聖学院大学人文学部子ども教育学科
小川隆夫
いよいよ1学期のゴールが見えてくる時期になりました。私は、この6月、都内の3つの小学校を訪問しました。こうした訪問ではたいてい研究授業を見て指導講評や講話を行うのですが、今回はそのうちの1校からいつもと違うリクエストがありました。なんと職員研修のため3年生の外国語活動の授業をALTとTTでやって欲しいとのこと。
小学生相手に授業をするのは14年ぶりでしたが、こんな機会はめったにないので久しぶりに私もやってみたくなりました。当日はお昼休みに校長室で初めて会うフィリピン出身のALTと打ち合わせをしてそのまま教室に向かいました。
授業は前回からの続きでLet's Try! 1のunit 4 I like blue.「すきなものをつたえよう」の単元でした。まずRainbow Songを歌い、色の発音練習、そして、アメリカ、ケニア、ドイツの子どもたちが虹を描いて、それを紹介している動画を観ました。子どもたちはケニアの男の子が虹の色に黒を使っていたのを観て驚いたようでしたが、彼はケニアの国旗の色をイメージした虹を考えたようです。これによって子どもたちは国によって虹の色って捉え方が違うんだと学びました。
その後、私はGoldと緑が特徴の虹、校長先生はSilverが印象的な虹、担任の先生はBrownが入る虹を発表しました。子どもたちは校長先生と担任の先生の虹に大喜び。特に担任の先生の虹には「なんて地味なの!」と3年生らしからぬ声があがり楽しい雰囲気になりました。子どもたちも自分の虹を描いてI like blue. I like green. I like pink. …This is my rainbow.とShow and Tellの手法を使って発表しました。ベージュや黄緑、水色など言い方がわかない色はALTに尋ねながら練習をしていたようです。
そして、最後は絵本の時間でした。
"I want to play!" said the red dog.
"How about you?"
"Me too." said the blue cat.
とページをめくるのが待ち遠しくなるThe Balloon Animalsのbig bookを読みました。
そこで驚いたのは、子どもたちの反応の大きさでした。これは数年前とかなり違うように思いました。3D風船アートが今の子どもたちの感性にぴったりなのかも知れません。ページをめくるたびに絵のリアルさに驚き興奮して、"Me too."の大合唱が起きました。映画の3Dが普通に楽しめるようになった今、絵本も進化したものが子どもたちを惹きつけるのだなと実感しました。
定番の絵本も良いですが、先進的な絵本も時々は良いものですね。
編集後記
小川先生が授業中に活用した The Balloon Animals Big Bookはmpiオンラインストアで販売しています。
色々なものがデジタル化されていますが、アナログ(紙の絵本)とデジタル(DVD・e-book)の双方の良さを教育の現場で活用して、様々な刺激を子どもたちに与えられるようにmpiは今後も研究、開発してゆきます。
まるで写真のような3D風船アートに圧巻!
The Balloon Animals Big Book
価格:3,960円(税込) 読み聞かせ、リズム読みCD付
ご購入はmpiオンラインストアで
https://www.mpi-j.co.jp/c/item/2426/
通常版サイズもございます。