こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2013年1月11日

2013年 英語教育が変わる?

2013年1月11日
2013年 英語教育が変わる?

J-SHINE小学校英語育成トレーナー
常葉学園短期大学非常勤講師
mpiパートナー会員
溝口良子

レポート:小学校英語の現場から

「あんなに小学校の時、英語が楽しくて大好きだった子ども達が、中学校に入ったとたん、英語が好きでなくなってしまった!英語の成績が悪い!小学校の英語は何のため?」

大変、耳の痛いお言葉です。 実際、中学校に入学するときは余裕があり、意欲的だった子ども達が1年生の終わり頃には、テスト恐怖症候群に陥っています。
中学1年の息子も、前回のテストで “ Hello, everyone. “ のコンマをつけ忘れて減点になったとしょげていました。
現在の中学校のテストは、文法を中心とした読む事、書く事が中心です。ですから、本当の英語の能力をそれだけで推し量ることは出来ません。テストで点数をとるテクニックは、また別の要素が必要です。 コミュニケーション重視で英語活動していた小学生が読み書き重視の中学英語に戸惑うのもよくわかります。

まず、「小学校から英語を勉強する目的は、中学で良い点数を取る為ではない」国際理解教育の一貫として、外国語活動の中の英語活動です。 親としては、1つでも多くの単語を覚えてもらいたい、外人みたいにペラペラ話して欲しい。 などと欲張った事を考えますが、知識だけを身につけても一向に使える様にはなりません。ましてや 子ども達の日本語のボキャブラリーも多くないのです。
勉強の始めは、知識を身につける事は大切ですが、Display question(What’s this? What color is this? 誰もが見てすぐ答えがわかる質問)を繰り返す。 Repeat after me. と同じ事をまねさせる。知識を詰め込むだけの活動は、後から遅れて学び始めた子ども達にすぐに追いつかれてしまいます。

Referential question(What do you have for breakfast? What do you do after school? 質問をされた相手にしか答えがわからない質問)をする。 持っている知識を何時、何処で、どの様に使うのか?体験させる活動、そうした小さな成功体験の積み重ねが必要です。
コミュニケーションを通して、人と関わる楽しさ、礼儀を子どもの頃から身につける事で、人間として成熟して行く過程で英語が必ず手段としての武器になるはずです。 これらは、テストの点数では測れない大きな財産です。

小学校での経験を中学校の英語教育に活かせたら、そして中学校で養った学力を高校で飛躍させる為に其々の連携が重要になって行く事でしょう。

皆さん、ご存知ですか?2013年度は英語教育に大きな変化の嵐が吹き荒れます。
まず高校では、現行の英語I・II、オーラル・コミュニケーションI・II、リーディング、ライティングの6科目が、「コミュニケーション英語」I・II・III、「英語表現」I・IIなどへと大幅な科目再編が行われたうえで、コミュニケーション英語Iが必履修科目(全員が受講しなければならない科目)になります(2013<平成25>年度の入学生から実施)。
そのうえ、「授業を実際のコミュニケーションの場面とするため、授業は英語で行うことを基本とする」と定めています。

また、上智大学の英語の入学試験が変わります。TEAPと言ってリスニング・リーディング・ライティング・スピーキング、日本の大学生に求められる英語力を測定できるテストです。
特徴は、
① 年に数回受験できる。
② 東京のみならず複数の受験会場で受験できる。
③ テストの質を確保する為、問題は公開しない。
④ 受験者に英語のフィードバックを与える。(レベルや診断結果の提示)
⑤ 大学や学部によって4技能全てを必要としない。
今までの、テストとは違う英語の能力が試されるはずです。吉田研作先生はじめTEAPに携わる先生方の目的は、テストの為の英語ではなく、大学に入ってから自分の専門分野で通用する英語を身につけて入学して欲しいという事ではないでしょうか?
今後、大学の授業がグローバル化し、活性化して行く上で、英語は当然。その他に何が出来るのか?が問われる時代になってきました。
 

変革( CHANGE )を恐れる人もいます。
変革( CHANGE )には心配や苦労( TROUBLE )がつきものだから。
CHANGE のGの中からTROUBLEの頭文字Tを取ってあげて下さい。Cになりますよ。
そうです CHANGE  → CHANCEに変わりましたよ!
2013年がチャンスの年になります様に・・・。


レポート一覧に戻る