松香洋子の元気ブログ

2015年12月8日

テニスと英語

娘に騙されて、生まれて初めてテニスを始めて2年半になろうとしています。かつての私はスポーツが得意な人は「頭が筋肉」などと決めつけていたので、今になって罰が当たったと思っています。

よく聞かれる質問

Q. テニスって激しいスポーツじゃないですか。
A. いいえ。私にとっては、激しいスポーツではありません。「下手なテニス」という種目をやっていて、前にはつめない、後ろには下がらない、横にもあまり動かないという種目です。

Q. なぜテニスを始めたのですか?
A. 孫たちとラリーができるようになりたい、などという野望をいだいたのです。この夢はだめだということがよくわかりました。3人の孫はみんなテニスがどんどん上手になり、するどいボールを打たれるとこちらは取れないし、私が全てとれるように返してくれるほどあちらは上手ではないし、そんな義理もない。

それでは、テニスをしながら、何をしているかというと、英語を教える、習う、とテニスを教える、習う、を比べる、というものです。

① リズムとフォームと練習
スポーツが得意な友人によると、すべてのスポーツのコツは「リズムとフォームと練習」につきるのだそうです。
これはまさに英語の習得と同じ。まずはリズム(通じる英語はリズムから)、次にフォーム(通じる英語は文で)、そして練習。
以前、高齢者のグループに「バナナチャンツ」を教えてみたのですが、「♩バナナじゃなくてbanana!」というフレーズのリズムに追いつかない方が多数いらして、「ああ、そうなんだ~」とびっくりしたのですが、私のテニスもまさにこれが問題。テニスは1、2、3のリズムが大切と言われますが、しょっちゅう乱れる。できる時が稀です。
もちろん、高齢者のグループの中には、「バナナじゃなくてバナナ」という方もいらして、発音上の問題もあるのですが、それ以上にリズムに乗れないのが先決問題でした。
子どもにとってなんということもないことが、大人になってからはできにくいということがあるわけです。

② 前後、左右に
テニスは相手のボールを打ち返すのですから、短いボールが来たら前につめて、長いボールが来たら後ろに下がり、横にきたら右左に動く。ボールはどこにくるかわかりません。
英語の会話をスムーズにするのもまったく同じです。相手が短くきたら、すぐに受ける。長くきたら一歩下がって受ける。時には話が右左にそれる。それでもどうにかうけとめて会話をするわけです。
このような受け手は英会話の先生はみんなやっていることです。だから先生と話している時には自分がすっかり上手になったつもりでも、いざ実践の場になるとなかなかうまく行かないわけです。
私のテニスでもコーチと1対1でやっている時には、うまくなったと思う時があるのです。

③ 指導者のいうことに一言、一言、傷つく。
はじめの1年間くらいは、テニスの「テ」の字もわからず、違うコーチになる度に、「え~、前のコーチは~だと言ったのに~」などといつも怒っていました。一言、一言が心に刺さるのです。
たまに習う身になってみるのは大切なことです。どういう言葉かけが生徒を育て、具体的にその人の問題点を解決できるのか、ということはすごく大切です。指導者の観察眼と経験と思いやりが輝くところです。よりうまくなるための多くのポイントは、練習と時間と経験が解決すると習っている身でもわかっているのですが、傷つくのです。

④ 上手になろうと決意していない人は絶対に上手にならない。
これが究極の問題点です。ちっとも上手にならない大人(私)はいろいろと理屈をこねます。スポーツ音痴は遺伝の所為、育った環境が良くなかった、親の理解がなかった、こうなったのは私が悪いのではないetc. いろいろと余計なことばかり考えるのです。
モチベーションの持続。これはたいへんなことです。大人になってから英語を習っている人も同じように理屈をこねているでしょう。「頭の体操になればいいし」「楽しければいいし」「いろいろな人と出会って気分転換になっている筈だし」etc.

結論
① テニスも英語も身体でおぼえるもの。子どもからやると楽に身につく。身体で覚えることは理屈ではないのでしょう。テニスはせめて高校生の時にやっていたという人は身体がしっかりおぼえているようです。時すでに遅し。これは絶対です。

② 子どもはそれが「楽しければ」なんでもやります。それが子どもの素晴らしさだとつくづく思います。大人はなんだかんだと言って、それが楽しめないのです。

③ それでも継続は力。休み休みやっている私は今ではテニススクールの運営に貢献しています。それでも、以前はまったく見なかったテニスの試合もテレビで観戦できるようになったし、私の人生に新しい1ページを開いたことは確か。毎回、どんなビジターがきても、今週も私が一番下手だ、という確信に耐えながら、80分を過ごしています。人間、謙虚になることが大切なら、こういう経験がおすすめです。ハハハ。

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