こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2021年3月3日

文部科学省「6年生のふり返り学習教材」

聖学院大学人文学部児童学科
小川隆夫

2月の後半から暖かい日がずいぶん増えてきましたが、急に寒い日もあり体調管理が難しいですね。
私は大学の授業は終了しましたが、家でのリモートワークが続いています。気分転換と健康のために近くの荒川の土手を毎日欠かさず散歩していますが、菜の花がいっぱいで春が近づいていることを実感し気持ちがワクワクしてきます。私の散歩は評論家の勝間和代さんのYouTube「毎日1万歩いたら得られた、衝撃の効果」を初めとする1万歩シリーズを観て始めました。勝間さんは「お金は銀行に預けるな」など有名な著書がありますが、最近はミラクルヒカルさんにYouTubeのものまねをされるほど話し方が面白く、話す内容はマニアックですが、私は彼女のYouTubeが大好きです。特にこのシリーズをずっと観ていると彼女が健康的にどんどん細くなっていくのがよく分かります。コメントにもどんどんきれいになっていますねと書かれています。過去から日にちを追って観ると彼女の変貌ぶりが分かりますので、時間がある時にぜひ検索してみてください。

そういえば、去年の今頃、私は海外研修の引率でオーストラリアのアデレードにいました。ちょうどダイアモンド・プリンセス号のニュースが毎日流れていた時期で街を歩くとコロナと私に向かって誰かが言っているのがわかるような状態でした。3月12日に帰国すると2週間の自宅待機になり、そのままオンライン授業になったせいかずっとパソコンの画面を観て1年間を過ごしたことになります。この4月からは対面授業が再開される予定ですので、今から楽しみにしています。また、来年の2月にオーストラリアに行けるようになればいいなと思っています。

さて、2月8日、文部科学省から「なるほど小学校外国語④ 教材の活動」という動画がYouTubeで公開されました。
内容は次のようになっています。

  1. 教科書をアレンジして授業を進めることへの理解
  2. 教科書をもとに言語活動を行う授業づくり
  3. 「ふり返り学習教材 外国語」の教材の紹介と作成における工夫
  4. 「ふり返り学習教材 外国語」の使い方
  5. 絵本を使った学習
  6. 実際の授業における教材の活用例
  7. 保護者の方も是非ご活用ください

これはシリーズで4つ目となりますが、今回の目玉は「6年生のふり返り学習教材」です。今年度から高学年は授業で教科書を使っていますが、先生方は言語活動を意識して、目の前の子どもに合うように、子どもたちの状況や興味に応じて教科書をアレンジして授業を進めて欲しいという直山木綿子視学官のメッセージから始まっています。皆さんは「ふり返り学習教材」って何って思われるでしょうが、下記のサイトから誰でもダウンロードできるようになっています。

そもそも教科書でやっている授業にこの「ふり返り学習教材」が必要なのでしょうか?という素朴な疑問がわいてきますが、これは外国語以外にも算数と国語も一緒に作られています。直山視学官は「先生方は教科書を使ってとっても上手に授業を展開してくださっていますが、例えば授業をやっている時間にちょっとした隙間時間があったり、子どもたちに家庭でも学習する機会を持たせてみようと思われることがあります。ところが外国語に関しては子どもたちの興味・関心に合うような教材とかワークシートがまだまだ潤沢に市販されていない、世の中に出ていない状況です。なので文部科学省でたとえば隙間時間や子どもがお家で一人でもできるようなものとしてお使いいただくのはいかがでしょうかねというので作成しました。」「まあ、教科書によってはいろいろな活動が設定されていますが、例えば「読むこと」や「書くこと」に関して、本書は非常に系統的に活動を展開していますので、子どもが「読み」「書く」につまづいている時や困り感があるときに、授業の隙間や家庭学習の補充でお使いいただくといいなと思い作成しています。」とおっしゃっています。まあ、前半の市販の教材が出てない…というのは、早く出版して欲しいというのか、あったら使って欲しいというのか不思議な理由ですね。そもそも各教科書は系統的にとても良くできていると思うのですが。

教室や家庭で、子どもが一人で使う時は面白いなと思ってもらうことと一人でもできるなと思う安心感が必要だそうで、そのためにこの教材は細かいステップを踏んでいることとWE CAN!に出ていたなじみのあるキャラクターを使用し安心感を持たせ、解答を見ながら自分で答え合わせができるように工夫されているそうです。
一瞬、授業中にやることが増えて先生方の負担が多くなったのかと思ってしまいましたが、あくまでも強制的にやって欲しいというわけではありませんと強調されていました。ビデオの後半にこの教材を児童一人ひとりのタブレットに入れて活用している例が紹介されました。私はこの電子教材として一人ひとり使えるのは良いアイデアだと思いました。この教材はテキストではありませんので活用するためには先生が印刷する必要があります。しかし、現在、自治体のタブレットなどの利用規定や技術的な問題でどの学校でも活用できるわけではありません。近い将来、こうしたことがどの学校でできるようになってほしいものです。

さあ、興味がある方はぜひこの学習教材をダウンロードしてご覧ください。いよいよ学年末、学校も会社も世の中も年度の終わりに向けてラストスパートです。コロナ禍ですが充実した3月を過ごし、すがすがしい気持ちで新年度を迎えたいものですね。

編集後記

mpi松香フォニックスでは補助教材として英語4技能が伸びる・帯時間で使いやすい小学校英語 SWTICH ON! Grade 1~6 (DVD教材)を大阪府教育委員会と共同で開発いたしました。

大阪府ではDREAMという名称で小学校の外国語活動・外国語科に取り入れられています。2015年の試験導入から早5年が経ちましたが、全国学力テストでは英語は全国平均点を超える結果を出しました。(他教科は現時点で全国平均以下)中学3年生時点の英検三級合格率は15%アップと驚くべき成果をだしています。

小学校英語 SWITCH ON!の詳細はこちら


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