東北のmpiパートナーの方に送ったメール

9月の3連休を利用して、被災した友人を訪ねました。
mpiのホームページでもご報告くださった盛岡の佐々木先生にあてたお手紙をご紹介します。

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裕美さま

仙台滞在中にお電話をしたかったのですが、
香川で長く家族ぐるみで親しくさせていただいていた友人が、
お母さまの介護が必要になり、
ご主人さんのご実家の仙台に数年前に仙台に移って、
今回の震災にあってしまいました。

そういった事情もあって、彼女の話をいろいろと聞いてあげることもあり、
裕美さんにお電話ができずにいました。

仙台での滞在は、一言では言い表せないです。。。

マスメディアには上がってこない被災者の方々の生の声を聞いて、
すごくすごくすごく、心に刻まれることがたくさんありました。

私は、ずっと子供たちに向き合う仕事をしていて、
小学校の英語支援もしているので、
大川小学校のことが、他人事に思えなかったんです。

友人のご主人さんが連れていってくれました。
そして、お焼香をさせていただきました。

校舎の中から、いつも聞いている学校のざわめきが聞こえてくるような気がしました。
子供たちの笑顔や、友達を呼ぶ大きな声、子供たちに指示する先生の声、
いろいろなたくさんのこどもたちの元気なざわめき。

連れていってくださったご主人さんが、
男泣きに泣いて、
「四国でもいつか地震や津波が起こるので、
もうこんなことが起きないように、
帰ったら子供たちにこのことを伝えてください。」
とおっしゃってくださいました。

本当に、辛くて苦しいことですが、同じ日本人として、
しっかりと記憶して、心に刻み込まなければいけないと思いました。

少し涙がでました。でも、道中があまりにも悲惨で、大川小学校の向こうにある杉の木が錆のように赤茶けて、
本当に、どう表現をしてよいかわからない感覚が今も続いています。

こんなひどい惨状を見て、私が仙台を訪れて良かったのだろうか。。。と思いました。
でも、友人とご主人さんが、
「あれから、半年たっても、被災地に行く勇気がなかった。
いつまでも、とどまっていてはいけないのだけれど、
立ち上がるきっかけがなかった。
二人で大川小学校に行くのは、とても勇気がいることだったけれど、
じゅんちゃんが来てくれたおかげで、行くことができた。
自分たちも、このままではいけない。
何かしなければいけないと思っていたけれど、
何をしていいのかわからなかった。
じゅんちゃんが来て、わかった。
何かの節目がほしかったのかもしれない。
このことをきっかけに、前に進めるかもしれない。
もう、いつまでも、このままではいけない。
前に進んでいくためにも、来てくれて良かった。」
と言ってくださいました。

すごく涙が溢れました。

裕美さん、東北の方々は本当に強いですね。

塩釜の市場で働く若い青年。
「ぼくの家は流されたけど、家族はいるので良かったです。
うちで扱う品物は、他のお店ほど割引できませんが、
料亭などに入れてますので、鮮度は保障します!」
テキパキとした受け答え。

夜に仙台中心地の公園で復興支援のドイツビールのビアガーデンがあって、
ドイツ在住38年の日本人ヨーデルチャンピオンが復興支援のためにステージに上がって、
会場が一体となって、若人が盛り上がって、本当に熱気のあるステージでした。

それをみている友人ご夫婦が、また涙涙で、
「ふつうに生きているだけでも、人生は苦難が多い。
この若いみんなが、今のパワーを持って、これ.からの人生を、
がんばって歩んでほしい。。。」

私も涙がでました。
この子たちを、私たち大人が明るい未来に導いてあげないといけないと思いました。

阪神淡路の震災を経験しているだけに、
今回の被害がどれほどのものか、想像ができます。

昨日、パートナー会と地区研合同のHalloween Partyだったのですが、
保護者との親睦会のときに、
今回の仙台のことに触れると、
皆さん食事をとめて、聞き入ってくれました。

私たちは、今、何ができるんでしょうか。
阪神淡路の後、10年たっても自殺者は減らず、
神戸に住む娘はビルから飛び降りたり、電車に飛び込み人をたくさん見ました。

直接的ではなくても、余波は続きます。

とりあえず、年末助け合いや赤い羽根募金など、
義援金活動が、私たちにできることでしょうか。。。

遠く離れていても、お互いを思いあう心の輪を広めていくことでしょうか。。。

こうやって、裕美さんにメールができるのも、あの震災があってこそですね。

また、お時間があるときにメールをくださいね。
今は、何をするのが一番なのか、わからいないのですが、
被災した方々と気持ちを共有して、子供たちに語ることかな。。。と思っています。

ながながとすみません。
思いつくままにうちました。。。

丸井淳子