松香洋子の元気ブログ

2008年12月1日

11月30日(日)、夜9時半、やっとバンコクから帰国しました!

たった3日の予定で行ったタイですが、政治的な空港閉鎖に巻き込まれ、7日間に延長するしかありませんでした。これにともない11月28日の青森県三沢市での講演と、11月29日のJ-SHINEの公立小学校の英語活動についてのシンポジュウムのパネラーの仕事ができなかったことを残念に思い、関係者の皆様に心からお詫びいたします。


11月26日(水)は朝9時から、タイの小学校で英語を教えている先生方、およそ100人を対象にWE CANについてのセミナーをしていました。第1セッションが終わって一息ついている時に、
「国際空港が閉鎖されたので、今日は帰国できません」と知らされました。
「!!!!???」

1万人もの人々が反政府デモで空港に集結し、警察も軍隊も手が出せないという説明でした。
セミナーを終えたら夜の便で帰国の予定でしたが、とりあえずホテルを延長してもらい、明日になったら帰ろうか、とのんきに考えていました。バンコクの町は平静だったし、危機感をもちませんでした。


翌日、主催者のマグロウヒル出版社の方々と様々な帰国方法を検討しましたが、他の空港も閉鎖されはじめ、どの案も難しいとなりました。すると、この闘争は長期化するとみたタイ政府が軍用飛行場を各国から迎えにくる民間機に解放すると決定し、「これで帰国ができるかも」となりました。

翌日には、マグローヒルのニューヨーク本社から退去命令が出され、シンガポールからきていたアジア統括責任者のJacobさんと、他のセミナーを担当していたEricさんと、私と明子の4人は、現地スタッフの懸命な努力でキップを確保してもらいました。29日(土)の午後4時にマレーシアのクアラルンプールまで行き、そこで一泊して30日に東京へ飛ぶ事になりました。


たいへんだったのはここから先でした。
11月29日(土)朝、8時にホテルを出発し、10時に、軍用飛行場に到着しました。そこにはすでに何万人という人がいたのです。


まずは、スーツケースのチェック。1台の検査機につき、何千にという人が並ぶわけです。いや、並ばないのです。威張り散らし体力勝負にでるロシア人、それに対しどなる中国人、泣く子ども、絶叫する母親たち、ひたすら耐える日本人。柵を乗り越え、やっと終わるまでに1時間半。


次に搭乗券をもらうところがさらにすごい。冷房が効かない部屋に数千人。列はめちゃくちゃ。どうにか冗談を言い続けるヨーロッパ人。はしゃぐ台湾の高校生。怒濤の中で身動きもできないまま、3時間半。

やっと手にした搭乗券を手に今度は、出国検査のための列。Don't push! Don't push!と叫んでくれた軍人みたいな若者。「この子は具合が悪い!」と絶叫する母親。ここで将棋倒しになって死ぬのはいやだな、と一瞬思いました。ここで2時間。ここまで、立ちっぱなし。飲まず、食わず、トイレに行かず。
待合室に入って1時間。飛行機にのってから待つこと1時間。飛行時間1時間45分で、クアラルンプールについたのは、時差もあって夜の10過ぎ。

ホテルのレストランでワインとなるべく豪華にした夕食で明子と乾杯し、終わった時には真夜中。家族にも電話し、ほっとしました。


長い一日でした。


いつ終わるとも知れない絶望的な列に並び、いろいろなことを考えました。
日本でこれと同じことが起きたら、もっと上手に危機管理ができるか?そうあってほしいです。たぶんできると思います。


このような国際的な危機があると国民性がはっきりする。日本人はいかなる時にも冷静に、礼儀正しくふるまうことができるか?そうあってほしいです。たぶんできると思います。冷静であること、そして英語によるコミュニケーション力、これが大切です。


こういう事態になったら、やはり頼りになるのは自衛隊や警察の方々です。英語は大丈夫でしょうか?今回、タイの軍人さんはこの点は心配でした。


以上、思いもかけない国際的な体験をしましたことを、報告させていただきました。

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