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2015年4月24日

フォニックス教材の選び方

構成:mpi広報課

レポート:小学校英語の現場から

文部科学省が2020年より全面実施を予定している『グローバル化に対応した英語教育改革実施計画』の具体化に向け、昨年開催された“英語教育の在り方に関する有識者会議”では、小学校高学年では「聞く」「話す」ことに加え、 「読む」「書く」の態度の育成を含めたコミュニケーション能力の基礎を養うことなどが提言されました。

文部科学省HPより新たに配布されている小学校外国語教育における補助教材(ワークシート)でも、「アルファベットの文字の認識・音の認識」が入るなど「読む」「書く」を意識した学習内容になっています。

mpiは、創立者の松香洋子が、日本の子ども向けにフォニックス学習法を取り入れたところからスタートしました。 フォニックスとは、発音とつづりの関係を表すルールを学ぶ学習法で、もともと英語圏の子どもたちに読み書きを教えるために開発されたものです。フォニックスを学ぶことで、聞いた英語が書けるようになったり、書かれた文章や文字を読むときに英語らしく発音できるようになります。

今月は、アルファベットの音から「読む」「書く」に繋げるフォニックス学習を始めるにあたって大切なこと、またフォニックス教材を選ぶときにはどのようなことに気をつければよいかをお話したいと思います。

レポート:小学校英語の現場から

まず、フォニックスを学習するにあたって一番大切なことは、英語の音声インプットです。 mpiではフォニックス学習を以下3つのステージに分けて行っていますが、最初のステージである『プレ・フォニックス期』では、特に音声インプットの時間を大切にしています。

○「プレ(前期)・フォニックス期」=音声獲得時期(幼児~小学校低学年)
○「フォニックス期」=プレ・フォニックス期で学んだ事を、文字に結びつける時期(小学校中学年)
○「ポスト(後期)・フォニックス期」=習得したフォニックスを使い、自立した学習者になる時期(小学校高学年~中学生)

『プレ(前期)・フォニックス期』では音声インプットと共に、アルファベットの大文字と小文字の文字認識と書く力を育てます。大文字・小文字がきちんと書けることは、次に続くフォニックス期を安定して過ごすためにとても重要です。

『フォニックス期』は文字通り、フォニックスを学ぶステージです。
このステージで、アルファベットには文字の“名前”と“音”があり、「音を繋げる(足す)ことで単語になる」という概念を理解していきます。
フォニックスキーワード、フォニックスジングル、音の足し算(割り算)を学ぶことで基本的なフォニックス学習を進め、並行してフォニックスリーダーを読むことで、文章を読む力を養っていきます。フォニックスリーダーとは、学習したフォニックスルールに沿って読むことのできる単語が沢山出てくる読み物です。
フォニックス期では、4技能を生かして学習することも大切。4技能を使って様々刺激を受けながら前述したフォニックス学習を進めると、学んだことがより定着します。

フォニックス学習が安定した子どもは、沢山の文字に触れたり、意味のある(興味のある)テキストを読んだりすることで、音声インプットのステージから文字インプットを増やすステージへ移行していきます。 フォニックスを学び、読めるようになったからといって音声インプットをしなくてよいわけではありません。 『ポスト(後期)・フォニックス期』では、音声インプットと文字インプットのバランスを常に保ち、学習を進めることが大切です。
また、『ポスト(後期)・フォニックス期』にいる学習者でも、要所要所でフォニックスの復習を取り入れ、自立して読んだり書いたりする力が備わっているかをきちんと見極めることも大切です。

フォニックス学習の有無に関わらず、英語学習初期には、学習者が楽しめるレベルの音声や動画、絵のインプットが重要です。音声学習なくして英語学習の成功はありません。
この時大切なことは、闇雲に音声インプットをするのではなく、学習者が楽しめるもの、理解できるレベルのものを大量にインプットすることです。

