Feel the Worldで講演する機会をいただきました。Feel the Worldのこと、講演会の様子などまとめました。
【Feel the Worldの活動について】
NPO法人Feel the Worldの代表の平松貴美子さんはとても活動的で、知的で、経験豊富で、明るく、楽しい人です。平成28年度の活動報告書を見せていただくと、実に19種類の活動をしたのだそうです。マザーグースに集う大人の英会話、北名古屋発「てみやげ」の魅力、大阪英語村英語研修ツアー、毎日我が家でプチ留学、オールイングリッシュキャンプ、北名古屋発ブリティッシュヒルズ中学生英語研修ツアー、北名古屋市イングリッシュキャンプ、モリコロパークdeハロウイーン、イングリッシュハロウィーンキャンプ、北名古屋市えいごでハロウィーンカーニバル、ニコフレ探検バスツアー、トップセミナー、北名古屋市手みやげ手帖、北名古屋市中学生語学留学事業、北名古屋市まちづくりワークショップ、北名古屋市土曜えいご教室、長久手市土曜日のワクワクえいご学習教室。
すごいでしょ?地域おこし×楽しい英語×子どもと中学生といったテーマで活動したい人は、ここにすべての見本がありますね。参考にしてください。
さて、当日は、講演、質問に答えるコミュニケーションタイム、お茶会という3つの部分からできている会合で、参加者は40名。会場いっぱいの参加者は英語を教えている人と保護者で、皆様、とても熱心でした。
【講演 「グローバルなこどもはどうやって育てるのか」 その1 教育改革という視点から】
1.
Active Learning=樹種的で、対話的な、深い学び 学びの自立、生活上の自立、精神的な自立
2.
求められる能力 学力とは? ①知識 ② 思考力、判断力、表現力 ③ 協働
3.
IT化への対応力
4.
AI(人口知能)が今後、発達してもそれを上回る仕事ができること
5.
自立した人間でありながら、協調性にあふれた人間
6.
企業が求める人材 主体性、粘り強さ、コミュニケーション力
7.
多様化する教育と学力保証
【講演 「グローバルなこどもはどうやって育てるのか」 その2 質疑応答】
① 生活の自立
お母さんが全てをやってあげる家庭が多すぎるので、炊事、掃除、洗濯の中で、子どもたちができることの分担を決めて、必ずやらせる。何もできないと、海外ホームステイに行ったり、キャンプに行ったりして困ることが多すぎる。
② コミュニケーション力を育てる
家庭では親がしっかりとこどもの目(携帯でなく)を見て話す、挨拶など、基本を押さえてほしい。教室、学校では、ペア活動、グループ活動でこどもたちに責任をもって行動させることを繰り返しやってほしい。
③ 英語を話さないこどもの対応
「AかBか、簡単なことを聞いても答えない、日本語でもいいから答えてごらんと言っても何もいわない」という質問がありましたが、対処法としては、①
発言を見える化する=発言したらチップをあげる、何秒以内と時間をみせる、一人一人の名前を書いたチップをつくり、黒板に複数の線を描き、えいごを話したら、チップが上がっていき、日本語を話したら、チップが下がっていく、手をあげて発言するのを習慣づける(手をあげる練習から始める)、All Englishのポリシーを徹底させる等、繰り返し、時間内でやらせる、それを褒める、のトレーニングが必要です。日本語でもいいから、というのは一番下手なやり方です。子どもは日本語だともっと複雑なことをいわなくてはいけないと思ってさらに考えこむか、もし、日本語で答えたら今度はそれを英語に出来ないからです。
④ 英検対策
まずはリスニングで点数がとれるような指導をする。そのあとはやはり読めないと合格しないので、読む練習は必要。読んで、読んで、読みまくって、6年生で英検1級を受かったという男の子に先日、下関で会いました。あとはやはり試験ですから、試験形式になれることが必要です。
⑤ 音読がいいか、黙読がいいか?
まずは、読み聞かせをして、耳から読書をするのが大切。それから自然にこどもたちが自分で音読をするようになる。だんだんに黙読もするので、結局のところ両方必要。
⑥ モチベーションの持たせ方
日常的に英語を使わない日本で、英語学習のモチベーションを持たせるのが難しい。何か中間試験、期末試験、入試以外の目的を持たせる方法はないか、という質問でしたが、それはまさにFeel the Worldが一生懸命にやろうとしていることだと思います。つまり、あらゆる方法で「英語を実際に使う」ことを体験することだと思います。実際に英語を使ってみれば、簡単なことでも通じた喜びは大きいです。スポーツや音楽活動では、試合、発表会、演奏会等があるので、英語教育でも試合、発表会、演奏会があるといいな、と私自身も考えています。今後、そのような方向で日本の英語教育が進むことを念願しています。ただの勝ち負けでなく、英語を真剣に楽しむ場ができる、そんなことができてくるといいなと考えています。