レッスンこぼれ話#306

@橋本

レベル6
Goose with the Golden Eggsでは”The fox and the crane”
「キツネとツル」に入ったので、まず絵を見ながら
色々と尋ねるのですが、生徒達はちがっている、思う所だけは
首を横に振ってなんとか意思表示をしましたが、
発話して答える、という事が全くありませんでした。
私のクラスではどんどん発話してもらいたい、
内容的に間違っていても、文法的に間違っていてもかまわない。
まず発話することによって学んでもらいたい、と思っています。
そしてもう一つ、とても大事な事。
「会話をしよう!」
私の英語のクラスはただ単に英語を読めたり書けたり
先生の指示に従って英語の文を一緒に言う、というレッスンではありません。
「会話をすること」が大きな目的です。
どうも生徒達はその目的を忘れているようだったので
日本語タイムを設けて、話し合ってみました。
「会話をするってどういうこと?」
「伝え合う事」と生徒から返ってきました。
良い言葉ですね。
では「伝え合うってどういうこと?」
生徒達は考え込みます。
どうやったら伝え合えるのだろう?
相手が言ったことに反応する事。
首を振ったり、という動作での反応もあるし、
言葉で自分の思っている事をいうこと、
コメントを言う事も反応する事です。
黙って何もしない、という事は相手を無視している事と同じ。
分からないなら分からない、と伝える事が大切、と話しました。
英語で言えない事があるかもしれない
(大抵はそのような事は聞きませんが。
生徒の中にはそのような思い込みをしている子もいます)
では、その時はどうしたらいいのだろう?
幸いに先生は日本人です。
だから”How do you say ….in English?”
(・・・とは英語でなんと言うのですか)と聞くフレーズを教えています。
そういうフレーズを使ってみる、という態度が必要です。
そういう態度を養わなければいけない、と再確認したので、
レッスン中に使える簡単なフレーズを練習して、
自発的に(これが大事。人が発した事にすぐに)反応するよう促しました。
これからのレッスンはこれを第一目標にしようと思います。
このクラスの生徒は実は非常に日本の平均的な生徒の姿だと思います。
なぜなら学校でそのように躾られているからです。
ちょうど1ヶ月くらい前に大学院で小学校教員になりたいという学生を指導している
先生が以下のことを発信されていました。

私たちは、英語の授業では、授業へのcontributionを促します。つまり。
思ったことをどんどん言わせる教育をしていますが、一般的に小学校では
静かに先生の言うことを聞いて、しっかり手を挙げて、しっかりと答えることを要求しています。これでは、思ったことを自由に答える雰囲気にはなりません。
自信のある子供だけが、手を上げる権利があるのです。
 
こうした授業形式に慣れていらっしゃる先生方が、英語を教えるようになると学校文化にも変化が与えられると、心から思いました。
もっと、自由に、思ったことや考えたことを間違ってもいいから話す訓練は、やはり英語の授業を通して実現する!と実感致しました。

私も生徒達から自由に発話を引き出せるよう
レッスンを見直さなければ、と強く思ったレッスンでした。
レベル8
BBL “Lost”の内容把握をする質問に答える事を宿題にしていたので
そのチェックをしました。
答えはおおむね合っているのですが、
答えのポイントしか書いていないので、
フルセンテンスで書く様に言いました。
フルセンテンスで書く事によって、文の構造が身に付きます。
そういうちょっとした所の手間を惜しがらない事。
すごく大事な事だと思います。
多くの質問は本文を読めば答えを拾えるように作ったのですが
中にはしっかり内容を読み取って答えるような質問も作っていました。
でも、単純に文中の言葉を拾って答えているようなところもあって
再度考え直させました。
正しい答えが分かって「!」という表情のMKでした。
やっつけ仕事で宿題をしてはだめですよ。