以上のことを踏まえ、それぞれの期に合わせて使用できるフォニックス教材をご紹介いたします。

○「プレ(前期)・フォニックス期」
『Superstar Songsシリーズ』
フォネミック・アウェアネスを取り入れたワーク付きの歌の教材。英語のプロソディ―(文の強弱・イントネーションなど)の練習やライミング語の聞き分け、短母音と長母音、初頭音や語末音の練習など、英語の音感を育てる。
※フォネミック・アウェアネスについての記事はこちらから

『All about the ABC’s Second Edition』
文字認識のための教材。小学生低学年に最適な教材で、大文字→小文字→大文字小文字と段階を踏んで理解を深められる。慣れるまでは、“書く”ことは大きなタスクになるが、いつかは越えないといけない山であるので、早めに対応することが大切。

『アルファベットドリル』
アルファベットの大文字と小文字を認識しながら繰り返し書く練習ができる。5種類のテストでしっかり定着。修了時にもらえる賞状で達成感を育む。

○「フォニックス期」
『This is Phonics』
フォニックスを4技能でバランスよく学習できる教材。2ステップのアクティビティで学習を進める。Step1ではクラスで体験的に学習し、Step2では教材に書き込んだりして1人で学習することで理解度を深める。各ユニットに力だめしの“Check it!”が入っているので、習熟度を確認しながら進められる。

『小学生のフォニックス』
フォニックスルールの歌や、英語26文字の「音」をしっかり発音できるようになる「発音たいそう」など、子どもの興味をひきつけながら無理なくフォニックスを学習できる教材。 英語学習初期の生徒向き教材。

『WECAN!フォニックスワークブック』
豊富な練習量で、フォニックス学習に自信をつける教材。5パターンのフォニックスジングルで、名詞から動詞まで130語が学べる。小テストを通してドリル的に何度も読んだり書いたりすることで、最終的には読む力を養うことができる。

『Let’s Study Phonics』
フォニックスルールをじっくり学習できるシリーズ。ルールから単語、単語から句、句から文章への段階を踏むことで、長い文章を読む力をつけ、結果的に書く力へと繋げていく教材。

『Active Phonics』
短期間で英語学習ができる高学年向けの教材。フォニックスルールのほか、複数形や過去形の認識、発音学習に最適。全国の公・私立中学校で毎年10万冊採用。

『Building Blocks Library Level 0~3』
Building Blocks Libraryは全10レベルのCD付きフォニックス&多読用リーダー。 レベル0~3は学んだフォニックスルールで楽しく読めるフォニックスリーダー。フォニックスを学習中の子どもの「読める自信」に繋げる。

○「ポスト(後期)・フォニックス期」
『Building Blocks Library Level 4~9』
日本人の子どもの興味やレベルに合わせて作られた多読用リーダー。シリーズごとに成長していく登場人物の魅力に引き込まれ、読み進めるうちに、大量の英文を読むスピードも養う。CD付き教材なので、読んだものを音声で確認することもできる。多音節の単語を読む際にCDが大きな助けとなる。

『フォニックス アクティビティ集』
フォニックス学習を楽しく進めるためのアクティビティ集。アクティビティを通したフォニックス学習は、学んだルールの復習にも効果的。

フォニックス教材を選ぶ時一番のポイントとなるのは、“4技能で習得できるようになっているか”どうかです。 学んだルールをいかに自分のものにし、英語の表現力に繋げていけるかが、フォニックス習得の一番の近道です。ですから、何か一つの技能に偏り過ぎないで、バランスのよい教材を選ぶことが大切です。

また、何事も最初が肝心です。プレ・フォニックス期ではアルファベット学習がきちんと終わっているか?フォニックス期では初頭音、短母音を学ぶ頃までに、アルファベットには音があること、また音の足し算で単語が読めるようになることなどのフォニックスの概念が理解できているかが大切です。 「何で読めるようになったか分からないけど、いつの間にか読めるようになっていた」が、理想的なフォニックス学習の方法です。


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