「英語を使う経験」と「英語を知っていること」

私たちは、母語をマスターするとき、「まず、書けるようになって、読めて、単語を覚えて、文法を知って」という順番では、していません。

生まれてすぐから(胎内でママの声を聴いていたという説もあります)、たくさんの母語を聞いて、

リズムを会得、その音を出す練習、その音が、どういう意味を持つかの練習、音節のマスターなどなど、たくさんの「聞ける」をして、「意味がわかる」、「言える」に結び付いていきます。

孫娘が1歳半の時、「言われていることはほぼ理解できるが、自分で言葉で表現ができない」という状況でした。体を使い、少し言える音を使い、表情、行動で、自分の意思を表現していました。

母語でさえも、こんなに時間がかかっています。第二言語、「習ったその日から、聞けて、言えて」は、13歳からであっても、なかなかむつかしいです。 第二言語をマスターする脳が発達しているので、理解することはできると思いますが、「音をマスターする」ということについては、すぐにできません。

英語の文法を知る、暗記するということは、13歳からは、得意分野となると思いますが、「知っているだけ」では、使うことは、できません。

また、幼児さんであっても、「聞いたその時から、ペラペラと英語のまねができる」ことは、ないです。

母語であっても、意味が通じることばを言えるようになるには、3歳まで、待つ場合が多いのでは?毎日、毎日、膨大な量のインプットがあって、それができています。

初期のことばの習得に違いはありませんが、第二言語の場合、母語の知識が役に立ちます。文法を知った時、応用が利くのは、、そのためです。 

中学、高校で、古典のマスターに私たちが苦労するのは、「日常、使われていない言語」だからなのでは? 英語も同じような方法で学ぼうとすると、楽しくありませんし、マスターに時間がかかります。

使う経験、知る経験、どちらも大事です。 13歳になって「知ることが得意」になった時に、「聞ける耳、言える口、そして、使える英語がたくさんある」ということが、文法を知る上で、役にたちますが、使ってこない英語は、消えていると思います。

「英語を使う」とは、「たくさんの歌を歌えるようになる」、「たくさんのチャンツが言えるようになる」、

「絵本の中の英語が言える」、「日常で使う英語を使っている」ということから、

「自分の言いたいことが英語で言える」ことにつながっていくと思います。

その時に英語のルール(文法)を知っていると、「相手に伝わる英語が言える」ということになります。

それも、「英語で伝える」気持ち、経験が後押しをすると思います。 

「英語を使う経験」と「英語を知っている」こと、第二言語では、両方、大事です。