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2019年9月19日

めざせ!英語でスピーチ名人 コミュニケーション力と発表力を身につける!

(株)mpi 松香フォニックス 教育アドバイザー
山口幹代

堂々とした態度で、英語で自己紹介をしたり、自分の考えをわかりやすく伝えられたら素敵だと思いませんか? 今回取り上げるのは
「子供のための英語で自己表現ワークSpeech Adventure for Kids 1,2,3」です。

このシリーズを使えば、英語を使って、自分の事や自分の考えを、堂々とわかりやすく話すことができるようになります。
しかも一方的に伝えるだけのスピーチではなく、準備の過程で、聞く・話す・読む・書くという4技能を学びます。さらに、上手に人に伝える力と態度も育てることができる教材です。つまり、子どもたちが生涯にわたって使える「コミュニケーション力」と「発表力」の基礎を築くのがこのシリーズの究極のねらいです。

まずはテキストの構成を見てみよう

「子供のための英語で自己表現ワークSpeech Adventure for Kids」は全3冊。各冊とも8ユニット3見開きで構成されています。

イメージしやすいように、Speech Adventure for Kids (以下SA) 1のUnit1を例に具体的にご紹介すると以下のようになります。

[ 0 ] キーセンテンス

「ぐるぐるチャンツ」(8つのキーセンテンス)
8ユニット分のキーセンテンスがまとめて掲載されているページです。学習のウォームアップを兼ねて付属CDのノリの良い音楽に合わせて唱えているうちに、8つのキーセンテンスをインプットできます。これは未修単元の予習、既習単元の復習になるので、毎日、毎レッスン全員で唱えることで、スパイラルに練習させ定着を図ることができます。

[ 1 ] まずはインプット

各ユニットの最初の見開き(pp.6-7)に、キーセンテンスと語彙が紹介されています。指導の順番に沿って進めます。

Key SentencesVocabularyListenAbout yourself

ティーチャートーク(先生が教室内で使う英語の指示)も記載してあるので、そのまま読み上げれば英語だけで授業ができるようになっています。付属CDを使えばより簡単。基本文&単語の練習に加え、入れ替え練習までもが英語のティーチャートークとともに収録されていますから、ボタン一つで楽しく効果的なレッスンが可能となっています。

[ 2 ] アクティビティで学ぶ

次の見開きが定着をもたらすアクティビティのページ(pp.8-9)です。
定着させるために「小テスト!」なんて無粋なことはしません。楽しくアクティビティに取り組むうちに自然に身につくように工夫がされています。

p.8に掲載されているのは、パートナーと行うEcho Practice(エコープラクティス)。
生徒の定着に合わせて、易しいものから難しいアクティビティになるよう、以下①-⑤からいくつか選んで行うと効果的です。

① 子どもに数字1を示し One と言わせ、先生が今回のキーワードである1の序数の入った grade を言う。同様に1~9まで。

② 次は、先生が 1=one といい、生徒たちに序数+学年を言わせる。1~9の順番で。(序数を言う方が難しいので)

③ ②で降順に言わせたので、次は昇順や順不同に行う。

④ 先生vs生徒ができるようになったら、生徒を2グループに分けて同様に行う。

⑤ 生徒同士ペアを作ってEcho Practiceを行う。右ページのビンゴも楽しい。
ゲームに参加するためとなると俄然張り切るのが子どもたち。序数も、嬉々として覚えてくれます。指導する側にとっては、自分が有能な指導者になった気がしてこれまたうれしい(笑)。まさにwin-winをもたらしてくれる教材です。

[ 3 ] 発表のための原稿作成

英語力に乏しいうちはゼロから英作文をさせるのは間違いのもと。サンプルスピーチを聞き、テンプレートに自分の事を書き入れさせることで(p.10)、間違いのないスピーチが短時間で完成します。英語の型を身につけ、自信をつけさせるためにも、テンプレートを元に英借文し、一部を入れ替えて自分のスピーチにすることを繰り返させます。

[ 4 ] いよいよ発表

子どもが安心して発表できるよう、手順がアクティビティに落としこんであります。そのため指導経験の浅い先生方でも指導に迷うことがありません。

また、発表の際の態度の育成も大事ですよね。そのための「話し上手になるポイント」が各ユニットに設けられています。また、巻末には8つのポイントがまとめられています。

「話し上手になるポイント」を確認してから発表させ、発表後に自己評価をさせると、次第に発表時の態度にも意識が向くようになっていきます。
発表の型式もSpeech, Skit, show and Tell とバラエティに富んでいます。複数のユニットをつなげば、長いスピーチにすることも可能です。

シリーズ3冊で子どもたちが達成することは?

① SA 1では現在形を使った10文のスピーチができます。
② SA 2では、3人称を使い、語彙を増やした15文の詳しい自己紹介ができます。
③ Speech adventure 3ともなれば、マインドマップを利用して構想を練り、本格的な文章の型や、文章を豊かにする語彙、発表を格上げするコツまでも学びます。
これをマスターできれば仕事でもそのまま通じるレベルです!

「日本語での発表は苦手、でも英語なら堂々と発表できる」

この教材で学ばせた結果、mpiセミナー講師仲間である近藤佐知子先生の生徒さんが上記のように感想を述べたそうです。こんな感想が子どもから出てくるとは、すばらしいですね!

こちらはSpeech Adventure for kids 3掲載の生徒の実際のスピーチです。

巻末には「文章を10倍ゆたかにするコツ」「発表を10倍素晴らしくするコツ」も掲載されています。是非参考にしてください。

「子供のための英語で自己表現ワーク」を使い、

「インプット」→定着のための「アクティビティ」→「原稿作成」→「発表」

に至るプロセスを、段階を踏んで導けば、上でご紹介したような「英語でのスピーチなら大丈夫」という生徒が育つのです。 高い目標を頭の片隅におきつつ、まずは、発達段階にあった学びを提供し、子ども自身が中心となって活躍できる学びの中で、自信をつけさせてやることが大事だと考えます。『自分なら英語でなんとかできる』という英語に対する自信と学ぶ技術を身につけてさえいれば、どんな場面に遭遇しようと自らの人生を自らの力で切り開いていけると思うのです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

記事を担当したのは mpi 松香フォニックス 教育アドバイザー 山口幹代

(株)mpi松香フォニックス 教育アドバイザー
mpiパートナー教室「えいごナビ」主宰
ロンドン大学 Institute of Education 教育学修士(MA)
国立九州大学文学部英語英文学科卒業

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