子供たちが小学生の頃、
主人の父を連れて、道後温泉に旅行に行きました。
帰りに、山菜料理のお店に入って、
猪鍋や鹿肉の刺身などを食べました。
都会派だと思いこんでいた義父が驚きながら、
「淳子はんはこんなもんが好きなんか~!」
と田舎暮らしの常之進おじいちゃんは超うれしそうでした。
(義父の名前:常に進む!なかなか良い名前です。)
それからというもの、
「淳子はん、いのししの肉と鹿の肉があるから帰っておいで!」
とイノシシの肉と鹿の肉で釣るおじいちゃん。
松坂牛でもなく、フォアグラでもなく、
ひたすらイノシシの肉と鹿の肉を調達しては、
「淳子はん、肉があるぞ。帰ってくるか?」
と、孫会いたさに電話をくれるおじいちゃん。。。
確かに、イノシシの肉で作るカレーは最高に美味しい!
時には、こちらから
カレーやにんいくとしょうがをたっぷり入れた甘辛煮を作って、、
佐那河内の美しい景色を見ながら、
みんなでワイワイと食べたものです。
たま~に食べるカレーは
おじいちゃんとミヨリおばあちゃん(おじいちゃんの姉)
も大好きな様子。
「私が食べようとおもったら、
常之進が全部食べてた」と
ぷりぷり怒っている御年89歳になるミヨリおばあちゃん。
かわいい二人にみんなで大笑い!
イノシシの肉と鹿の肉さえあれば、
帰ってくると信じてやまないおじいちゃん。
その気持ちがとても温かいくてやさしい。。。
常之進おじいちゃんは、
信望の厚い人柄なので、
お友達の猟師に、
「嫁の淳子はんが、イノシシの肉が好きやけん、
捕ってきてくれんか~?」
とお願いしていたそうです。
実家に帰ったら、
いつものようにある日常の出来事。
その向こうにいるいろいろな方々のお蔭で、
笑顔があったり、語らいがあったりします。
その猟師のお友達が
この度の台風の犠牲になってしまいました。。。
テレビのニュースを聞きながら、
涙が流れてとまりませんでした。
それにしても、
毎回、このような災害のときに思うのは、
テレビの報道番組が、
東京中心発信になりすぎていること。
なんでも東京中心。
災害時には、もっと、その地域に特化した、
災害情報をメディアが情報発信できないのでしょうか!!!
もっと災害に対する意識を高めないといけないと思います。
お盆に帰ったときに、
「もうこの村でも、80歳を過ぎた男の年寄は、
数人になってしもうた。。。」と言ってた常之進おじいちゃん。
おじいちゃんを元気づけてあげないと。。。
そして、いつも山に入って猟をしてくださったおじいちゃんのご友人。
心からご冥福をお祈りいたします。