こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2015年2月26日

『児童が活躍する外国語活動 ~「いま○○が熱い!」児童の興味をつかめ~

2015年2月26日
『児童が活躍する外国語活動』
~「いま○○が熱い!」児童の興味をつかめ~

大田原市英語活動指導員
J-SHINE(小学校英語指導者認定協議会)トレーナー
mpi会員 大伴 久美

レポート:小学校英語の現場から

「児童の興味に合わせて題材を選ぶ」ことはレッスンプランを作る上で欠かせない作業です。そのまま興味を持続させて、その後の活動に楽しくつなげることができるかどうかがかかっているといっても過言ではありません。 しかし、自分が児童だったころからだいぶ月日が経ち、また自分の子供も児童を通り越して成長してしまうと、たちまちそれがなんだったかわからなくなります。

以前、ALTに日本的なものの絵を見せそれを彼が知っているかどうか当てるクイズをやったときのことです。クイズの一つに「唐草模様の風呂敷」を仕込みました。その絵を見た途端、児童が大喜びしたのです。 そして「先生、それコマさんのだよ!」と教えてくれました。恥ずかしながら、「コマさんとはどこのおばあさんのことかしら?」と思いました。某人気アニメのキャラクターがいつもその風呂敷を背負っている、とあとになってわかりました。

こんなこともありました。普段私がしている時計が壊れて、しかたなく大きめで文字盤が丸い、バンドがビビッドカラーのランニングウォッチをしていったときにも子ども達は大騒ぎ。
「くみ先生の時計すごい!」どうもそのアニメの主人公がしている時計そっくりだったようです。 子どもたちから質問攻めにあいました。「どこで買ったの?」「どうやって使うの?」「電池で動いているの?」などなど。その時も、その腕時計をなんとか授業に生かせないものかと考えました。

子ども達が喜ぶ題材はいつも同じではありません。好きなスポーツ選手を言うときに何年経っても、” I like Ichiro.” ではありませんし、お土地柄だって考えないといけません。 私の故郷、広島では、 “ I like Maeken.(広島東洋カープのエース)” といえば多くの児童が、”Me too!” と言って喜んでくれることでしょうが、ここ北関東の野球少年の間では、 “I like Sakamoto.(ジャイアンツのキャプテン)” なのです。

では、いったいどうやって児童の好きなものをキャッチするのか?
昔と違って今では「インターネット」という便利なものがあります。また「スマホ」ならば家に帰って「パソコン」を立ち上げなくても、「これは!」と思ったら即座に情報が手に入ります。 動きの伴うものなら 「You Tube 」で探せばたいていのものは見つかります。ITレベルは非常に低い、と自負している私ですが、授業の準備のために「インターネット」で検索の毎日です。 「インターネット」以上に有効なのが「給食の時間」です。子ども達の持ち物を観察する、子ども達が話していることを聞く、質問して聞き出す。すると生きた情報が即座に手に入ります。

毎回この「トレンド」を授業のプランに取り入れることはできませんが、スモールトークやクイズの題材にアレンジすることができれば、児童の自然な発話を引き出すチャンスをより多く持てること受けあいです。 なにしろ自分が作った教材が1年たつと「古いな」、と感じる今日この頃。常に子供が面白いと感じるものを追いかけるのは大変ですが、児童が自分の好きなものを見たとき、聞いたときの目の輝きが忘れられず、「使えそうなものはないかな」、とあちこちにアンテナを張って情報を集める毎日なのです。

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