2020年2月
mpiパートナー教室Ogura E.S.英語英会話教室主宰
小椋由貴
京都・太秦にありますmpiパートナー教室Ogura E.S.英語英会話教室主宰している小椋です。この度、北陸研究会(2019年11月16日開催)と大阪研究会(2020年1月19日開催)で開催させて頂きましたワークショップについてご報告いたします。
今回のワークショップでは"TAGAKI 40"と"Speech Navigator 2"を融合させてスピーチを作成し、2019年12月の京都パートナーキッズ発表会に出場した中学3年生女子の例に挙げ、どのように生徒を導いたかをお伝えしました。
この生徒は中学1年生になったばかりの4月から当教室に入会してくれました。初めて来たときはフォニックスも知らない普通の中学生でした。彼女は公立中学校の英語の授業で困らない様にと入会したのですが、レッスン時に行う教科書を使った授業の予習・復習で、学校の英語の成績は常にトップクラスでした。
私は彼女に学校の勉強だけでなく、英語でのスピーチやQAが出来るようになってもらいたいと思い、mpiの教材も普段のレッスンに取り入れました。1年生ではSpeech Navigator 1~2の前半、2年生ではSpeech Navigator 2後半とTAGAKIに取り組みました。Navigator1・2も順調に進み、Advanced Sample Speechを例にして、introduction / main body 1・2 / conclusionという流れがスムーズに書けるようになりました。Navigator 2が終盤に差しかかった頃、彼女は英検準2級に挑戦しました。最初はWritingが難しそうでしたが、回を重ねるたびに上手く自分の意見も書けるようになりました。無事英検準2級にも合格し。同時期にTAGAKI 40に取り組み始めていたので、TAGAKIのトピックについて書くことにとても興味を示しました。TAGAKIを毎週の宿題にし、必ず覚えて来て、私の前で発表をしてくれました。当時は少々文法がおかしい所もありましたが彼女の思いを大切にし、敢えてあまり手直しはしませんでした。
※オトキコはmpiの音声アプリです。
TAGAKI 40の進め方については、好きなTopicから書いていこうということにしました。最初はレッスン中に進めましたが、私はいつも1Topicをする前に「オトキコ」で音声を聞かせること、質問されたことだけを答えることだけにしました。やがて宿題で書いてきてもらうことが多くなり、やって来た宿題は声に出して発表してもらいました。書くことをとても楽しんでくれているのが良く分かりました。スピーチもほぼ完ぺきに覚えて言えるようになって来たので発表する事も楽しくなって来たようでした。
TAGAKI 40の2/3が終了する頃、Speech Navigatorで鍛えた手法を使ってTAGAKI 40でも自分の好きなトピックで更に深く書いてみないかと提案をしました。彼女もそのアイディアに乗ってくれました。初めて書いたトピックは"Manzai Performer"。自分もダンスを習っているので、ステージに立つ前のバックステージでの不安な気持ちと漫才をする人のバックステージでの気持ちが重なったようでした。彼女のステージ上では笑顔でダンスをし、人を感動させたいという気持ちがこのトピックにマッチしたのでしょう。漫才をする人たちもネタを考え、観客を笑わせるという仕事を頑張っているということが書きたい気持ちにつながったようでした。中学生の興味を引くトピックが満載のTAGAKI 40は彼女には最高の教材でした。
いきなり、「はい、ではMANZAI Performerについて何か書いてきて」と言っても良かったかもしれないですが、私はSmall TalkやQuestion & Answerで話題に引き込むことから始めました。やり方は以下のようにメモをとりながら、彼女に質問しました。
Teacher: Who is your favorite MANZAI Performer?
Student: I like Football Hour.
Teacher: Really? Why do you like them?
Student: I like Mr.Goto. Because he is handsome.
Teacher: Do you think so? And?
Student: I like Mr.Goto as an MC of Konya Kurabetemimashita.
