松香洋子の元気ブログ

2011年2月4日

J-SHINE シンポジウム 後半

横浜市の民間人校長、小正和彦氏の発言
小正校長先生の学校は読書活動で表彰されたが、それができたのも、英語活動が特別というスタンスでなく、外部人材の活用は学校にとって大切というスタンスがあったから。

・横浜市では、1年生から4年生まで年間20時間、5、6年生は年間35時間を実施。そのうち、国際理解教育ということで年間5時間は以前からの実施の通り継続。残りの30時間のうち、2/3はALTなど支援者が入る。最初の15分から20分は外部からきた人が担当する。学級担任は、プランを立て、進行をするが、市でさだめた年間計画、活動プランがすでにあり、評価もしている。

・小学校という場で、すべてのことを教員だけでやろうとするのは限界。やろうとすることは無責任に責任感を持っていること。

・外部から支援してもらうと子どもが変わり、保護者が喜び、ひいては先生たちも喜ぶ。小学校の教員は外部支援者とうまくやっていくことが下手なのではなく、慣れていないだけなのだと思う。

埼玉県の所沢市で、J-SHINEの上級資格者として支援をしている土佐林恵理子氏の発言
・中学校15校のALTが今年度は週2日、32校ある小学校の方に出講しており、中学校へ週3日しかいかなくなり、これはこれで問題がある。来年度にむけ支援員を14〜15人募集し、所沢市が独自のDVDを作成し、指導に当たっている。

・しかし、現場は忙しく結局のところは、土佐林さんがプランをたて、公教育なのに、公務員でない自分がこんなことをしていいものかと悩む。ALTはミッキーマウスのような存在で、公教育の場で、日本人の視点が入っていなくていいのかとも思う。

・そんな状況の中で、校長先生が「担任だけで主体的に指導するように」という指示がでた場合は、この外国語活動の趣旨が全うできないのではないか、と懸念される。

・HRTは今の英語ノートが全面的に廃止になって、次がでるようなことがあれば、ひっくり返る。配慮してほしい。

J−SHINEの理事でもある上智大学の吉田研作先生は、
・2006年には、HRTがALTに頼っていたという調査結果があるが、今では、学級担任主導という動きの中でも、ALTの活用はふえていて、子どもの好感度は上がってきている。全体的にうまく回転しはじめているという兆しは見える。

・小、中連携の英語教育というのは、うまくいく場合がある。うまくいっているケースもふえてきている。何よりも、お互いに顔をあわせるなどの場の設定が大切。

・子どもにとって「かっこいい!」と思うのは、学級担任や、日本人の支援者が英語を話す事であるから、英語を使う場面を増やすことが大切。

最後になりましたが、私としては、このシンポジュウムが実施されたことに心から感謝しています。

J-SHINEの専務理事である吉田博彦さんを中心に、必修化される2011年になったら、文部科学省から担当大臣にきていただいて、シンポジュウムをして、この必修化の意味を確認し、明るい展望を持ちたい、とずっと言っていて、それが実現したことは、理事の一人として本当に嬉しかったです。

英語活動の支援者については、講座を受けるのは有料、実際に小学校へ行って支援すると無料、といった厳しい現実も多くあるのですが、多くの皆さんが果敢に地域活動の一環として、この活動に参加してくれているのには、本当に頭がさがります。

国から財政的なバックアップがあるという構図は無理なようですから、今後、J-SHINEでも異なった方面から支援者の支援にあたらなくてはならないのでしょう。

それにしても、国会開催中で多忙な副大臣が午後のひと時を我々と共にすごし、生身の支援者が「英語って面白そう!」と子どもに興味を持たせることに参画していることを認めてくれたわけですから、我々もますます、勇気をもって、自信をもって、この必修化を有意義にすすめていきたいと願いました。

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