(株)mpi 松香フォニックス 教育アドバイザー
山口幹代
英作文指導は「答えのない、遠く長い道」なのか?
これまで私にとって英作文指導は徒労感を感じる作業でした。
私は子ども達の体に、日本語を介することなく、英語で聞いて、英語で理解し、英語で発話し、書ける回路を作ることを目標にレッスンを行っています。いってみれば「英語の回路」を作ることが英語教師の仕事といえると思います。ところが「英語の回路」ができていない生徒に文章を作らせると…
教える側から見ると:
① 生徒は日本語の語順のまま和英辞書から引っ張ってきた単語に置き換えただけで平気な顔をしている。
② 間違いの指摘はできても、生徒に何故違っているのかを理解させることができない。
③ 理解できていないから生徒が同じ間違いを繰り返す。
生徒側から見ると:
① 和英辞書を引くと同じ意味のところにたくさんの英単語が載っていてどれを選べばよいのかがわからない。
② 適当に選ぶとその単語ではないと言われるが、なぜその単語ではダメなのか、理由がわからない。
先生も生徒もそんなモヤモヤを抱えたまま、お茶を濁した状態で終わるのが英作文指導だったと思います。少なくともわたしはそのように感じていました。
ところが、mpiの新教材TAGAKI(多書き)を使い始めたところ生徒に変化が現れました。
生徒のここが変わった!TAGAKI(多書き)効果 間違えない!迷わない!楽しい!
ではTAGAKIで生徒のどこが変わったのでしょうか。
① 授業で扱った単元に関しては、自分の意見をきちんと即座に答えられる子どもになりました。
② 答え方も、単語ではなく文章で答えられるようになりました。
③ さらにはユーモアのセンスも磨かれる予感があります!
英語は言葉である以上継続が大切ですが、継続させるには楽しくなければ続きません。TAGAKIは内容自体が楽しいんです!ちょっとTAGAKIの目次をご紹介しますね。
いかがですか?それぞれのページにどんなことが書いてあるのか気になりませんか?
生徒もそうなのです。どこをやるかは生徒に選ばせているのですが、それを決めるためのじゃんけんは毎回白熱します。どの子も目を輝かせ嬉々として次週の単元を選ぶのです。「選んだ単元だけでなく自分の好きなところもやってきていからね。」と声掛けしたところ、あっという間に1冊を終わらせてしまう子が続出。授業中に「TA・GA・KI!」とTAGAKIコールが起きることさえありました。
どうしてそんなに楽しいの?と聞くと、
「自分で選べるし、自分のペースでやれるから。」
「だんだんわかるようになってきて楽しくなってきた。」
「英語が早くきれいに書けるようになったから。」等々。
生徒自らが主体的に学ぶ=アクティブラーニングが自然にできるのもTAGAKIの魅力なのだと思います。TAGAKIによる学習効果、おわかりいただけたでしょうか。
子どもを夢中にさせる英作文テキスト TAGAKI(多書き) の仕掛けとは?
TAGAKI(多書き)とは「英語を自分で表現することを学ぶためのボルダリング競技みたいなもの」と紹介されています。TAGAKIが提供した「足場」(目標)を使い、指導者の支援や声援を受けながらも「自力」で登っていかねばならぬもので、受け身では一歩も進めないのがTAGAKIです。
特徴的なのは、英語面とメンタル面の二つの「足場」(目標)があるという点。
TAGAKI10を例に取ってみましょう。TAGAKI10の「足場」(目標)は、
メンタル面: 「自分の気持ちを即断即決する」
日本人は自己主張しなかったり結論をはっきりさせなかったりする奥ゆかしさが文化の一部であり美徳でもある一方で、英語を使って外国人とコミュニケーションをとる際にはその日本人特有の意識が障害になってしまうのもまた事実。そこで、「自分を表現するときの『ためらい』や『無自覚な感情』を整理」するメンタル面の足場が作られました。「ある話題について今まで考えたことがないと思っても、その話題を拒絶するのではなく、自分が日頃何を感じているのか、何を考えているのか、無自覚であったことの糸をたぐり自分探しをしてみてください」
英語面: 「10語前後の英文をたくさん書く」
TAGAKI学習初期から、単語ベースでなく必ず文という単位で表現する癖をつけます。書くことは時間もかかるし腕もつかれます。面倒くさいと思うかもしれませんが、実際にやった人によると「はまる!」そうです。名詞を限定するa,the, 単数、複数等、必要なことを自然にインプットし、さらに文法事項はまとめて正しくインプットします。英語という言語では聞く、話す、読む、書くの全てを文という単位で表現するのが大原則です。
と著者松香洋子は述べています。10語程度の文章をただ機械的に書き写すだけではなく、いろいろな仕掛けがされているのです。
言いたいことを英語で書けるようになるには?
