松香洋子の元気ブログ

2013年1月23日

福島研究会 リーディングコンテスト

2013年1月14日(祝)~15日(火)福島研究会へ激励に行きました。

東京で大雪が降った日に、郡山まででかけました。郡山も雪。雪は全てを覆い隠し、美しく雪化粧をしてくれました。

mpiの福島研究会は、とても歴史のある研究会の1つです。20年以上のおつきあいでしょうか?
福島研究会は、第9回、絵本のリーディング・コンテストを2月9日(土)に開催します。
詳しくは担当者にご連絡ください。mi-no@mth.bigloble.ne.jp
第1次審査を突破した小、中、高校生、までの子どもたちが100冊の課題本から選んだ絵本をこころをこめて朗読します。帰国子女の部もあります。ぜひお出かけください。

今回、福島研究会のメンバーはどんな気持ちでこのコンテストを実施しているのか知りたくて訪問したのですが、子どもたちの1割~2割は県外にでて、帰ってくる見込みもないという状況の中、子どもたちにはなるべく今まで通りに、普段通りのことをやってあげたい、と強く願っているのが感じられました。

なぜ絵本リーディング・コンテストなのか?
なぜリーコンを続けるのか?
なぜ絵本を読むのか?
なぜ高校生まで巻き込むのか?
リーコンによって、子どもたちは何を学んでいるのか?
リーコンで英語ができるようになるのか?

研究会の皆様と様々な問題を話しあいました。
そしてしみじみわかったことがあったのです。

今年のNHK大河ドラマは「八重の桜」で会津若松の物語です。新島八重は同志社大学を設立した新島襄の奥様になられた方で、素晴らしい理解力、実行力、心持ちが広い方です。

福島のリーコンもこの会津魂のなせるわざだということがよくわかりました。
あの有名な白虎隊の若者たちは、日新館という学問所で生活を共にし、学び、鍛錬をしていた集団です。福島研究会のメンバーがやっていることを聞いているとそれを思いだすのです。英語教室の先生と生徒の距離が近いのです。

渡辺さんは、毎年の暮れには塾生とカレーの会をし、石田ミリーさんは英語だけを話すサマーキャンプをずっと継続しています。ちょっとだけ渡辺さんのメールから抜粋します。

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今年は、高1、高2、高3はもちろん、大学1年生、2年生、教員2年目まで来ました。お鍋は家中の鍋を9鍋、炊飯器は3つと土鍋、それを2回ずつ炊きます。卒業生は、ギターを持って来て歌ったり、CDを持って来てダンスをしたり、「お笑い」をしたり、また、受験生には「良い話」をして聞かせることになっています。受験生によろしくない話は禁止です。授業も普通通りにありますが、最後には「年忘れクイズ大会」をして、勝ったチームから並べてあるプレゼント(ノート、赤ペン、シャープペンなどなど)をもらって帰ります。このクイズは私達専用の箱に何十年もためたものが入っています。何十年も前から中学生が作っていったクイズやなぞなぞです。「光の3原色は赤・黄ともう一つは何でしょう?」なーんていうものから、「ドラえもんにでてくる“どこでもドア”の色は何でしょう?」なんていうものまであります。小学生には英語でWhat color is Dokodemo Door?と訊くと、ほとんどの子の顔がニンマリしますよ。ずーっと前に、優秀で何でも答えちゃう小学4年生の女の子が、「私!漫画は見ませんからそんなものはわかりませんっ!」と怒って「漫画のことを授業で出すなんておかしい!」と訴えてきましたが・・・私に「ドラえもんは子供の常識!はい、残念!」と言われました。あははは。
ミリーのキャンプは、第1回の時に、うちのハンナちゃんがMCをしましたので、夕食の時に「明美先生、ここ確か日本ですよね?日本語が聞こえてきませんね。すごい!」と言ってきたのを覚えています。ミリーさんも、「パスポートの要らない英語キャンプ」と銘打って張り切っています。リーコンの1年前から始めたイベントですが、震災の時に泣く泣く中止したので、回数は並びましたね。
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このような人間関係を土台にした、福島研究会のリーコンです。
その価値について、研究会員の皆様の言ったことをまとめてみます。

1) 子どもたちが、1冊の絵本を深く理解しようとする。内容を考え、その読み方を工夫する。英語に心をこめて立ち向かうという貴重な経験をする。一生の宝となる体験である。絵本の肌ざわり、ぬくもりまで感じている。

2) コンテストに出場して、他の子どもの内容の読み取り方、感じ方、プレゼンの仕方を見る、聞く、研究する。大きい子をみて小さい子が育つ。

3) いつか自分もああいう風に、あの本をとりあげてみたいと、100冊の本の範囲で、1つのグループとしての連帯感が生まれている。

4) 絵本を通して、自分を表現できる貴重なチャンスである、と子ども自身が感じている。このようなチャンスはあまり他にない。

5) 内容は絵本の作者が書いたものであるが、それを発音正しく読み、それを楽しんで表現するのが読み手の責任と自覚している。

今、世界では、読むという行為がタブレットで読む、へ移行しています。絵本はこれから生き残れるのか?そんな質問もぶつけてみました。福島研究会の皆様の心意気です。

1. 絵本は紙もので最後まで残るジャンルではないか?
2. 親がタブレットで子どもに本を読み聞かせる時代もくると思う。だけどくしゃくしゃになった思い出の絵本の価値はまだまだ続く。
3. 福島研究会は、いつまでも紙の絵本を愛し、みんなで集まってその良さをこころを込めて表現する人類最後のグループになりたい。

会津の魂、ここにあり。ご健闘をお祈りします。

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