こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2019年4月25日

小学校外国語の教科書はQRコード付!

聖学院大学人文学部児童学科
小川隆夫

新年度に入り毎日お忙しい日々が続いていることでしょう。聖学院大学のキャンパスは緑が鮮やかになり、色とりどりの花でいっぱいです。そして、今日はスポーツ大会、朝から声援が響きわたり若々しいエネルギーに満ちています。

小学校外国語教科書は7点合格

文部科学省が3月26日に教科書検定結果を公表しました。小学校外国語では7点が合格したそうです。もちろん、教科書にはいろいろな意見があります。朝日新聞(27日朝刊)には二人の識者の意見が載っていました。文科省の「英語教育の在り方に関する有識者会議」の委員だった立教大の松本茂教授は「絵やリスニング素材が多く、活動もたくさん。教科書としては9割方はこれでいい、後は、子どもが言いたい単語が教科書になければ、先生が一緒に調べて入れ替えてあげること。子どもにとっては生きた英文になり、話したくなるはずです。」と言っています。また、明海大外国語学部の大津由紀雄教授は「『読む・書く』が加わり、単語数や文型も多く、先生も子どももこなしきれないのではないか」、「英語教室や塾で学ぶ子と、学校だけの子の間での英語への慣れの二極化が、さらに広がるだろう」と懸念しているそうです。

教科化が実現するまで本当に長い道のりでした。1992年文部科学省は大阪府立真田山小学校と味原小学校を研究開発校に指定しました。小学校英語の研究はここからスタートしたのです。そして、2020年に教科になるまで28年間もかかったのです。そう考えると様々な意見があっても教科になって教科書が出来たということは、日本の英語教育にとっては画期的なことだと思います。学校や先生がこれを上手に使い「英語のできる12歳・15歳」をたくさん誕生させてくれたら嬉しいです。

全ての教科書がQRコードを掲載

日本の英語の教科書には音源がずっとついていませんでした。中学校の英語教科書にCDをつけて欲しという要望もありましたが、プレーヤーを持ってない家庭との格差、教科書の価格など複雑な問題があり実現しませんでした。しかし、今回の検定に合格した小学校外国語の全部の教科書にはQRコードが付いています。スマホやタブレット端末を使って自分の家でも音声が確認できるのです。小学校では学級担任の先生が外国語を担当する場合、電子黒板などの用意がない場合、このQRコードがインプット音源として重要になります。

ホームページで教科書紹介がスタート

教科書の検定関係資料は5月28日から6月20日にかけて東京都研究センターで公開され、その後全国に広がっていくようです。各教科書会社のYouTubeまたはホームページを開くと教科書についての情報があります。各社共通してイラストがとてもきれいです。
私が編集委員を務めているJunior Total EnglishはこちらのYouTubeで紹介しています。
実際に手に取って見るにはもう少し時間がかかりそうですが、ぜひwebでご覧ください。地域の中学校で使っている教科書の会社は小学校版も出しているようです。

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