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2014年11月28日

mpiの発表教育とパートナーkidsコンテスト

構成:mpi広報課

レポート:小学校英語の現場から

mpi松香フォニックスが35年間実践してきた独自の指導法では、“英語を使って堂々と自分の言葉で発表できる子どもを育てる”「発表教育」を推奨してきました。
毎年全国各地区で、約450教室のmpiパートナー会員による発表会が行われ、年に1度、mpiパートナーキッズ全国大会を開催しています。
今年は11月23日に、神戸では初めての開催となる全国大会が行われ、例年以上にレベルの高い発表者が全国から集まりました。
mpiのコンテストが通常のスピーチコンテストと大きく違うのは、英語力だけではなく、伝える姿勢や他者を尊重する気持ち、考えを順序だてて説明できる力、マナーやユーモアを身につけているかどうかなどを総合的に評価する点です。

コンテストには以下の7部門があります。
●小学生の部/歌・チャンツ部門
●小学生の部/絵本部門
●小学生の部/スキット部門
●小学生の部/スピーチ部門
●小学5~中学生の部/物語・詩部門
●中学生の部/トークショー部門
●中学生の部/スピーチ・プレゼンテーション部門

審査基準は当日、会場にて参加者にも公開されていますが、例えば、小学生の部/歌・チャンツ部門では、
・英語らしい強弱のリズムとイントネーションである
・音楽のメロディーにのっている
・声に表情がある
・・・などから、
・目線、姿勢が適切
・熱意、自信が感じられる
・個性がある、訴える魅力がある
・・・などやその他審査基準によって、審査されます。

mpiでは日々のレッスンからパフォーマンス評価を取り入れ、レッスンを通してできるようになったことを、正しく評価できるように努めています。
ですから、レッスンでは歌を歌って会話の練習をしているのに、評価を英検の問題で行うなどといったことは本末転倒と考えています。

発表のポイント
さて、人前で発表するときに大切なポイントとは何でしょうか。
学年、発表内容によっても変わりますが、mpiでは以下の8点を組み合わせてポイントとしています。

① 目線と姿勢
② 顔や体で表現している
③ 熱意、自信が感じられる
④ 英語らしい発音である。
⑤ 個性がある。訴える魅力がある。
⑥ 内容、意味が伝わってくる。
⑦ 自分の言葉で話している。
⑧ スピーチ:表現が適切。英語の構成がよい。ビジュアルエイドを効果的に使っている

また発表を見た方は、
① コメントをする
② 褒める
事が大切です。発表したことに対して(どんな結果であったとしても)発表したという行為を褒め、それを自信につなげて、次の発表をより良いものにしたいとに本人が意識させることが大切です。

上記のポイントを身につけるためには、例えばレッスンの中で、小さな規模でも発表をする機会を設けて、日々人に聞かせる、人の発表を聞く(見る)を意識したアクティビティを組み込むことが大切です。 人に聞かせたり人の発表を聞いたりといった態度は、一朝一夕で習得できるものではなく、日頃のレッスンでの積み重ねと、発表会本番での経験の積み重ねで、段々と上達していきます。

発表教育の目的とは?
発表教育とは、評価の難しい言語学習の過程で、学習者がそれまで学習してきたことを発表する場を設けることにより、達成感を与え、自信をつけさせることが大きな目的です。
同時に、人の発表を聞くという態度を身につけさせる事も大きな目的の一つです。人の発表をきちんと聞くという態度が養われていなければ、相手に聞いてもらえるように話すことは出来ません。「人の話を聞く」「自分が発言する」という表裏の活動を、発表教育を通して同時に身につけることができます。

なぜ言語学習に発表教育が効果的か
mpiでは、英語を“使うため”に教えています。単語をたくさん正確に書けるとか、文法問題を間違えずに解ける力はとても大切な能力ではありますが、これは英語を話したり、聞いて理解したりする時の力には、あまり効果がありません。 未来からの留学生である子どもたちには、英語を使って人とコミュニケーションを取り、いろんなものを見て、いろんなことを感じて、自分の世界を広げていって欲しい。そのツールとして、英語を学んでいることに気づいてもらうためにも、人前で話す、人の言っていることを理解する機会をなるべく多くして、 発表教育を通して各々が積極的に英語を使おうという態度を養うことが大切です。そうすることで、おのずと文字にも興味が出てきて、英語を読んだり、書いたりしていくうちに英語を英語で理解する力が備わります。
言語学習は、「聞く」→「話す」→「読む」→「書く」の順に学習していくことが手順だと言われておりますが、発表教育はこのうち「聞く」「話す」に大きく関係してくるので、言語(英語)学習の初期から導入することに大きく意義があると考えています。

mpiパートナーkidsコンテストとは

最後に、mpiがkidsコンテストを毎年行っている意義をお伝えします。
まず、子どもたちの世界を広げるため。そして、多くの知らない人の前で発表する機会を増やすため。また、自分の住んでいる世界以外にも英語を学んでいる人が沢山いて、みんなとっても頑張っている姿を見ることで、生徒たちのその後の学習に良い影響を与えて欲しいとの願いからです。

過去にスピーチ・プレゼンテーション部門に出場した生徒でこんな子がいました。
彼は学校生活についてスピーチをして、科学の時間が苦手だと話しましたが、スピーチが終わった後、ステージ上で受けた即興のインタビューで、

Interviewer: So, you don’t like science?
Boy: Well, I like science, but science doesn’t like me.

この後、会場は大きく盛り上がり、会場にいた指導者も生徒たちも、あんな風にやり取りできるようになりたいと強く感じました。 こんなユーモアがたっぷり入ったやり取りが、大観衆の前で堂々とできるようになることも発表教育の大きな目的です。


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