こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2022年3月4日

ALTとの効果的なTTの進め方

聖学院大学人文学部児童学科
小川隆夫

いよいよ3月、年度末でどこも忙しくなる時期ですね。

私は2月下旬、岐阜県にある岐阜聖徳学園大学に同僚2人とともに行ってきました。ここは小学校英語で有名な加藤拓由先生がいらっしゃる大学です。ちなみに加藤先生は小学校の先生だった頃、mpiのJ-SHINE講座を受講されています。また、日本中で行われるどんな研究会にもほぼ参加しているのではと言われるほど勉強熱心な方です。

よく晴れた暖かい日、新幹線を岐阜羽島で降りると加藤先生が迎えてくださいました。そこで、岐阜と言えばこれ。大学にお邪魔する前に「ひつまぶし」の店へ直行しました。さすがにおいしいです。お腹を満たした後で大学に向かうと田んぼの中に突然美しい校舎がそびえていました。

今回の目的は4月から小学校現場に出る4年生を中心とした学生たちに「ALTとの効果的なティーム・ティーチングの進め方」というテーマで聖学院大学の教員3人(日本人2人、アメリカ人1人)と加藤先生で授業を行うことでした。実はこれは2回連続の授業で1回目は聖学院大学で2月初旬に行い、岐阜聖徳学園大学の学生はZoomで参加し今回は聖学院大学の学生がZoomで参加しました。

授業では私からラポール(安心して感情の交流を行うことができる関係)を構築したTTという話をしました。相手に興味を持ち互いの資質を生かして認め合うことがTTではいかに大切かということです。その後、実際にJTE(日本人)+ALT+生徒児童を含めたトライアングル型のやり取り練習を体験しました。そして、いよいよアメリカ人教員がALT役を行い

Pre-lesson meetings
Team teaching
After class

の順にどんなことが重要なのかをしっかりと学びました。Pre-lessonでI will, You will, Students willを決めておくだけでそれぞれの役割が明確になり授業を順調に進めることができること、Team teachingはteamwork, cooperation, and coordination(チームワーク、協力、対等関係)の3つに支えられるということを学生たちに体験してもらいました。After classではConstructive criticism(建設的な批判)をいかに行うか、どう言ったらよいのかを考えました。

授業には中学校の英語教師になる学生もいました。教育実習でALTと上手に連携できずに悩んでいたそうですが、今回の授業を受けて4月からの授業が楽しみになったそうです。また、小学校の教師を目指す学生たちからはI will, You willを忘れずにやってみます。ALTと交流して異文化の薫りを味わいたいという感想がありました。

コロナ禍の卒業式はどうなるか、児童、生徒、学生、保護者、学校関係者、みんなが心配していると思います。卒業式は英語でGraduation ceremonyの他にCommencementコメンスメントと言います。コメンスメントは開始、はじまりという意味です。日本だと一区切りいて終了の意味が強いですが、こうして英語の意味を考えるととても希望に満ち溢れる日になりそうです。3月にコメンスメントを迎える皆様、おめでとうございます。


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