(「今夜比べてみました」、という番組があるそうです)
このようにやりとりした中での答えをメモ書きにして渡したら、それを基に彼女が次の週にスピーチにしてくるというようなやり方でした。彼女が作成したスピーチはほとんど直さず、ここでも私は彼女の書きたいという気持ちを大切にしました。
いくつかのトピックでのスピーチ作成も慣れてきた頃が、ちょうど京都パートナーキッズ発表会(12月8日)の1ヶ月前あたりでした。"Ramen"というトピックでのスピーチがとても面白いスピーチになっていました。内容もしっかりとIntroduction, Body 1・2, Conclusion (Punch Lines)に分けて書かれてあり、伝えたい気持ちも入り、聞き手が「そのラーメン食べたい!」と思える内容でした。家族と土曜日に食べに行くラーメン屋さんの話、京都で醤油ラーメンの一番美味しい店はここ、家でもラーメンを家族のために作るけれどそのトッピングに凝っている、豚骨スープにはこのトッピングが絶妙、などなど本当にラーメンへの愛が感じられました。初めは彼女も発表会に出るなどとは全く考えもしていませんでしたが、「発表会でみんなの前ではっぴょうしてみない?」という私の声かけに心が動いたようでした。「スピーチ、やってみます!」
Topi22Ramenの音声はこちらから
3分以内で発表するため、発表会に出演するためのスピーチ原稿の手直しは一緒に考えました。パワーポイントも作成し、そのスライドに合わせての人前でのパフォーマンスの仕方も練習しました。小学校1年生にも分かるように話す練習、笑顔、ジェスチャーなど彼女にとって初めてのスピーチ準備でした。発表会当日、「緊張する~!」と言っていた彼女は、出演する生徒、そのご父兄方総勢120名の前で堂々とスピーチをしてくれました。私はそれを見てとても感動しました。彼女にとっても大勢の前でのスピーチ体験は大きいな自信になったにちがいありません。
またま彼女はマンツーマンレッスンで来ていた生徒だったのこのような指導法を取りましたが、グループレッスンであれば、生徒同士でのQAでやりとりをしながら、スキットを作ることも出来たかもしれません。TAGAKI 40を使ってスピーチへの発展は、工夫次第でいくつも出来ると思います。スピーチだけでなく、調べ学習のような手法を使って発表することも可能かもしれません。教室では、これからもTAGAKI 40だけではなく、各レベルの発展編をクラスの生徒とともに模索していければと考えています。
ワークショップの際にはご参加頂いた先生方からは、
- 「TAGAKIと Speech Navigatorをつなげての使い方があるのかと新たな発見となりました」
- 「生徒が書きたい気持ちを育てることが大事ですね」
- 「TAGAKIのトピックでQAをし、スピーチにつなげるというアイディアが良かった」
- 「なかなか自分の興味のあることを見つけにくい生徒には良いはしごかけになる」
- 「TAGAKIは素晴らしいと分かりつつもなかなか、活用できていなかった。自分の意見を効果的に伝えられるテクニックが身に付けられるのでTAGAKIを継続していきたい」
- 「実践例を教えて頂けたことが何よりも信頼のおける貴重な学びになるので良かった」
- 「今までクラスで蓄積されて来た方法を他の指導者にも伝え、結果も伴ってくるという実践例を聞くことが有難い」
- 「学校の勉強とmpi教材を使っての勉強とを双方向ですることで生徒のやる気につながるのですね」
というようなご感想を頂きました。
このようなワークショップを開かせて頂く機会を頂いた大阪研究会・北陸研究会の皆様には大変感謝をしています。本当にありがとうございました。これからもパートナー会員・研究会会員の皆様で色々とクラスで取り組んでみたことを話し合いながら発展していかれますことを願っています。私自身もTAGAKIにさらに取り組み、応用し、発表が出来るように努力し続けたいと思っています。
編集後記
今回は京都でmpi English Schools Ogura E.S.英語英会話教室を主宰されている小椋様が研究会で発表されたTAGAKI㊵とSpeech Navigatorを使って発表会まで指導された経緯をお話いただきました。生徒のメンタルを徐々に鍛えながら持っている力とTAGAKIを融合させての指導は多くの方の参考になったようです。 mpi松香フォニックス
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