寒い冬が終わると暖かな春。でも、最近は花粉の飛散が多く街頭ではマスクをしている人の姿が多く見られます。
私もまたその一人で、季節の変化を五感で感じられるいい季節に花粉で苦しむのは毎年残念でなりません。
さて、私たちの連載も最後となりました。先月の記事を受けて今月も小学校現場での「小中連携」についてお伝えさせて頂きます。
「小中連携」の取り組みが広がる中、大阪府は「使える英語プロジェクト事業」を平成23年に立ち上げ、これに伴い枚方市では、市内8中学校が指定を受けその校区にあたる18小学校もプロジェクトに関わることになりました。
その取り組みの一つがイングリッシュコンテストです。
中学校で開かれるこの催しに小学校の6年生が参加し英語の発表を行うのですが、これもひとつの小中連携ですね。
また、枚方市は「子ども達に生きる力(確かな学力・豊かな人間性・健康&体力)を育む」ために、すべての中学校区に小中連携事業を展開されています。
その一つに「いきいきスクール」があり中学の先生が小学校で、小学校の先生が中学で週1度授業を行うという取り組みです。
また今年度は府の「小学校での専科指導で、小・中連携を一層推進し子ども達の確かな学力を育む」事を目的としたプロジェクトに枚方市の2中学校が研究指定を受け(理科と英語)ました。
私はその研究校に関わる二小学校でこの事業に取組む機会を頂きました。
・中学校英語教諭が小学校で5,6年に各35時間の外国語活動の授業をT1 (主の指導者)で行う。
・中学校英語教諭が児童の評価を行う。
これまでの指導との主な違いはこの2点でした。
中学校教諭は以前「いきいきスクール」で小学校に入られていたので小学校英語の経験はお持ちでしたが三者での授業は初めてで当初はそれぞれが戸惑いました。
打ち合わせはしていましたが、「それぞれの役割」が十分わからないまま一つ目の公開授業が終わり、正直「三者が関わる効果的」な授業が出来ませんでした。
その時に協議会に来られた大学の先生や市教委の方からアドバイスを頂き、中学教諭と私は今回の経験を次の公開授業に活かす為により話をするようになりました。
すぐに2校目の公開授業への取り組が始まり、毎週のように三者で打ち合わせを行いました。取り組む前に「子どもたちにとってこれからの外国語活動が有意義になるために」という目的を三者で明らかにし、私たちは十分に意見交流をし、指導案を練り上げていきました。
公開授業では子ども達が主体になった、のびのびと英語を使った楽しい発表をお見せする事が出来ました。
見学に来てくださった多くの先生方からも良い評価を頂けたのは中学教諭が提示する導入の方法、発表の仕方や準備の進め方について私もアドバイスをさせて頂きましたが、子どもを理解している担任の先生が忌憚のない意見を出してくださったのが一番大きかったと思います。
小学校の先生と中学の先生が思いを伝え合う事で、中学校教諭が小学校英語への理解を更に深められたと思います。まさに連携ですね。
私が今回感じたのは中学教諭が小学校で主になって指導する事で「小学校英語」への理解を更に深められたと思います。
授業見学だけでは見えない事が指導に入る事で見えたと思います。
中学教諭はこの一年を振り返って「小学校英語が中学英語と違うのが本当によくわかりました。この経験を中学で活かさなくてはいけないと思います」とおっしゃっていました。
小中の垣根が低くなり教員同士が自由に学校を行き来して授業見学が出来るようになるといいと思います。どの先生も子ども達のことを大切に思っておられます。
小中連携は形だけでなく指導者が共にスクラムを組んでこそ真の小中連携になると思います。
私は今年この事業に関わらせて頂いて、「小学校英語」に新たな光を感じました。
最初は職員室の中で、関わっている高学年の担任の先生だけの取り組みだったのが、学校全体の取り組みとなり、中学校と連携を取る事でより多くの中学の先生方が「小学校英語」に関心を持ってくださったと思います。
これからより良い方向へ進化する小学校英語が楽しみです。私も「未来へのバトン」を繋いでもらう為に可能な限り先生方をサポートさせて頂きたいと思います。
溝口先生とお届けさせて頂いた「未来へのバトン」小学校英語実践報告がこれで最後となります。一人でも多くの方に「小学校英語」に関心を持って頂けるよう寄稿して参りました。お読みくださった皆様、ありがとうございました。
これからも子ども達の未来を皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
来月からは小学校現場の指導者による指導者のための教材活用やアクティビティについての連載を予定しております。
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