松香洋子の元気ブログ

2009年3月16日

東京・名古屋・大阪でのワークショップ

3月13日(金)、14日(土)、15日(日)の3日間で、東京、名古屋、大阪の3ケ所で新しいコースブックWE CAN!とMPIの9年間カリキュラムのワークショップをしました。懐かしい顔、いつもお会いする顔、そして新しい顔の方々にお会いして、嬉しかったです。

WE CAN!の執筆に当たっては、日本でnon-native speakerとして英語を学び、教えてきた私が苦労してきたことを解決するためにどのような工夫をしたかを中心に話をさせていただきました。

1 英語の単数、複数。いつ、どのように使うかがわからない。だから単語を全て文に入れて、単数、複数をはっきり示しました。

2 a, theの使いわけ。いつ、どのように使い分けるかがわからない。これも文の中で状況がわかるように紹介しました。

3 英語らしいリズム。どこを強く、弱く、いうと自然な英語になるのか。誰でも教えられるように強弱を色をかえて表示しました。

4 英語の発音。喉をさわる、写真をみるなど体験的に、視覚的に訴える方法で英語らしい発音を表示しました。

5 文化的な習慣の違い。視線を合わせる、固く握手する、知らない人にもあいさつする、他者を紹介する等、国際的にわかりやすいマナーを盛り込みました。

6 シャイな子どもを積極的にする。大きな声をだす。仲間と一緒に演じる。前にでて発表する機会を増やす。友だちに反応するなど、あらゆる活動を盛り込みました。

7 文法を身体を使って、体験的にわからせる。文法は理解だけでは意味がなく、使うことが大切。子どもが文法を使う場面を設定しました。

8 6年生の終わりまでに、どこまでやればよいのか、何をやればよいのか、384のゴールを設定することで基準を示しました。

9 子どもが英語を使う場がないということで、メールでアジアの子どもたちとやりとりができるinteractive websiteを設定しました。

一番多かった質問は、他の教材との併用、他の教材からの移動ということでしたが、音声的な基本が入っている子どもなら、WE CAN!の3から使ってみてほしいです。会話、文法、単語、フォニックスがたっぷり入っています。

MPIの9年間カリキュラムのプレゼンの方では、私のいつもの信念を繰り返し述べました。

1 インプットないところにアウトプットなし。CDを聞くという宿題をしない子どもは絶対に伸びない。

2 小さい子どもほど、身体を動かして言葉を学ぶ。例えば子どもは自分がソーセージになったり、バナナになったりもできる。この感性が豊かな時代に子どもの心をキャッチする豊かな教材を与えたい。

3 小学校ではコミュニケーションの素地をつくる。民間では、どこまでも理想を高く、遠くまで行ってほしい。

4 自分で読める、自分から進んで読む、ということの文字的な裏付けが子どもたちに与える自信、安心感には絶対的なものがある。ぜひフォニックスを教えてほしい。

5 9年間プログラムの意味。一番伸びるのは、中学2年生から3年生の間。小学生の間に鍛えたよい発音、よいリズム、たくさんの自然な英語を真似する、元気よく、愛想よく、積極的に、自分から読む、などのスキルが、中学生の終わりになって内容のあるスピーチ、スキット、レポート、Show and Tell、話しあい、などになって花咲くのです。ぜひ9年間プログラムを実施してほしい。

6 中学生になったら一番大切なのは内容。その中には日本のことも説明できる、誇りをもって語れる、という要素を入れてほしい。

30年間、同じことを言ってきたのですが、まだまだです。最後に大阪の中学校の先生とお話しました。その先生はいろいろな活動を取り入れたいそうですが、中3の生徒は、「先生、黒板の左半分に英語を書いて、右半分にその訳を書いて。それを写すのが一番勉強になる」と譲らないそうです。まるで江戸時代の塾だ!と胸が痛くなった私でした。

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