TAGAKIプラスANKIがカギ!
そう、ANKI=暗記です。
―自分の言いたいことが英語で書けるようになるには、書いたことを暗記するという経験が欠かせません。
そこでTAGAKI10では
- 短い文を3つ覚えることから始める
- その3つの文の中には、自分が言いたいことが含まれている
- 英語的に正しい3文を覚える
ということを経験します。松香は暗記について以下のように言っています。
負荷の少ない3つの短文を書いて、覚えて、伝えることから始め、TAGAKI20、30とだんだん分が長くなり、構成も大事になり、徐々に、楽しく負荷をかけるため様々なトピックを30、用意しました。そのくらいの回数を体験しないと身につくべきことも身につかないと思います。
― 著者 松香洋子
英語で堂々と。自分の意見をユーモアを交えて話す
どんな質問にも堂々と、しかも、周りの人を楽しませる配慮にとんだユーモアある答え方ができる人を見ると、口下手な私などは特に「なんて素敵な人なんだろう。」とか「こんな人こそリーダーにふさわしい」とあこがれてしまいます。
いつだったか、国連に職を得た方から、就職面接時にどんな準備をしたかを聞く機会があったのですが、その方の答えが以下でした。
「さまざまな話題に瞬時に英語で答える訓練をした。」
常日頃からアンテナを高く、どんな質問にも英語で瞬発力をもって答えられるよう準備をしたことが国連での職につながったというのは興味深いと思いました。
昨年の秋、TAGAKI(多書き)が出版されたとき、私はこの国連職員の話を思い出しました。TAGAKIは国連の就職面接に役立つぞ、と(笑)
子どものころからいろんな事柄に自分なりの答えをもち、それを英語で表現する訓練をしておくことは、国連職員ならずとも、これからのグローバル社会を生き抜いていくための着実な一歩になると思います。
今回は、TAGAKIを使ってみての気づきや感想をお伝えさせていただきました。
次回もmpi教材を教室で実際に使った様子をお伝えします。どうぞお楽しみに!
記事を担当したのは。。。
mpi 松香フォニックス 教育アドバイザー 山口幹代
(株)mpi松香フォニックス 教育アドバイザー
mpiパートナー教室「えいごナビ」主宰
ロンドン大学 Institute of Education 教育学修士(MA)
国立九州大学文学部英語英文学科卒業
自己紹介
転勤族の夫との結婚で専業主婦に。夫の英国留学をきっかけに自らもロンドン大学大学院に進学するも討論形式の授業についていけず落ちこぼれ寸前。「これまでの学校での勉強はなんだったんだ?」と苦しむ経験をする。
失意の帰国後、子育ての中で「大量インプットの必要性」と「正確さより流暢さ!」を主張する松香洋子氏に出会う。「この方法で学べばしゃべれる!」「私が探していた英語教授法はコレだ!」と直感し同指導法を学ぶ。2009年より都内で英語教室「えいごナビ」を主宰。親に半強制的に連れてこられた子どもを対象に顧客満足度は親子ともども100%。「わずか数か月での上達にびっくり!」「終始子どもたちが楽しそうなのが何よりです。」「入会4か月で英語のプレゼンができるまでになりました。」等、喜びの声多数。この経験からmpiメソッドの効果を確信するに至る。
現在、自身が主催する英語教室のほかに、mpiのセミナー講師として活躍中。豊富な知識とわかりやすい説明で受講者満足度がつねに高い。
今回ご紹介したTAGAKI10~50をもっと詳しく知りたい方はこちらから
■広報からのお知らせ:
【講座名】 TAGAKI 英語四技能は“書く”がHUB
第1週 TAGAKIとは?・TAGAKI 10
第2週 TAGAKI 20・TAGAKI 30
第3週 TAGAKI 40・TAGAKI 50
第4週 TAGAKIチャレンジ・TAGAKI必勝法
【開講日】 5月21日
【費用】無料
【受講申込先】ドコモgaccoホームページより登録
http://gacco.org/mpi/
※無料でご視聴いただけますが、ドコモgaccoに登録は必要です。
※オンライン講座ですのでいつからでも学べますが、8月までの期間限定になります。ご興味のある方は早めの受講スタートをお勧めいたします。