。

翌日は学生たちが見学予定の小学校を訪問しました。校内がどこもかしこも色鮮やかなで思わず楽しくなってしまいました。ここの小学校の3つのモットー Confident Curious Creativeが校舎の壁に掲げられていました。日本のような固い目標ではなく子どもたちに響くモットーはいいですね。校長先生の方針が伝わってきます。そんな校長先生は良い先生と良い補助教員、良いスタッフを集めるのに苦労しているとおっしゃっていました。

そして、翌日に向かったのは私立保育園です。ニュージーランドは「テファリキ」という幼児教育カリキュラムで教育が行われていますが、これは自ら考え、探索し、コミュニケーションする教育です。この保育園は教会を買い取ってリノベーションしていました。チャペルが集会場になっていて、他の部屋も年齢ごとに工夫され、キッチン、スタッフルーム、活動する部屋、外に直接出られるベランダ、そして庭で構成されています。スタッフもいろんな国出身の方々で、もちろん日本の方もいました。「テファリキ」は施設ごとの裁量の幅が大きく園独自の教育方法ができるそうです。園長先生とお話しすると施設整備から食事、遊びに至るまで園長先生のこだわりがいっぱい詰まっている保育園だとわかりました。ここにはお子さんを送り迎えする保護者用のおしゃれな待合室もあり保護者からとても人気のある保育園だそうです。

私の学科の海外研修は単に英語のレッスンを受けるだけでなく、ニュージーランドの教育を学び、現地の保育園、幼稚園、小学校、特別支援学校を見学し、3週目には実習を行うというスケジュールです。今までオーストラリアのアデレードで実施しておりましたが今回からオークランドに変更しました。

前回ご紹介した卒業生の谷島直樹さんも学生時代に大学のオーストラリア研修に1か月間参加したのがきっかけとなって7年間日本で保育士として働いた後、ニュージーランドの大学院を目指しニュージーランドにわたり保育園、小学校で働くことになりました。この研修がきっかけとなり第2、第3の谷島さんが生まれ、世界でそして日本で活躍してくれる新たな教育者が生まれるのではと期待しながら、日本に帰ろうと思います。


レポート一覧に戻る