こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2011年8月2日

まずは自らアクションを

2011年8月2日
まずは自らアクションを

J-SHINE小学校英語育成トレーナー
三重県名張市内の小学校外国語(英語)活動
英語支援者
小林 京美

レポート:小学校英語の現場から

 静岡の溝口トレーナーからバトンを受け取った小林京美です。今年で小学校英語に関わり8年目となりました。
学校現場での英語支援活動のほかに、J-SHINE主催のフォローアップ講座を担当したり、トレーナー仲間の皆様と自主開催のセミナーや教員研修なども行っております。

 いつか日本もきっと小学校で英語教育が始まると信じて、自分にできることはなんだろうと模索していた時、そのチャンスはふいにやって来ました。ある日、娘が低学年の時にお世話になった担任の先生から一本の電話をいただいたことが、私の小学校英語との関わりを持つきっかけとなりました。「ももちゃんのお母さん、英会話の先生されてますよね?児童に職業の話をしてあげてもらえますか?」「はい、もちろん!」「それから、ついでと言っては何ですが、、、英語も教えてもらえませんか?」ちょうどmpiでJ-SHINEの認定を受けたばかりの私はふたつ返事でこちらこそ行かせて頂きたいと答えました。いくら行きたくても小学校の現場に行くことは、こちらの思いだけで叶うことではないので、常々現場を経験したいと思っていた私にとって先生からの申し出はこの上ないチャンスでした。
その授業をきっかけに、度々ゲストティーチャーとして小学校に呼んでいただきました。
その後、2年間自分の住んでいる市内の外国語活動拠点校で年30時間の授業を担当させていただくことになりました。その2年間に私が学んだ一番大きなことは「先生とのコミュニケーションをとることがいい授業につながる」ということでした。
授業はTTで行われます。先生によって英語活動に積極的な先生、そうでない先生とさまざまです。特に英語に苦手意識を持っている先生にはどうにかして英語を好きになってもらおうと、いろいろな話をします。消極的な意見を聞くたびに、これで本当にうまくいくのかと落胆したこともあります。残念な意見にぐっとこらえたことも少なくありません。
しかしそのような時は、小学校外国語活動の目的の中にある「積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成」という言葉を思い出します。まずは自分がから動かなくては何も始まりません。
そう思えるようになってからは、どの先生方にも自分からアクションを起こすようになりました。打合せをした通りに、授業がうまくいった時などは、おこがましいことかもしれませんが、先生を「褒めまくり」ます。「さっきデモをする時、先生がアクションをつけてやって下さったのでとても分かりやすかったです。」「英語でほめ言葉を言って下さった時の先生の表情が素敵でした。」小学校の先生方は教えることに関してプロですが、英語の専門家ではありません。いつも児童と関わっている小学校の先生方に英語を好きになってもらうことは大変重要なことだと思っています。苦手だけど話してみると楽しい、まずは使ってみることが大事だ、と感じてもらえるようサポートしています。本当に不思議なことですが先生が楽しそうに授業を行うと、それが児童にも伝わります。
同じTTといってもやり方は学校によってもケースバイケースです。担任主導で行う場合や英語の授業に慣れてない担任の先生との場合は、授業をリードしないといけない時もあります。その場合でも必ず担任が英語で行わなくてはならない場面を設定することを提案しています。習うより慣れろ、で何度も英語で言っていると英語が苦手な先生もTeacher Talkが上手になっていかれます。そうして少しずつ自信を持ってもらうようにしています。それらの小さな積み重ねが、確実にいい授業作りに役立っています。
まずは自分からアクションを!そうすることでひとりひとりの力は小さいものですが、まだ始まったばかりの小学校英語を「やはり必修化になってよかった!」と心から言えるものにしていきたいと思っています。
次にご紹介するのは、三重県桑名市の佐藤ゆかりトレーナーです。体を動かすことが大好きな素敵な先生です。


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