松香洋子の元気ブログ

2009年1月22日

韓国へ行ってきました。1月18日〜21日

McGraw Hill ELTから出版された新しいコースブックWE CANの出版記念でソウルに行きました。短い出張でしたが、びっくりしたことをお伝えします。


<民間の英語教室>
民間の英語教室では、1冊のテキストはだいたい3ケ月から4ケ月くらいで終わるのが普通なのだそうです。ですから、今回私が執筆したWE CANなら6冊を1年半くらいで終わるそうです!

なぜそのようなことになるかというと、保護者が英語教室を選ぶ時に、たくさんのテキストを使用し、たくさんの英語を教えてくれる教室が良い英語教室と判断するからだそうです。

子供英語の専門店に行きましたが、そのような事情で、山のようにあるテキストも次々に売れるそうです。今の一番のはやりは、英語圏の算数、理科、社会等のテキストを教えることだそうです。


<小学校英語>
新学期は3月ですが、来年度から小1から英語を開始するとしていたのは、延期になったそうです。しかし、トップの人は、3、4年生は週2回(現行は週1)、5、6年生は週3回(現行は週2)であるべき、と主張しているそうです。希望者のための放課後英語クラスも実施中だそうです。

現在、各小学校にネイティブ・スピーカー(専任で、住居、有給休暇つき)を一人ずつ配置中で、8割くらいの小学校にはすでに配置済みだそうです。保護者の強い要望によってそうなったそうですが、そうすると学級担任が「自分たちはやらなくてよい」と引いてしまうのが問題だそうです。

やはり学級担任が参加しないとうまくいかないというのが常に結論だそうです。
この施策の前には、中学校の英語免許をもっているけれど働いていない人を数年、小学校に配置したそうですが、最終的には失敗に終わったそうです。原因は小学校と中学校とでは英語の教え方が根本的に違うからだそうです。

今後、小学校の先生は、順番に、5日間、朝9時から夜10時まで英語漬けという研修をうけるのだそうです。そのために施設もできたそうです。

小学校英語が導入されて10年を経過しましたが、予算あり、様々な研修ありで国のバックアップがあるとここまでできるのか、とただ驚くばかりでした。


<家庭で>
私のワークショップにも、3回とも子供連れの親が参加していました。その熱意は、異常ともいえると韓国の人が言っていました。

子供の将来のために、native-likeな英語を身につけさせようと、英語圏に留学したとか、している母子は10万人にのぼるのではないか、ということでした。(父親は送金のみ)韓国の人口は日本の半分ですから、すごいことです。


<まとめ>
まとめられるほど韓国にいたのではないのですが、2社の新聞社が取材にきて、いろいろと話しました。とにかく韓国の保護者の関心事は「完璧な発音」と「native-likeな英語」につきるようでした。

WE CANでは384のゴールがあることと、interactive websiteがついていることに関心を示してくれました。韓国人はとにかく、新しいこと、成果が上がることを早く取り入れるのが好きなのだそうです。

私としては、子供に多量の言語知識を与えるより、アジアの子供たちが一堂に会した時、またはメールで交流する時、一番大切なことは、社交性があり、サービス精神があり、意見があり、マナーがよく、積極的で、冗談もいえて、他者との交流を楽しもうという、そういう子供ではないのですか、と言いました。

それにしても、アジアの、そして世界の子供たちが共通なCan-do Statementsを通して英語を学ぶ、という私の夢の可能性が探れたよい旅となりました。

そして韓国料理はあいかわらずおいしかったし、韓国の人はやさしいし、笑顔が増えたな、と思いました。そしてもう1つ。会う人が皆というほど、日本語と中国語を自分で積極的に勉強しているのです。日本人もこれは見習うべきですね。

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