松香洋子の元気ブログ

2010年8月18日

1に体力

こう上尚史(こうかみしょうじ)さんが書いた「世間を笑いとばせ」(扶桑社)という本を読みました。この本は、まっかな表紙と、きわどいマンガにもかかわらず、書いてあることはまともで面白いです。

小学生、中学生、高校生を相手に、演劇のワークショップをするという話もよくでてくるのですが、

小学生だと
「わー、なんだか分かんないけど楽しそうだぞ。最初は恥ずかしかったけど、大きな声だしたり、体動かすのって楽しいぞ」

高校生だと
「とても恥ずかしいけど、こうやって表現豊かな人になったらもてるのならやってみるわ」

しかし中学生は、
「人前で恥なんか死んでもかきたくない。集団の中でめだちたくない。いじめられるもん。人前で大きな声なんかだしたくない」
と思っているので、「さあ、自分の声で遊んでみようか」なんてノンキに言う演劇人を想像してもらえば、それがどれだけハードルの高いレッスンなのかわかるでしょう。」

「もちろん、おいらは、ワークショップのプロなので、ちゃんとやりました。ちゃんとやりましたが、途中で内心、「みんな演劇部って言ったじゃん。言ったのに、大きな声だしたら死んじゃうって顔してるじゃん。なんで参加したの?」なんてしみじみ思いました。」

そしてこう上さんは、その晩、突然、気を失うのです。そして、「自分でも驚くほどのダメージを全身にうけていたのです。」と書いています。

なにかを真剣に実践している人の言葉は響いてきますね。私も中学生をみているとしばしば歯がゆくなりますが、それでも誰かがそういう時代の子どもをサポートしなくてはいけない、と思うのです。

もう1つとりあげれば、
ニュースキャスターの久米宏氏が全盛だった頃、「この業界で成功するには1に体力、2に人柄、3、4がなくて、5に才能」と言ったそうで、こう上さんはそれにすっかり賛同して行動指針としているということでした。

私もそう思うのです。1に体力。人間は体力があれば、ものごとをつきつめて最後まで頑張ってできるし、最後まで頑張れば何か掴めるものがあるし、そうすると肯定的にもなれるし、というわけです。

私といえば、7月には北京、敦煌へ行く前に浜松のオプネット、帰国してからイーオン東京、聖学院大学、大阪でJ-SHINE講座、mpi英語教室発表会、コロンビアインターナショナルスクール、立川市の小学校、岡山丸善、イーオン名古屋、と飛び回り、パリ、スペインへと続いたわけですが、これも体力のおかげ。

体力がなければ、「小学校英語なんて必要なわけがない」「百害あって一利なし」「英語は英文解釈、英作文」などといい続ける人もいるこの国で、ひたすら、英語は使うための道具、英語でコミュニケーションを楽しむ、子どもに英語、使える英語、なんて言っていられないわけです。

砂漠に水を撒いているような、アリが象に噛み付いているような気分だ、と思うこともありますが、体力があればこそ、自分の主張を言い続けられるのです。
どうやって体力をつけるかといえば、無理なスケジュールを自分に押し付け、人を楽しみ、おいしい食べ物を愛する。それにしても今年の夏は暑いですね。

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