こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2020年1月31日

オリンピック・パラリンピックを授業に取り入れて!

聖学院大学人文学部児童学科
小川隆夫

早いもので1月ももう終わりですね。私は12日の日曜日、新春の恒例行事として有名な横浜消防出初式に初めて出かけました。赤レンガ倉庫の前で消防車や消防船が空に向かって放水する様子を船の上から見ることができました。ほんの数分のことでしたがその壮大さに驚くとともに、今年1年、日本に大きな火災のないことを祈りました。

 

さて、中旬からは都内の小学校で英語の研究授業が目白押しでした。その中でもよく準備された授業だなと思ったのが、5年生のWe can! 1 Unit 7 Where is the treasure? に一工夫加えた授業でした。なんとオリンピック・パラリンピックをしっかり授業に登場させていました。単元名は『Where is the station? ~道案内をしよう in 2020~』、英語専科の先生の授業で8時間扱いの5時間目でしたが、3時間目までに、自分の住む町の地図を使って

A: Where is the station?
B: Go straight. Turn (right/ left). You can see it on your (right/ left).

などの定番のやり取りを練習し、4時間目にオリンピック・パラリンピック競技の名前とそれぞれの競技会場と場所について学んだようです。

そして、5時間目の研究授業では子どもたちが入場券を持って、

Where is Yokohama Stadium?
Where is Saitama Super Arena?
Where is National Stadium?

のように友達に聞き、聞かれた友達はいくつかの地図の中かからその会場の地図を取り出して、最寄り駅からの案内を始めました。

入場券のピクトグラムも本物、競技名と会場も実際と同じです。案内する子どもたちもまるでボランティアガイドになったように相手の見やすいように地図の向きを変えて案内していました。子どもたちが今までに習った表現も加えて生き生きとやり取りをしている姿を見てよい授業だなと思いました。子どもたちのオリンピック・パラリンピックへの関心も高まるでしょう。

この研究授業には中学校の先生もたくさんいらしていました。次時には電車の乗り換え案内も予定しているそうで、研究協議会では中学校の先生から中学校へと連携できる単元だという意見もあり、これから連絡を密にしながら進めたいという嬉しい言葉をいただきました。なかなか難しいことも多い小中連携ですが、授業を見て一緒に考えるのは有意義なことだと改めて思った次第です。

2月中旬から私は夏のオーストラリア・アデレードに1か月ほど出張します。山火事がどうなるか心配ですが…。次回はアデレードから書きますのでお楽しみに。それでは寒さが一番きつい時期になります。どうぞお元気にお過ごしください。


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