こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2009年6月2日

歴史ある奈良での小学校英語活動

2009年6月2日
歴史ある奈良での小学校英語活動
~小さな一歩からの始まり~
JTE(日本人英語支援者)
MPIパートナー会員
高部美代子 奈良県在住
レポート:小学校英語の現場から

1.英語支援者として小学校に入られるようになったきっかけ、動機、経緯など
自営で教室を運営している中で、小学校という公共の場で英語を習っていない子ども達にも英語を教えたいという気持ちが沸いてきました。どうにかチャンスがないかと思い、色々調べていると市で「ハローイングリッシュ事業」というのがある事を知り教育委員会に問い合わせ、3年前まず1校依頼を受けさせていただいたところから私の小学校英語活動がスタートしました。

2.現在の活動状況
1校でスタートしたところから、その年度内にまた1校、次年度は継続と合わせて4校に、そして本年度は地元の小学校を合わせ6校担当させていただいております。また、自分の子どもが通っていた保育園でのボランティアでの英語活動は4年目になり、小学校放課後クラブでの活動を含め、現在は教室運営と合わせて多忙ながら充実した毎日を送っています。

小学校でのレッスンは3年~6年まで、全てMPI教材を使い、MPIメソッドで行っています。「Hi」と元気に英語ルームに入ってきてくれるところから Hello Songを歌い、Good bye Songの後「See you」と帰っていくところまで一切日本語はしゃべりません。レッスンの主役はもちろん児童。「Let me try!」を合言葉にどんどん前のステージで歌ったりジェスチャーしたり踊ったりします。ステージというのは私が用意しているアルファベットのパズルマットの事です。日直さんも大活躍です。

レッスンの内容は最初に歌、チャンツなどのリズム指導、そしてメイン活動は英会話たいそう。
使用している教材はSongs & Chantsバナナじゃなくてbananaチャンツ英会話たいそうBrown Bear, What Do You See?(1年目)、From Head to Toe(2年目)、The very hungry caterpillar(3年目), Funny Alphabet World へんてこアルファベット(1年目)、小学生のフォニックス(2,3年目)等です。
Brown Bear, What Do You See? は3学年にとても気に入られ、何校か授業参観や校内発表などで使ってくださいました。

学級担任との係わりについては、学校により差はありますが、なるべくTTに持っていくようにしています。実際はいろいろな先生がいらっしゃるので、各先生方と相談しながらTTの度合いを調整しています。

3.今後の展望、課題、目標
2011年の必修化に向けて、各校いろいろな取り組みをされるようになってきました。ハローイングリッシュとしての授業は各クラス年間10回なのですが、それ以外でも担任の先生で行われる学校、1年生から活動される学校、「英語ノート」をメイン活動にして欲しいという学校等など。

いよいよ学校現場が動き始めました。市によってかなりバラつきがあるのが現状ですが、どこの学校も担任主導に向けて移行期間を大切に取り組もうとされています。
私の今後の課題としては、「英語ノート」とMPI教材をバランスよく使いながら、コミュニケーションの為の英語活動を担任の先生と協力しあいながら進めることです。

毎年沢山の児童たち、クラスから、色紙やお手紙、学級通信などをいただき感激しています。そんなきっかけを与えて下さる小学校の先生って凄いなと思います。色々な教科を教えながら、子どもたちの心のケアをし、保護者と連絡を取り、そして、その上英語まで…!スーパーマンだなと感心しています。(自分の子どもが3年,1年なので特に感じるのかもしれませんが)

奈良は数々の世界遺産があり、世界に誇れる素晴らしい県です。奈良には世界各国から沢山のお客様がいらっしゃいます。そんな方々に「Hi」と元気に声を掛けていけるような、困っている人がいたら助けてあげたいとジェスチャーを使ってでもコミュニケーションを取っていけるような、小さな国際人を育てていきたいと心から願っています。J-SHINEを取得された皆さん、日本の子ども達と一緒に是非頑張りましょう♪


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