松香洋子の提言

こうありたい日本の英語教育

教育に天井を設定しない しなやかに、のびやかに

結論として

私は楽しいことが大好きです。そして人間は誰でもそれが大好きであると確信しています。
問題は何が楽しいのか、ということですが、本来であれば勉強も楽しいし、体験も楽しいし、友達関係も楽しいのです。
それがなかなかそうならないという現実の問題はあるのですが、本質的なことを見失わないことは大切であると考えます。
ネットで得られることと、ライブとしての学校、授業の楽しさ、そのようなバランスがこれからますます大切になってくるのだと思います。
所詮、ロボットだって、アンドロイドだって、AIだって人間が産み出したものです。人間は新しいことを考え出すことが大好きなのです。この力を子ども、生徒から引き出す、それが教師の仕事なのです。

それでは、もっと具体的に、児童英語教師である我々には何が課されているのでしょうか?

  1. 人間は社会的な動物。だから一人では暮らしていけないし、楽しくない。また、人間は言葉を使う動物。だから母語である日本語と、事実上、世界の共通語である英語で人と関りあうことができるような子ども、生徒をつくることが最も大切なはず。
  2. 耳がよく、真似が上手な幼児~低学年で英語を指導する場合、その特性を生かし、その時期にしかできない取り組みを大切にし、育むことが大切。
  3. 低学年では英語という言葉の音声的な特性を身体的に、体験的に掴ませることが大切。
  4. 中学年~高学年では英語という言葉の特徴である主語、動詞からはじまる文構造に初期の段階から慣じませ、使用頻度の高い表現が定着するように手伝う。アルファベットという文字の特性を理解させ、自分で駆使できるようにする。タイピングも大切。
  5. 小学校の高学年から中学生になったら、英語で他者のいうことを理解し、それに対して自分なりの気持ち・考えを即、伝えることができるようにする。英語で情報を読み取ったら、その内容について客観的に考え、それに対して自分の気持ち、感想、考えを表すことを習慣化する。

つまり、

バランスが大切ということが言えるでしょう。私達大人は、これからますます発達するAI、そしてネット社会とのバランスを取ることが必要で、また、バランスが取れる子ども・生徒を育てることがミッションでしょう。これからの子どもたちが自立した学習者になれるように、我々教育に携わる者は、これまで以上に熱心に、そして楽しそうに、未来の子どもたちのための教育に従事していくことが求められているのです。先の見えない時代ですが、ともに励ましあいながら、みんなで仲良く、明るく、頑張ってまいりましょう。

  1. 教科書・教材に書かれていることのもっと新しい部分はネットで調べる。
  2. 教科書・教材に書かれている以上の事実はネットで検索する。
  3. 教科書・教材から出発し、さらに発展させる。クリエイティブであること。
  4. 教科書・教材を使いながら、ライブで仲間とする学びがさらに大切になる。
  5. ライブである学校、授業で学時には、仲間と学び合うことを大切にする。

こんなことが普通になる時代はもうここまできているし、教育がその一端を担わないはずがない、という想いで日々を生きていきたいものです。

mpi 会長 松香洋子

松香洋子は日本の英語教育のオピニオンリーダーとして全国各地で小学校・民間英語教育機関・民間および公立の幼稚園・小中学校・高校・大学にて講演を行っております。mpiセミナーでは小学校英語関連の講座・英語教育理論講座を担当しています。