古川昭夫(SEG 多読教室主宰)×Glenn McDougall(シリーズ著者)
2010年1月5日
だからBuilding Blocks Libraryは面白い!
~制作者対談~
古川昭夫(SEG 多読教室主宰)×
Glenn McDougall(シリーズ著者)
レポート:小学校英語の現場から

グレン 「英語として自然で、しかも日本人にとっても自然な語彙で書こう」ということで、古川先生から語彙リストをいただきましたね。実は、古川先生からいただいたリストの語彙だけを使って物語を書くのが、いちばん大変な点でした。

各レベルで使用できるボキャブラリが決められていて、レベルが高くなるにしがたって、使える語彙も増えていきます。低いレベルではわずかな語句だけで物語を書かねばならず、それが難しいところでした。

特にレベル4では、登場人物と、さらに学校や先生や両親など彼らをとりまく環境も紹介しています。語彙リストの制限に加えて、執筆を困難にする要因がたくさんありました。まるでクロスワードパズルを解いているようでしたよ。

子ども達がくれたアイデアをストーリーに

古川 グレンさんには男女のバランスにも気を配っていただきました。少年向けの内容もあれば、少女向けの内容もあり、男女問わず子どもが面白いと感じるストーリーになっていますね。

グレン 教材であっても面白い作品になるように、ストーリーを工夫しました。実は、ストーリーのアイデアは子ども達からもらったんです。私の息子や彼の友人たち、そしてmpiの教室に通う生徒達と話をし、いろいろな質問をしました。その答えをリストにまとめて、ストーリーづくりに生かしました。

古川 物語の主なテーマは、「友情」「家族」「恋愛」などで、それぞれの登場人物の「見せ場」もあって面白いですね。5人のメインキャラクターのうち、私はバスケットボールプレイヤーで演劇の好きなBenがお気に入りです。グレンさんはどうですか?

グレン 私はKatですね。最初にKatの設定を考えていたころは、こんなに活躍する人物になるとは思っていませんでした。物語がつくられていくにしたがって、どんどん存在感を増していって。

Katが中心となっているAnd First Prize Goes to…という作品では、親にかまってもらえない子どもの気持ちを描いているんですが、多くの子ども達が親に対して同じような気持ちを抱いたことがあるんじゃないでしょうか。

Katの両親は離婚しているんですが、彼女はいい子に育っていきます。あるとき、彼女は「私の描いた絵を展覧会に見にきてほしい」と母親に頼みます。しかし、病院で医師として働いている母親は、重病人を診ているためKatの要望に応えてあげることができません。Katは機嫌をそこねるのですが、母親が患者の命を救ったことを後に知ります。そして申し訳ない気持ちになって、母親にごめんなさいと謝ります。

子どもはたいていこれと似たような出来事を経験しますので、読むと共感してくれると思います。

古川 実際にBBLをSEGの授業で使っていますが、生徒には非常に好評で、Oxford Reading Treeと人気を二分しています。リアルな学園生活の物語に興味がある生徒に評判がいいようです。

グレン 私の周囲の子ども達も、ストーリーを楽しんで、予想外の展開を面白がってくれています。子どもは面白ければ読んでくれます。そして、それが読むことの習慣につながります。BBLが子ども達の読書欲を刺激すれば嬉しいです。

古川 大人も楽しめる作品になっていると思いますよ。CDも複数の声優さんの声でナチュラルであることにこだわっていますので、ぜひ聴き読みをしていただきたいですね。

★ こちらの対談模様はコスモピア刊『多聴多読マガジン12月号』にも掲載されています。

Building Blocks Library Level 6

 

Building Blocks Library  Level 1~7(既刊)、
Level 8~9(近々刊行)