松香洋子の元気ブログ

2012年1月13日

1月8日(日)に、KaiとGlenn McDougallは、オーストラリアのブリスベンへ帰国いたしました。7年と4ケ月、日本にいました。

5年間の同居、2年間の近所居住をへて、海君が新4年生になるため転校したのです。1歳半の時に日本にきてからずっとかわいがってきた孫がそばにいなくなるですからこちらは寂しいですが、海君はすでに「友達一番」の年齢になっていて、別れる時にも、「ま、オーストラリアにきてよ。」と言われたので、そのうち、様子を見に行きます。

今回はこの娘一家との同居を通して私が学んで、よかったことを「マスオさんは外国人」(ダーリンは外国人をもじって)まとめてみました。

1 片言の英語だけしか話せないで日本にきた海君が、どのようにしてバイルンガルになっていくかの過程をつぶさにみたこと。日本の保育園、小学校でどんどん日本語が上手になって行く中で、たとえ内容はよくわからなくても常に1歩先の英語の映画、歌、物語、ゲームに多量にふれることが大切、そして、どうしても英語で意志を通じさせなくては困るという状況下で頑張らせること、この2つにつきるでしょうね。

2 私もずいぶん、英語と文化の勉強をしました。なにしろ同居ですから、まったなしです。
ロンドンの金融界を知る異色の歌人、渡辺幸一さんに英語にとりまかれての日常を詠んだ歌を新聞紙上で見つけました。

主語を省かず意志鮮明に伝えきて深く疲れき英語の国に (第2歌集 『日の丸』)

ものすごくこの作者の気持ちがわかります。
どんなに急いでいても、どんな気分の時でも、英語は主語に動詞、そして目的語か補語。つまり文を使って話すことばであり、それでなければ通じないし、誤解も生じるということです。この7年間の経験を経て、単語だけを教える日本の英語教育を変えなくてはという気持ちがますます強くなっています。

日本人同士なら「KYだ!」と言われ続けて鍛えられている間に、どうにか以心伝心で通じるようになるのでしょうが、英語では無理です。国際的にも無理です。通じる英語は、時間がかかっても、手間がかかっても、主語、動詞、目的語で話す、これが原則です。

3 文化の違いについても多くのことを学びました。一皿で済ませる西洋式の食事と何品かないとカッコがつかない日本式食事。これもどちらがよい、というわけではなく、どちらにもよいことがあるのです。平行線ですね。

赤ちゃんの時から絶対に1人で寝せる西洋式育児と親と添い寝する日本式、子どもが1人で入るシャワーやバスと一緒にはいる日本のお風呂。これもどちらがよい、というわけではなく、どちらにも良いところも悪いところもあるということですね。

そしてそれ以上に大切なことは、個人の個性や、職業によるクセや、それぞれの家族の様々な問題とかは、国境をこえて、言葉を超えて、それはそれであって、結局は良い人は良い、良い行いはよい、ということだと思いました。

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