松香洋子先生の『小学校英語の現場から』の読者の皆様、こんにちは。 4月からコーナーを担当します聖学院大学の小川隆夫です。久しぶりにmpiのサイトに登場させていただきます。
今から十数年前、当時現職の小学校教師だった私は勤務していた埼玉県の小学校で数々の英語活動の実践を研究発表会で提案しました。松香洋子先生ともどれくらい語り合ったことでしょう。
定型表現を歌とジェスチャーで体得すること、リズム重視、フォニックス、全校インプット、モジュール、発表活動、知的好奇心を大切にすること、プレジャーリーディングを中心とする自分で読む活動・・・など、どれも提案したことに猛烈に支持してくださる方もいましたが、それはそれは大きな反対の声も聞こえてきました。
しかし、今はどうでしょう。
中央教育審議会・教育課程企画特別部会(平成27年8月)の資料には、「身近なことに関する基本的な表現による4技能の豊かな言語活動を行う」ための例として、「馴染みのある定型表現を使って、自分の好きなものや家族、1日の生活などについて、友達に質問したり、質問に答えたりすることができる。
さらに、アルファベットの文字や単語などの認識、国語と英語の音声の違いやそれぞれの特徴への気づき、語順の違いなど文構造への気づき等を促す」とあります。もう、しっかりと4技能という言葉も登場していますし、私が提案していたことは当然のようにいっぱい盛り込まれています。
私の実践は15年以上早かったのでしょうか。全校の底力をアップするための全校インプットさえもモジュールで実践していたのですから。
しかし、あの当時から、松香洋子先生や私が考えた活動は日本の子ども英語に絶対に役立つと自信がありましたし、世の中の流れも変わってくると思っていました。子どもたちは本当に良いものを見抜く嗅覚がありますし、夢中になって取り組んでくれます。実際、英語大好きな子どもたちがいっぱい登場し、見事な英語でコミュニケーションができることを示してくれたのです。
そして、折しも3月には最新の研究に基づいたモジュール学習用のDVDがmpiから登場します。私が真夏の熱い放送室で大きなVHSテープに15分ずつモジュールのための画像を編集していた時を思い出します。モジュールを上手に活かすと素晴らしい成果に結びつきます。
これから1年間にわたり、モジュールの効果的な活用法から、ユニークな授業や最新情報までどんどんお伝えしたいと思います。
どうぞご期待ください。
プロフィール
小川隆夫(おがわたかお)
聖学院大学特任講師、J-Shineトレーナー検定委員、中央教育研究所小中高大英語教育プロジェクトメンバー、玉川大学教職大学院講師
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科修士課程修了、英国立リーズベケット大学英語教授法修士課程修了
鳥飼玖美子氏のもとで「英語コミュニケーション教育」を学び、松香洋子氏を児童英語の師とする。埼玉県内の小中学校で33年ほど勤務し数々の英語活動の実践を発表する。
著書『先生、英語やろうよ!』 『高学年のための小学校英語』(mpi刊)は、小学校の先生方から英語活動のバイブルと呼ばれ圧倒的に支持されている。
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