松香洋子の元気ブログ

2013年5月31日

J-SHNE創立10周年記念の総会、シンポジュウム、懇親会 【1】

2013年5月18日(土)、東京渋谷のアイビーホール青学会館にて、J-SHINE(小学校英語指導者認定協議会)主催の、創立10周年記念の総会、シンポジュウム、懇親会が開催されました。

五月晴れの日に、J-SHINEが10周年を迎えられたこと、本当に嬉しかったです。総合的な学習の一環として「国際理解教育としての英語活動」が導入されたのが2003年、5,6年生のための「外国語(英語)活動」が必修になったのが2011年、今では教科化、低学年化、時間数の増加など、様々なことが討議されています。

10年前には、先行きがまったくわからなかったJ-SHINEの活動を支えて下さった、理事会、トレーナー検定委員会、登録認定団体(52団体)、資格保持者(38,000人)、上級資格者(450名)、トレーナー(102名)、そして事務局の皆々様のおかげです。この場を借りて、心から感謝をいたします。

以下、当日のシンポジュウムの内容を報告させていただきます。よく読んでいただくと、未来を占うようなたくさんの興味深いことが討議されています。

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英語教育改革とJ-SHINEの活動
(5月18日(土)の10周年記念シンポを基に)

司会
吉田博=吉田博彦  J-SHINE 専務理事  
パネラー
鈴木=鈴木寛 元文部科学省副大臣
神代=神代浩 文部科学省国際教育課長 
吉田研=吉田研作  上智大学言語教育研究センター教授
加藤=加藤拓由  春日井市小学校教諭
長谷川=長谷川和代  姫路市GATE代表、地域人材

1 はじめに
・税金を1円も使わずに、38,000人という資格保持者を育て、地道にレベルをあげるための講座を運営してきたという実践は立派なものである。(鈴木)
・J-SHINEの資格を地域人材採用の条件にする自治体(真岡市、松戸市等)もでてきたなど、確実に知名度も上がっている。(吉田博)
・創立から10年を経て、JTE(日本人支援者)の役割、立ち位置が明らかになり、認められてきている。(長谷川)

2 大学の入試にTOEFLを導入?
・正しくはTOEFL等を導入。TOEFLはアメリカの大学向け、TOEICはビジネス向けで、大学入試に向いているか、という問題がある。(吉田研)
・TEAP(英検協会と上智大学の共同開発) は日本の学習指導要領に沿っており(吉田研)、日本で開発されたものの方がよい。(神代)
・小、中、高とも日本の教育レベルは高いし、学習指導要領も優れている。それに沿ってこれまでも様々な改革をしようとしてきたが、すべては入試でチャラになるという現状をどうにかしなくてはならない。(鈴木)
・今後、TEAP1, TEAP2を開発するなど、現実に即した対応が必要だろう。(吉田博)
・機械が人間を選ぶのではなく、人間が人間を選ぶというシステムを構築することが大切。論文を読む、面接をする、ディスカッションをさせる等をどうやって実現するかが課題。(鈴木)
・入試が変わっても、今、小学校外国語(英語)活動で実施されている内容は変わる必要はない。グローバル人材の育成のためのもっとも基本的なことをこの活動で押さえているため。(長谷川)

3 小学5、6年生の英語を正式教科化?
・教科化することには、プラス面とマイナス面の両方がある。プラス面は、固定的に予算がつくこと。マイナス面は教科書や成績評価の導入、免許を持った教員の配置、その養成が必要なこと。文科省は教科化には反対。マイナスが大きすぎる。(神代)
・「ふれあい、つなぎあい、つたえあい」という3つのキーワードで現状の外国語(英語)活動を進めてきていて、この方向は間違っていない、と考えている。(加藤)
・ただし、小、中の視点が違うので、現状のままでは中学校へうまくつながっていかない。(吉田研)
・コミュニケーションの素地を養うという目標に対して、それをどうやって数値化して評価していくのかという方法の確立が一番の課題(神代、吉田研)



【2】へ続く

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