こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2022年8月9日

にわのシャベルが一日ぬれて…

聖学院大学人文学部児童学科
小川隆夫

7月末、大学のチャペルには新沢としひこさんの歌声が響きました。この日は聖学院大学児童学科の30周年記念コンサート。ピアノの弾き語り、そしてギターを抱えて手話を披露しながら歌う新沢さんの生歌に学生も教員もすっかり魅了されたようです。まさに新沢ワールドさく裂です。そして、最後にはあの名曲
にわのしゃべるが一日ぬれて 雨が上がってくしゃみをひとつ・・・・
きっと明日はいい天気、きっと明日はいい天気・・
この「にじ」が聴こえて来た瞬間、私は新沢さんの表現力に圧倒されてしまいました。気が付くと学生たちがみんな手話をしながら一緒に歌っていました。日差しが強くとびきり暑い日でしたが、清涼感を感じられた時間でした。

今月は英語教育に熱心な区の教育センターで本当に久しぶりに対面での教員研修が行われました。対象はその区で2年目3年目を迎える先生方100人でした。2日間に分けて50人ずつが9時半から4時半までたっぷり小学校外国語の研修を受けました。午前中は「小学校の担任として外国語を教えるために必要な力は」というテーマで講義と話し合いが行われ、次のような力が必要だとまとまりました

  • 英語での語りかけ方ができる
  • 児童の発話の引き出し方・児童とのやり取りの進め方ができる
  • 児童の発話や行動に対する適切な言い直しができる
  • 児童の理解に合わせた適切な言い換えができる
  • 児童の発話や行動に対する即興的な反応ができる

夏休みに力をつけて2学期、ぜひ頑張りたいという意欲的な先生方が多く頼もしかったです。そして、午後は、1学期に専科教員が行った5年生の授業のビデオを全員で視聴しました。指導案の流れに沿って要所要所でビデオを止めて、この箇所はどう思うか、どういう工夫があるのか、教師の意図は、発話は適切かを話し合いました。

ビデオの途中に、ALTが打ち合わせと違うことを言ってしまった場面があり、こんな時、どうしたらよいのかと話し合いました。専科の先生ですから軌道修正を何なくこなせましたが、担任だったら臨機応変にできない。でもやらないと良くないなどと様々な意見が出て話し合いは白熱しました。授業は生きものだと言いますが、たった45分ですが数多くのドラマがあるんだとみんなで納得した場面でした。

その後、教室英語をどう覚えたらよいのかという話になり、たくさん覚えなくてもmpiの『小学校英語はじめる教科書改訂版』にある「教室英語ノート」(p.198-p.202)を覚えるだけでも十分ではないかということになりました。実際、この数ページだけでほぼ英語で授業ができるようになります。

最後には、「絵本の活用は表紙から」というテーマでmpiの絵本A Trip to Grandma's Houseの表紙をどう紹介するかを考えました。

The title of the story is A Trip to Grandma's House. Can you see papa bear, mama bear and a baby bear? They are going to Grandma's house by car. Look at their car. Can you see two yellow circles, a pink triangle, two red squares and a blue rectangle?

表紙だけでもこんなに子ども達とやりとりができるんだと先生方は驚いたようですが、こうした試みをぜひたくさんして欲しいものです。

今年の夏は、私がコーディネーターをしている東京都荒川区教育委員会主催の英語合宿World Schoolが3年ぶりに清里高原で行われる予定です。どんな3泊4日になったのかは次回報告したいと思います。

これからも暑い毎日が続きそうです。どうぞ暑さに負けずに元気にお過ごしください。


編集後記

本文中で紹介されている『小学校英語はじめる教科書改訂版』、『リズムで覚える 教室英語のノート』とmpiオリジナル英語絵本 『A Trip to Grandma's House』はこちらでご覧いただけます。

『小学校英語はじめる教科書改訂版』

教室英語は別冊でも販売しています。
『リズムで覚える 教室英語ノート』

mpiのオリジナル絵本 オーディオがついているので読み聞かせ以上の効果があります。
『A Trip to Grandma's House』


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