第二言語習得について①

保護者のお一人からとてもいい質問が来たので、お返事も含め、シェアさせてください。
保護者の方々がよく持たれる疑問です。ベテランママたちには耳だこで申し訳ありません。

いつもの長文です。

●ご質問
英語教室のお友だちみんなに言える事ですが、英語を英語で理解をしているのでしょうか。(うまく説明できなくてすみません)
★お答え
使う中で理解します。
例: red を赤色と説明しないでも、指差したり、言えたりする感覚です。日本語にしないで、そのものを理解します。
フレーズになると常識力が必要です。Can I go to the bathroom ?
をいつも使う時に、こういう場面で使うと理解するのが大事です。日本語訳は、様々になりますが、[授業中、トイレに行きたくなったら使う英語]と使えることが大事です。

フレーズにより、しっかり理解できないものもありますが、絵を見ての理解、スキットをしての理解で大丈夫です。年齢があがると理解します。しかし、今、「よくわからなくても丸暗記ができる大事な年齢」です。ここを大切にします。

●ご質問
家で一緒にやっていて、まだ理解していない部分が多く、丸覚え感があります。だから、しばらくすると忘れてしまうのかなと。
一緒にやっている時に日本語で文章説明をするのがいいのか否か迷います。
★お答え
日本語で文章説明は、避けてください。
理由です。
1、英文データベースとして、意味も理解し、長期記憶として残る部分は、生徒の英語歴やタイプで違います。音だけで覚えるでは、確かに長期記憶になりにくいです。
しかし、日本語で説明されても、本当の英語理解には繋がらないので、あまり役にたつ年齢では、ありません。
また、日本語力も弱いので、英語を日本語ひとつで説明しにくいです。日本語説明は、英語理解の一部にしかなりません。
英会話たいそう、もっと英会話たいそうのテキストには、「こんな時に言う英語だよ」という参考のために日本語もあります。
おうちで説明するより、どういう意味かなと聞いてきたら、
「Ms Fujii が絵を見たり、DVD のスキットを見たらわかると言ってるよ。日本語のページもあるので見たら」とアドバイスをお願いします。

2、なぜ、保護者の説明を控えていただいているか。
自分でどんな時に使うか会得しない限り、長期記憶にならないからです。中学のテストように、この英語はこの日本語と丸暗記は、すぐ忘れますし、はたして使える英語になるでしょうか。
その英語を使う経験が一番です。

3、では、英語で生活をしていないのにたくさん使えるでしょうか。残念ながら、教室で実際に使う場面以外、ありません。しかし、歌は、英語を話しているのと同じです。

4、私たちは、意味もわからず、歌を歌ってきた幼い日々がありますが、それで日本語発話力を磨いていて、また、成長すれば、こういう意味だったんだとわかることもあります。歌は記憶に残りやすく、英文の宝庫です。

5、Who’s monkey, who?
I’m a monkey. You’re a monkey.
と、唱えますが、必ず動作をします。そういう経験を繰り返し、英語フレーズを学びます。これは、英語母国語の子どもたちと同じです。

6、自分の力で英語の意味を会得する習慣が最も大事で、「いつもわからないことは、ママに教えてもらえる」という意識が、その習慣を邪魔します。

7、たくさん、間違えて理解する経験も大事です。「こう思ってたが、そうか」とわかった瞬間が一番、長期記憶に残ります。

8、長期記憶ピラミッドというのがあり、一番記憶に残らないのが人に説明されたこととなっています。
一番記憶に残るのが、自分がわかったことを人に教えるということとなっていますが、その前に自分で理解するというのが来ます。

9、すぐ忘れるとのことですが、英語習得は、スパイラルに進みます。
[自分で意味を理解しようとする態度]を構築し、繰り返し練習し、同じ英文を、
聞いて、音の真似ができる
聞いて、聞き分けができる
言える
使える
読める
書ける
文の仕組みを理解し、応用できる
という段階を経ます。

10, 中学英語のように[単語帳で日本語訳で覚える]という仕組みはとても効率の悪い方法の時期です。

生徒が覚えられていないのは、日本語説明がないからではなく、他の理由と思います。

中学英語のような知識の積み上げ学習ではなく、英語力をつける力を積み上げる時期です。
しかし、楽しいのが一番です。特に小学生は、スポーツ大好き時期でもあり、英語は楽しくないと続きません。自分の得意分野を先に頑張るで大丈夫です。
5年生になれば、学習意欲が出るので、それまでに「自分でなんとかすると楽しい」という経験をたくさんさせたいです。

小さな成功体験が大事です。夏休み
一週間の目標を自分なりに達成していく心地よさを体験していくのが第一歩と思います。

一番大事なポイントは、小学5年生までに、英語習得に欠かせない力を身につけることです。
1 英語が聞ける耳
2 英語が言える口
3 英語を覚える音のデータベース
4 自分で意味をわかろうとする
習慣
5 英語時間を持つシステム構築
6 英語を書く腕の動き

です。英語フレーズを覚える練習の中で身につけていきます。上記の力がつくことで英語を覚えられていくので、理解できる英語、使える英語を増やすことができます。
5年生からは、知識を生かすことができ、反対にそうでなければ覚えられなくなります。それまでが勝負です。知識を生かす時間をたくさん作るには、[それまでにどれだけ上記の英語習得力があるか]です。