松香洋子の元気ブログ

2015年8月20日

野原のような花壇をつくる

ここ2年間ほど、地域のボランティアの方々と花壇つくりに参加しています。この土地は、もともとは東京都の都市計画道路予定地で、長方形の道路脇の土地です。100坪くらいはあるでしょうか?私たちが活動をはじめた時には、砂利やいらなくなった石が埋めてあってカチカチ、それでも雑草がぼうぼうと生えていました。

東京都も町田市も緑地化には力をいれていて、初年度は年間10万円ほどの補助金がでたり、町田市からは花の苗を無料で年間2回、もらうことができたりしました。

なんて素晴らしい町なんでしょう。
1ケ月に2回ほど、ボランティアが集まりますが、道行く人々が「お疲れさま」「ありがとうございます」「すばらしいですね」「これはなんていう花ですか」と次々に話しかけてきます。いいコミュニティーです。

虫も鳥も子どもも犬もくる緑地をめざしています。
ほんの10人ほどのボランティアが中心になってやっているのですが、いわゆる奇麗な花壇ではなく、春は菜の花にレンゲ、次にクローバー、クリムソンクローバー、ムスカリ、矢車菊、夏はカラミンサ、ベルガモット、メドーセージ、ラベンダー、タイムなどのハーブ、秋はコスモス、ほうき草、段菊、シュウメイ菊等を植えています。

ハチが行かない花は、人工的に操作してあるパンジーやノースポール、矮小化してあるマリーゴールド等、花の奥が深いサルビアもあまりすきではない等とハチ様に気に入っていただくのはたいへんです。

2年が経過した今では雑草もかなり減って、2つのベンチも設置され、緑豊かな緑地になっています。ただこのような庭はみかけがとても地味。ハーブが中心なので、花が小さく、地味なのです。道行く人たちはいろいろなことを言ってくれるのですが、「今年は花が少ないですね〜」という人がいます。「目指しているものが違うのです」とこころの中で答えながら、「ええ。来年はもっと花が咲いているでしょう」といつも答えています。

私は植物の多様性が好きです。緑の色もちがえば、形も、サイズも違います。まるで人間の子どもたちみたいです。大きくなったら、どんなになって、いつ、どんな花を咲かしてくれるのか、とても楽しみです。花が咲かないのも好きです。みんなそれぞれ違っていいのです。

まるで工場で作るみたいな、同じサイズの、同じ時期に咲いて、同じ時に枯れる花が好きではありません。自分で種からでてくる多年草は強くて逞しいです。小さくても、匂いが良かったり、はっぱがきれいだったりするものもあります。
教育もそうだと思います。工場で作るみたいにみんな同じ子どもをつくるのではなく、それぞれ個性があって、それぞれの形で、それぞれの時期に輝く、それがいいと思うのです。

花の咲き乱れていない花壇。見てもあまりきれいでないけど、虫も鳥も、犬も子どももほっとして遊びにくる庭。そんな庭の良さを認めてもらうにはもう一工夫がいるな、といつも考えています。

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