こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2021年4月29日

#教師のバトンプロジェクト

聖学院大学人文学部児童学科
小川隆夫

1年ぶりに対面授業が始まり、1カ月が過ぎようとしています。オンラインの授業と比べると生の反応が返ってくるのは嬉しいことです。私が大学で担当するクラスは小学校の先生を目指す学生が多いのですが、以前と比べると気持ちが教職から離れてしまう学生が増えているように感じます。しかし、小学校現場は35人学級、算数、理科、英語の専科とこれから先もどんどん教師が必要なっているのです。

そんな折、文部科学省は「#教師のバトンプロジェクト」をスタートしました。

このプロジェクトは文部科学省が現職の教師から教職の魅力をtwitterに投稿してもらい、教師を目指す若者たちに教職のすばらしさを伝え、一人でも多くの学生に教師を目指して欲しいという目的で始まりました。しかし、文部科学省のねらいとは違う結果になってしまったようです。

投稿は過酷な勤務環境をめぐるものが多く、「若者に勧めない」「この状況では若者にバトンを渡せない」という投稿もあったようです。校長などの許可を必要としないところも書き込みやすかったのですしょうが、現場がいかに疲弊しているかがよくわかります。

部活動の外部委託や、残業代の支払い、教員の増員、エアコンやトイレ掃除を業者に委託するなど、具体的な提案もあったようですが、2019年度にうつ病などの精神的な病気で休職したり、有給などを使って1か月以上休んだ教員は、公立の小中学校や高校、それに特別支援学校で合わせて9642人に上り、精神的な負担も相当大きいようです。

おりしも私は、昨日、都内の小学校の研修会に行ってきました。「研究発表に向けて毎日遅くなるんです。」という研究主任の先生の顔には疲れが見えていました。#教師のバトンプロジェクトによって教師の勤務実態が生々しく伝わり、これほどまでなのかと世の中の人が知ることができました。文部科学省が具体的に見えてきた教師の勤務環境や困難の改善にいち早く動きだすこと、そして、教師になりたいという学生が一人でも増えることを願うばかりです。


編集後記

聖学院大学 小川先生にご担当いただいているJ-SHINEプログラムが6月に開講いたします。

新学習指導要領の目標と内容に沿った「外国語活動」「外国語」の在り方を理論と実践の両面から体験的に学びます。全6回で、聖学院大学の小川先生、東先生他が講義を担当されます。大学の授業さながらの内容の濃いセミナーです。小学校英語にかかわりたいと思っている方、J-SHINE資格取得を目指している方には最適な講座です。

お申込み・詳細:
以下のURLからお願いいたします。
https://www.mpi-j.co.jp/c/item/21JJP2ONL_0619/

内容:

6月19日(土)9:30~17:30J-SHINE第1回 小学校英語の理念
6月20日(日)9:30~17:30J-SHINE第2回 言語習得の基礎
6月26日(土)9:30~17:30J-SHINE第3回 小学校中学年英語(活動型)の基礎
6月27日(日)9:30~17:30J-SHINE第4回 小学校高学年英語(教科型)の基礎
7月 3日(土)9:30~17:30J-SHINE第5回 小学校英語の授業計画
7月 4日(日)9:30~17:30J-SHINE第6回 小学校英語の評価法

1回6時間(午前・午後それぞれ小休憩、お昼休憩1時間あり)全てオンライン(zoom使用)

受講料: 75,000円(税別)

使用教材:
・J-SHINE資格取得必修講座 共通テキスト 2,000円(税別)
小学校英語はじめる教科書 2,200円(税別)

お問い合わせはお気軽に semin@mpi-j.co.jp セミナー担当までご連絡ください。


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