― フォニックスは読み書きができるようになるための学習法だと聞きましたが、なぜ音声が重要なのですか?
元来フォニックスは、英語圏の子どもたちにとって、読めるように、書けるようになるための学習法として開発されました。
しかし、発音の仕方が母語(日本語)と大きく異なる日本の子どもたちにとって、フォニックス学習は、読み書きができるようになる以外にも正しい英語の発音方法を習得できるなどの効果をもたらします。
― つまり、mpiのフォニックス学習法は、従来のものを日本の子どもたちが使いやすいように、改良されているということですね。
はい。日本の子どもたちが英語圏の子どもたちと大きく違うところ、それは英語のインプット量が圧倒的に少ない環境の中にいるということです。
― 確かに、他の国に比べて日本は、日常生活のなかで自然と英語を耳にする環境は少ないかもしれません。
その中で、英語の「音」と「意味」と「つづり」の関係(=フォニックス)を
効果的に学習するためには、まずは大量の“正しい英語”に慣れ親しんでおくことが不可欠です。
フォニックス学習を始める前に、いかに多量の英語の音声インプットができているかは、その後、読み書きの学習を進める上で、理解力や学んだことを吸収するスピードに大きく繋がってきます。
― 英語の音を多量にインプットしておくことは、フォニックス学習を始める前に必要不可欠な条件だということですね。
これはフォニックス学習をスタートさせてからも同じでしょうか?
フォニックス学習期の音声インプットも非常に重要です。つづりが書けても、正しく発音できなければ意味をなしません。
(=通じません。)自己流で読む癖(ローマ字読み)などが一度ついてしまうと、なかなかその癖を直すことはできませんので注意が必要です。
― だからこそ、子どもの頃に、しっかり英語を学ぶ意義がある。
意味を理解し、正しく発音できる単語であれば、音を聞いて正しく綴ることができる、それがフォニックス学習法です。正しく発音出来れば、正しく綴る事ができるはずです。そのためには正しい発音を聞いておく必要があります。
正しい発音をたくさん聞いて、それと同じように言える、スペリングを自分で読むことが出来る、自分で読めるものは書けるようになる。この一連の流れのどれが欠けてもフォニックス学習は成功しません。
繰り返しになりますが、日本では、英語の音声に触れる機会が圧倒的に少ないので、英語圏で行われているフォニックス学習をそのまま取り入れるのには難しい場合があります。
必ず、音声インプット学習と並行して行いましょう。
― フォニックス学習以外にも言語を学ぶには音声インプットは欠かせませんよね?
どんな言語を学習する時でも、「音、意味、文字」はどれも欠かせない要素であり、英語も例外ではありません。
mpiの教材にはフォニックス関連教材に関わらず、必ず音声教材(CD)が付属しています。それはmpiが英語を学習するには、まず音声インプットが何よりも大切だと考えているからです。
どの言語でも、話せるようになるまでには約2000時間の音声インプットが必要と言われています。言語学習には良質な音声インプットが欠かせません。単一民族の日本で、多言語を学習するというのは実はとても難しいことで、
多言語(英語)が日常的に使われていない環境のなかで過ごしている日本の子には年齢にあった適切な音声教材が必要です。その為にmpiの教材にはすべて音声CDがついています。
言語(英語)をバランスよく学習するために、ぜひCDを有効に活用して、音声インプットを大切にされる事をお勧めいたします。
― 自宅でフォニックス学習を始めてみたい方に、何かアドバイスはありますか?
ご家庭でフォニックス学習を始めてみる場合は、いくつか条件が整ってからの方が効果的です。まず英語は日本語とは違う音がたくさんある言語ですので、その音に慣れておく必要があります。
英語独特の音に慣れておくことで、フォニックス学習に限らず様々な英語学習が効果的に、スムースに進みます。最初は歌のCDやDVD、短くて意味の分かりやすいお話しのCD、DVDなどを活用して英語の音を楽しむ時期が大切です。
またフォニックスは「音」と「意味」と「文字」の関係を学ぶ学習法です。正しく読めて、書けることをゴールにしています。ですので、アルファベットをきちんと理解している必要があります。日常生活において、英語の多くは小文字で書かれます。小文字の文字認識がしっかりしている、しっかり書けることがフォニックス学習を楽にします。
― 具体的に教えていただけますか?
たとえば /b/と正しく発音できても、/b/を表す文字が bなのかpなのかdなのかわからないと /b/, /a/, /g/ と聞いても pag, dag と書いてしまう可能性が出てきます。これは極端な例ではありますが、裏を返すと、読めない事にも繋がります。mpiが、小学生中学年でのフォニックス学習導入をお勧めしているのはそのためです。アルファベット学習がきちんと終了しており、物の意味がより理解できている年齢で導入する方が、ずっと楽に学習を進めることができます。
― ここで学んでおけば、後々の英語学習にも役立つわけですね。
「読める」・「書ける」は、到達度がわかり易く、早い時期から教えたくなるお気持ちはよくわかりますが、私どもが長年謳ってきた適期教育の観点から考えると、フォニックス学習は全くの英語学習初期ではなく、中期あたりに行うのが効果的です。
― 子どもにフォニックスを教えたい場合、まずは自分が発音をマスターしないと難しいでしょうか?
ご自身(保護者の方)が英語の発音の知識(フォニックスの知識)をきちんと持っていることはとても大切です。
そうすることで、お子さんが発音で躓いたときに的確にアドバイスすることが可能になるかと思います。
― しかし、それができる親御さんは多くありません。
はい。そこで、テキストブックを上手に活用しながらお子様と一緒に学ぶ事も可能です。mpiの教材はすべて音声(CD)がついています。
それらを使って、お子さんと一緒に保護者様も学ぶ事で、お子さんにとっても刺激となり、フォニックスの理解・定着を助ける事につながるでしょう。
フォニックス学習に焦点を当ててお話致しましたが、子どもが日本で英語を学ぶ際、英語圏との環境の違いや、日本語と英語の成り立ちの違いなどを理解することは、とても大切です。
以上のような観点から、mpiでは音声教材を非常に重要視していますが、皆様が教材を選ぶ際の参考になれば幸いです。
☆日本人の子どものためのフォニックス教材一覧
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