松香洋子の元気ブログ

2011年2月5日

J-SHINE シンポジウム 前半

2011年1月29日(土)

小学校英語活動シンポジュウム2011が開催されました。

東京国際交流館プラザ平成を会場とし、会場いっぱいの参加者を迎えて(定員オーバーで断られた方々、残念でした)、J-SHINE主催の「地域人材を活用した小学校英語活動とは」というシンポジュウムが開催されました。

国会開催中で超多忙という文部科学省副大臣である鈴木寛氏と、4月からの必修化に向けて最後の準備に心を砕く文部科学省初等中等教育局国際教育課課長である中井一浩氏をお迎えして、この記念すべきイベントは実施されました。

J-SHINEの専務理事である吉田博彦さんが、現状の報告をしましたが、
・2007年には3%に過ぎなかったJ-SHINEの認知度は今回の調査では、23.7%まであがった。
・今回の調査に応じてくれた285の教育委員会では、地域人材はすでに採用しているのが、40.1%であったこと。
・課題としているのは、カリキュラムや指導案が37.6%、教員の研修44.6%,中学校との連携38.3%, 「英語ノート」の使用法26.1%が目立った数字でした。
・北海道の3つの小学校で撮影された映像をみて、鈴木寛副大臣は、「とても楽しそうですね。小学校での授業で拍手が聞こえるというのはいいよね。」と言われました。

続いておこなわれたシンポジュウムでは、

鈴木寛副大臣の発言
・民主党の政治主導の教育行政の進め方としては、外的条件(校舎、教員数、児童数等)については政治家がすすめ、中身、内容(例えば新学習指導要領)については、官僚が責任をもって進めており何も変わっていない。

・自民党と民主党の教育政策の違いは、前者はcontrolled by governmentだったのにたいし、後者はcommunication with stake holdersとし、鈴木副大臣も、熟議のため、毎週のように地方に赴き、すでに100ケ所 (1800の市町村の内)で直接みなさんの意見を聞かれたそうです。これは、現場が患者とすれば、問診にあたるそうで、科学的な検査、審査の結果と共に問題の解決には不可欠の要素とされました。

・「英語ノート」の仕分け事業による廃止については、21人の審議にあたった人の内14人が「廃止」という判定をしたこと。その中には大学の教員や、シンクタンクのメンバーなども入っており、小学校における英語というトピックについては、一般の理解がそこまでであることも理解しなくてはいけない。しかし、2,000通の反対メールと、1,800通の教育委員会からの反対表明があり、「英語ノート」の配布は23年度まで延長された。

・「英語ノート」を補足する教材としては、発音、スピーキング、リスニングという要素が必要なので、デジタル教材は不可欠。英語活動は、他の教科を先取りした形で、デジタルな支援をすすめる。現在、デジタルそしてデジ紙のものを開発中。

かつての教え込みから、教育支援へという取り組みから見て、J-SHINEがやっていることは、ものすごく意味がある。英語を学ぶということについて、情熱をもって、学びの態度をみせている。楽しんでいる人が身近にいて、子どもたちを感化するというのが大切。

一人の教員がsuper personになって全てを担うのではなく、チームで教育にあたる。DirectionとActionをわけるとし、学級担任はdirectorとなり、actor, actressはALT、地域人材がいる、という構図がよい。この発想がないと、学級担任だけが、日本語を話しながら「英語ノート」を教え込むという悪いパターンに入ってしまう。一人のHRTが全部一人で教えるというのがこれまでの伝統であったが、みんなでやっていくというのがこれからの主流。

今の子どもたちはバーチャルな世界に強く引かれており、以前のようにHRTや校長先生というキャラクターに強く引かれるということが少なくなっている。そのような状況下において、J-SHINEの活動のように生身の人間が真の憧れをこどもに持たせようとすることは、非常に意義があることだ。新しい公共ということからいって、potentialがあることである。

・誰が次の世代の子どもたちを育てるのか、大事なことを先送りせず、やれることをやることが大切。

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