こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2017年12月28日

オトキコで最先端のテキスト『小学校英語はじめる教科書』

聖学院大学
小川隆夫

寒い日が続いていますが、皆様、お元気でいらっしゃいますか。
2017年を振り返るとAIと言う言葉をよく聞いた1年でした。後半にはAIスピーカーがヒットしましたね。スピーカーに向かって話しかけると時刻や天気を教えてくれるのはもちろん、音楽も再生してくれます。アマゾンでは招待状を申請した人が購入できるという不思議な販売方法でしたが、私のAIスピーカーもなんとか先週届きました。掛け声は「アレクサ」、この一言で頭の部分がピカピカ光り出します。遠くにいてもざわざわした中でも大丈夫です。ジャズが聴きたいと言えば、ジャズを流    してくれます。演歌でもクラシック、J-POPSでも懐メロでも何でも反応してくれます。もちろん歌手の名前や曲のタイトルを言ってリクエストすることもできます。「行ってきます」と言えば「行ってらっしゃい」のようにまるでそばに人がいるように話しかけてくれます。この分だと英語教育にもAI技術がどんどん入ってくるのも時間の問題かも知れません。

 

さて、12月28日『小学校英語 はじめる教科書 外国語科・外国語活動指導者養成のために - コアカリキュラムに沿って 』が発売されました。実はここにも新しい技術が入っています。ちょっと前でしたら歌やチャンツ、絵本の音読などはCDで聴くものでしたが、この本にはCDが付いていません。その代わりにアプリで音声や動画が再生できるのです。文部科学省の新教材の指導書にはQRコードが埋め込まれていて携帯で読み取ると朗読やチャンツを聞くことができますが、その一歩先をいく仕組みです。今の学生や20代前半の若者たちはCDは知っていても、CDプレーヤーを持っていません。こんな彼らに何としても良いチャンツや音楽、絵本の音読を聴かせたい、動画を見せたい、教室でも簡単に再生して欲しいという願いが実現したのです。名前は「オトキコ」です。

 

もちろん音源はすべてmpiの教材を使用しています。最近、英語のリズムを無視したようなチャンツがいろいろ生まれていますが、これなら子供達も指導者も安心して英語のリズムを楽しめます。

 

本著は、実際に大学で小学校の先生を目指す学生たちと2年間にわたり授業を行いながら、彼らの反応や感想を参考にして、小学校で英語を教えるためにこれだけは最低限必要と思う重要な点を「小学校教員養成コアカリキュラム」に沿って書いたものです。2人の共著ですが、2人とも長期にわたって子供達に英語を教えた経験を持つのが大きな強みです。私たちは子供達の顔を思い浮かべながら、そして、小学校の先生を目指している学生たちを見つめながら書き進めました。
2020年からの新学習指導要領に準拠した内容ですが、豊富な例を挙げました。言葉への気づきでは、実際、授業中にあった一場面を取り上げました。子供達は私たち以上にいろいろな気づきがあるのです。国語と英語の関係についても述べています。絵本は私の大好きなJack and Zakを取り上げました。小学校英語に理論と実践の両面からアプローチしています。小学校の先生を目指す学生、現役の先生、民間の指導者、これから子供に英語を教えたい方々にぜひ読んでいただきたい一冊です。
そして、この本を利用したmpiのJ−SHINE講座も3月から東京・大阪で始まります。講師は私たち著者2人で担当します。J−SHINE資格をお持ちの方は1講座からでも受講できるそうですので、お会いできると嬉しいです。
それでは皆様、素敵な冬休みをお過ごしください。

 

レポート一覧に戻る