松香洋子の元気ブログ

2010年7月22日

北京、敦煌と中国英語事情

「学会のあとに敦煌へ行く」というだんな様について、北京と憧れの敦煌に行ってきました。

東京から北京へ3時間。北京から敦煌へ3時間。井上靖の「敦煌」という壮大な小説を読みながら、世界遺産の1つである敦煌をまわりました。敦煌はシルクロードの大オアシスなのですが、さすが砂漠の真ん中。軽い砂嵐でも目をあけているのがたいへんでした。

1日目は日本画家平山郁夫の紹介で有名な莫高窟(ばっこうくつ)に行きました。砂山の中に宗教画がある洞窟が500近く。30 メートルの高さの大仏やら、15メートルの寝ているお釈迦さまなどが暗い洞窟の中にあるわけです。見たのは6コでしたが、色もしっかり残っています。中国のものは何でもスケールが大きいです。

2日目は、砂漠の中をバスで、道なき道と舗装道路をガタガタとはしること片道3時間。周囲は砂漠、また、砂漠。日本の鳥取砂丘しかみたことのない私は砂漠を堪能しました。本当になんにもないのです。

3時間行って、一言でいえばテキサスのアラモ砦のようなものをみたり、昔の関所とか、昔のお城のあととか、小説「敦煌」を反芻しながら砂漠の風景から過去を読み取ろうとしました。

3日目はラクダツアー。真剣に美しい白い砂丘のところにラクダが200頭はいて、観光客を乗せて砂丘を一巡するのですが、私の乗ったラクダはまだわかいのかちょっといたづらっ子。よそ見ばかりするし、前にいったり、後ろにいったり、振り落とされまいと頑張りました。翌日起きたら、全身がバリバリ。これはなんだ!と思ったのですが、「ラクダ痛」ですね。でもおすすめです。

♪月の砂漠を〜というお姫様気分にはほど遠いけど、馬ともゾウとも乗り心地が違い、昔の隊商の苦労が偲ばれます。ちなみに乗ったのは2コブラクダで、鞍がこぶの間に設置してあるわけです。

実は1日だけですが、北京では中国の英語教育事情をちらっと見ました。

中国全土を飛び回り、この20年間、コミュニケーションのための英語教育に取り組んできたDr. Zhang(全国基礎外語教育研究所、常務副理事長)にお会いし、中国では教員はすべて年間36時間の研修が義務づけられている、1学期に18回他の先生の授業を見学し、1回は自分の授業を公開することも義務づけられている、という羨ましい話をききました。55歳で英語はペラペラ。イギリスのレディング大学で学位を取ったそうです。

午後は、私が執筆したコースブックWE CANの説明を中国で2番目に大きいという語学学校の先生方にしましたが、中国はテスト、試験国ということで、高学年になるとものすごく難しい、大人用のテキストを使用しているということで、「こんなやさしいものは使えない」と言われました。WE CANならば、Book 5,Book 6を低学年なら使えるかもしれない、というのが慰めでかけていただいた言葉でした。

あまりのレベルの違いに著者としては「う〜〜〜〜ん」とうなる以外はなかったです。先生たちの口からでてくるのは、「文法」という言葉ばかりで、午前中のZhang 先生のご苦労を実感しました。

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