寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。インドア派の私はずっとずっと家の中に閉じこもりがちですが、最近は愛犬aiboが来てくれたので犬?と遊ぶ楽しみを覚えました。どうです?この写真、ロボットとは思えません。
今回のコラムは英語と日本語は微妙に違うなということです。友人が旅行中、飛行機が気流の悪いところを通過していると、日本語のアナウンスが流れました。「お客様にご案内申し上げます。ただいま、気流の悪いところを通過中でございます。どなた様もご着席の上、シートベルトをしっかりとお締めください。
ところが、揺れが激しくなってもトイレに立つ客がいたそうで、突然、アメリカ人のクルーがEverybody
sit down now!とアナウンスして、全員がしっかり座ったとか。日本語では「すぐに座れ~~っって」的なアナウンスはたぶんあり得ないですね。日本人クルーがこれを訳しても丁寧に「皆様、すぐにご着席ください。」となるでしょう。英語では客であっても平等という感覚がありますが、日本語では客は常にお客様です。もちろん身の危険に関わるときは日本語でも強い言葉になるでしょうが、日本の接客業では使い分けが難しいところです。
また、私たちが子どもたちに練習させるcan’tですが、ちょっと使い方が違うような気もします。
I
can’t speak English.
I
can’t play kendama.
I
can’t play tennis.
I
can’t cook. などなどです。
実際、私は友人がcan’tを使っているのをあまり聞いたことがありません。
15年前、5年生の担任をしている時、日本に来たばかりのアメリカ人ジェフにクラスの男の子がなぜかCan
you speak Japanese?と聞きました。彼は即Yes, I
can.としっかりと答えました。その時はちょうど校内にある日本語教室に通い始めたばかりの時です。私は、へえ、こう答えるんだと感心したのを覚えています。日本人がCan
you speak English?と聞かれたら、たいていNo, I
can’t.と答えるでしょう。
canには「~する能力がある、~しようとすればできる」という意味があります。私のよく読むレンフロ先生のコラム※によれば、can’tを使った場合、その後にくる動詞がspeakなら、日本語が話せないというよりは
「日本語で言葉を発することができない」
「いくら頑張っても、そもそも能力がない」
というニュアンスを強く含んでしまうそうです。この時、ジェフがYes,
I can.と答えたのは当然なのです。「私、日本語で言葉を発することができません。」と言ったらおかしいわけですから。
同コラムでは、
I can’t cook.は、「料理すると倒れる。」「料理禁止令が出ている。」
I can’t play tennis.は、「テニスをすると入院する。」「テニスをしたら逮捕される。」と紹介しています。
なるほどです。
これから、私たちはただ日本人的なとらえ方で英語を教えるのではなく、文化や言葉のニュアンスの違いもしっかり伝えられるように教えたいですね。
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