2014年3月31日
「英語で英語を教える」
オンリーイングリッシュ指導法
構成:mpi広報課
レポート:小学校英語の現場から

「“英語で英語を教える”を戦う 海外研修編」 松香洋子

英語の教師をオーストラリアの海外研修に連れて行ったことが何回かあります。10日間程度の短い研修ですから、これを最大に活かす方法として、“すべてを英語で行う”、と決めました。
まずは、成田空港に集合したら、宣誓式をします。mpiでのお決まりの宣誓文、
“I’ll speak only English!“ を言わせ、この瞬間から成田に戻ってきて解散式をするまでは英語だけ、と約束させました。

飛行機の中では、「こんなに静かでお行儀のよいグループは初めてです」と客室乗務員からは褒められました。一緒に乗っているオーストラリア人からも褒められました。 なにしろ、日本語を喋ってはいけないので、静かです。
もちろん、客席では生徒同士でひそひそと喋っているのでしょうが、客室常務員にお願いをする時は英語だし、外国人とも話します。
オーストラリアでは、語学担当の先生からも褒められ、ホームステイの皆様にも評判がいいのです。でもいろいろと工夫をしました。

まずはアルバムつくりです。現地でなるべく分厚い100ページほどのアルバムを買い与え、一日に10ページずつ埋めるように指示しました。 すると生徒たちは、その日に行ったところのパンフ、絵はがき、写真はもちろんのこと、レストランのメニューや紙ナプキン、大きな紙コップ、なるべく大きな葉っぱなど、だんだんと大きなものを見開きで貼るようになりました。 すると英語を書く場所がなくなるし、10ページが早く埋まります。ホームステイ先に小さい子どもがいたところはラッキーで、毎日のように絵を書いてもらってそれを貼ります。毎日、いろいろなミッションもだしました。 ペアでバスにのって○○まで行ってくる、スーパへ行って買い物をしてくる、郵便局へ絵はがきを出しに行く、宿泊先の人に声をかける、ショッピングセンターに行って座って休んでいる人に話しかける、etc.
そこで得たものもなるべくアルバムに貼らせ、報告をさせました。

面白かったことは、ホームステイの方々がだんだんと真剣に協力してくれるようになり、最後の感謝の会では、「私の家にきた子のアルバムが一番でしょう」などと、自慢し合っているのでした。

周りに英語があるからこそ、英語を話す人々がいてくれるから、できることはたくさんあります。このようなやり方を一番喜んでくれたのは、英語教員グループかもしれません。このアルバムが生徒に評判がいい、ということでした。奇妙なものが貼ってあるほどいいわけです。 教員も忙しいので、夏が終わったらいつか整理しようとすると絶対にできないのです。でも帰国した時には報告アルバムができているのです。

こうやって楽しくやっている内に、英語だけの研修は英語漬けになって終わるのでした。帰国した生徒はいつもいいました。「もっと英語が話せるようになりたい。ホストファミリーの人ともっと真剣にいろいろなことが話し合えるようになりたい。」動機づけには海外研修は一番効果があります。


◎mpiイングリッシュスクールズでは「15歳で世界の同世代とコミュニケーションがとれること」を最終目標に、9年間の一貫カリキュラムを実施しています。
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